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かめちょん
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かめちょん
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#短編集
🙂
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ヘリオトロープ⑪
大森side
【翌朝】
目が覚めるといつもと違う天井に違和感を覚えつつも、脳の覚醒と共にここが涼ちゃん家なことを思い出した。
コンコン
藤澤「……元貴……起きてる?」
小さく控えめに扉を叩く音
そして少し間をあけて、小さな声で涼ちゃんが声をかけてきた
大森「うん、起きてるよ」
藤澤「入っても大丈夫?」
大森「どうぞ」
ガチャ
藤澤「おはよう、元貴……体調は……どう?」
大森「大丈夫、ぐっすり眠れた」
藤澤「そう、それなら良かったぁ」
涼ちゃんは、胸に手を当ててふわりと笑った
藤澤「夜中に咳き込んだりしなかった?それに元貴は少し神経質な所があるから知らないベッドで元貴が眠れるかも心配してたんだよね」
大森「夜中に咳き込んだりもしてない。てか、神経質だなんて失礼なっ!俺は繊細なんだよ!」
藤澤「ふふ……いつもの元貴だ」
大森「……、……ほんとに寝れたから安心して。それに……涼ちゃんの言う通り、いつもの俺だよ、だからさ……」
藤澤「ん〜?何?なに?………………え?!俺何か怒られちゃう?!」
大森「なんで俺が怒る前提なんだよっ……そうじゃなくて……」
今
今しかない
ちゃんと昨日のことを涼ちゃんと話さなければ
大森「……涼ちゃん、俺の話聞いてくれる?」
藤澤「ん〜?な〜にぃ〜?朝ごはんのメニューが気になるとかぁ?それで言うと」
大森「涼ちゃん……そうじゃない」
はぐらかす様なことを言う涼ちゃんを、俺は真っ直ぐ見た。
そんな俺と目が合った涼ちゃんは俺が何が言いたいのか悟ったのか、眉を少し下げながらため息をついた。
藤澤「……ふぅ…………わかったよ……そこ、隣に座っていい?」
大森「うん、大丈夫」
眉を下げながらも笑っていた顔が真面目な顔に変わり、ベッドに座る。
大森「……涼ちゃん、俺……」
俺、の後の言葉がなかなか言い出せない
藤澤「大丈夫、ゆっくりで……まだ時間はあるから」
大森「……俺、若井が好き……なんだ」
藤澤「うん、知ってる。それでも俺は元貴と寄りを戻したいって思ってる」
大森「涼ちゃんの気持ちは……嬉しいって思ってる……でも、若井と……若井と何も話してないし、言いたい言葉も言えてない……。だからまずは俺、若井とちゃんと話すよ。俺の気持ちも不安も……何もかも全部」
藤澤「………………そっか…………決心がついたんだね」
大森「うん……、涼ちゃんのおかげ……だよ」
藤澤「えぇ〜っ、俺、当て馬になっただけじゃんっ!」
大森「そんな事ないよ。涼ちゃんは大切なことを気づかせてくれた。俺に話す勇気をくれた。だから当て馬なんかじゃないよ」
藤澤「……優しいね、元貴は……。まあ、元貴の……お役に立てたなら良かった……かな?ふふっ」
大森「あ……涼ちゃん」
藤澤「ん〜?」
大森「もう邪魔、しないでね」
藤澤「バレてたか」
大森「逆に隠す気もなかったでしょ?毎回毎回俺たちの前に現れてたし、それにわざと若井の前で嘘ついてた」
藤澤「え〜?嘘?何のことだろ〜?」
大森「俺が涼ちゃん家に泊まった様に嘘ついたりしてたじゃん」
藤澤「……ああ!あれね!あれはちょっと若井の反応を見たくてつい……ね」
大森「……まあ、もう今更だけど…………今回は邪魔、しないで」
藤澤「………………もしも……ダメだったらさ」
大森「?…………うん……」
藤澤「俺が元貴を拾って飼ってあげる。首輪付けてね」
大森「首輪って……犬かよ」
藤澤「そうすれば、飼ってるわんちゃんの嘘が本当になるでしょ?」
こんな時にこんな冗談を言うのも、涼ちゃんなりの気遣いだ
俺が後ろめたく思ったりしないように
少し重い空気を軽くするために
大森「あははっ、たしかにね……………………ありがとう、涼ちゃん」
藤澤「どういたしまして元貴…………よーしっ!!」
涼ちゃんは急にベッドから立ち上がり、くるりと回って俺の方を向いたと思ったら、腕を組みながらにこにことした顔で俺を見てきた。
大森「え、は?なに?急に」
藤澤「元貴、朝ごはん食べよっ、俺作ったんだっ!」
大森「え……卵もロクに割れなかった涼ちゃんが?嫌なんだけど」
藤澤「もうっ、あれからちゃんと上達してるからっ!」
大森「信じられない……」
藤澤「んもぉっ!信じられないなら、リビングに来てよ!……あっ!その前に元貴は顔洗っておいで?それまでに用意しとくから」
大森「…………うん」
藤澤「疑いすぎぃぃっ」
顔を洗ってからリビングに入れば、テーブルに
朝食が並んでいた。
藤澤「あ、元貴、こっち座って座って!」
大森「うわ……ほんとに作ってる……てか、朝から豪華だね」
藤澤「んもうっ!ほんとに、は余計だからっ!って言うか質素でしょ」
質素と言いつつもテーブルには、焼いたトースト、スクランブルエッグ、ウインナーがひと皿に盛られ、ヨーグルトが小鉢に入れられていた。
藤澤「元貴、冷める前に食べよっ」
大森「いただきます………………うまっ」
藤澤「ふふ、ありがと……てか、元貴はこれで豪華って……普段朝何食べてるの?」
大森「普段は……コーヒーか麦茶」
藤澤「…………え、それだけ?」
涼ちゃんの問に、こくんと頷けば、怒られた
藤澤「なっ、ちょっ、だめだよぉっ!ちゃんと食べないとっ!!」
大森「わ……わかってるんだけど…………ちょっとでも多く寝たい……」
藤澤「だはっ、そこは相変わらずなんだねぇ……でも今後は出来るだけ何か……ヨーグルトひとつでも食べること!じゃないとまた倒れるからね!」
大森「……極力……ガンバリマス……」
藤澤「その返事は元貴がやらない時の返事!!んもうっ、若井に言いつけてやるっ」
大森「ちょ、なんで若井が出てくるんだよっ」
藤澤「チクられたくなかったら頑張らないとね〜」
その後も涼ちゃんと、俺が無理なく朝ごはんに何を食べるのがいいかの話をしながら朝食を食べて、俺は作ってくれたお礼に洗い物をした。
藤澤「元貴ぃ〜、スーツは貸せないけど、ネクタイとワイシャツなら貸せるんだけど……シャツ……ちょっと大きくても問題ないよね?」
大森「……何それ嫌味?」
藤澤「ち、違うよっ、仕方ないでしょっ、元貴とは身長が違うんだから」
大森「冗談、わかってるよ。ワイシャツ貸してくれるだけでありがたいよ」
涼ちゃんの貸してくれたワイシャツは首周りと袖が少し大きかったけど、上着を着れば特に問題はなかった。
藤澤「うん、上着着てれば普通にわかんないね」
大森「シャツが大きいだなんて気がつく奴なんてら居ないだろ」
藤澤「……((ボソッ………若井は気がつくだろうけど……」
大森「ん?涼ちゃん何か言った?」
藤澤「う、ううんっ、なんでもないっ!さ、そろそろ出よう」
大森「ほんとありがとね、涼ちゃん」
藤澤「いいんだよ。俺は久々に元貴と過ごせて楽しかったから……俺こそありがとう、元貴」
大森「……?、なんでありがとう?」
藤澤「ふふふ」
大森「こわっ、何笑ってんのよ」
藤澤「ほら、出なきゃ遅刻しちゃうよ〜主任っ」
大森「うわ、涼ちゃんが主任って言うとか気持ち悪っ」
藤澤「元貴口悪すぎっ」
涼ちゃんに悪態をつきながら最後にネクタイをグっと上に締め上げ、俺は涼ちゃんと部屋を出た。
コメント
6件

....正座をして見守っていたら、正座ではなくなり、ただただスマホを見つめる変態の体制へと変わっていました。 悪澤さんは、藤澤さんの姿へとお戻りいたしましたね....。 やはり優しい藤澤さんがそこにいるんですね....
ふわぁ……そうですか 藤澤さん… 悪あがきかも…と、分かってはいたんですね ワンチャン…とも、思っていたんですね でも、やっぱり 好きな人には幸せでいてほしいんですね 私の大好きな藤澤さんが居ました ありがとうございます🤝
うわあ、この2人の空気感、めちゃくちゃ良かった……!大森がちゃんと涼ちゃんと話そうと決めて、自分の気持ちを伝えるシーン、すごく刺さった。涼ちゃんの「もしダメだったら俺が飼ってあげる」って冗談、優しさと切なさが混ざってて泣ける。朝ごはんのシーンもほっこりしたし、若井にチクるって脅しには笑ったw ついに動き出す大森、次が楽しみすぎる🔥