ロベルトは教会で祈りを唱えていた。カツカツと杖の音が鳴ったので振り向くと初老の足の不自由な夫人が立っていた。
「ご夫人何かお困りですかな?」
「自殺した娘が毎晩出るんです。」
夫人はハンカチで涙を拭きながら言った。
「なるほどそれはお辛いでしょ私が見に行きますよ。」
ロベルトは夫人に案内させれて
家に上がった。
「神父様娘は真夜中の2時に現れるんです悪い男に裏切られ…。」
「何と哀れな…。」
夫人が写真を見せた。そこには美しいブロンドの美女が写っていた。
「名前はマリアと言いますこの子は純粋な子でした。」
「ご夫人安心してお眠りなさい。」ロベルトは優しく手を取り夫人を寝室に連れて行った。
そしてゴーンゴーンと2時を知らせる時計が鳴った。
「私の愛しのエレンは何処…?」
マリアの亡霊の目は虚ろんでいた。
「マリア私は君の味方だ訳を聞かせてくれないか?」
「あの人は私に愛してる結婚しようって言ったのけど全てが嘘で私の金目当てだったの…。」
マリアが涙を流すとロベルトはそっと抱き締めた。
「君はとんだ悪い男と出会ったんだね。」
「私は彼とキスした事ないのキスをしようとするとはぐらかすのよ!」頭をトントン撫で
マリアの唇を自分の顔に寄せて
キスをした。
「…!」夫人はこっそりその様子を見て慄いた。
「マリア君は一人じゃない困った事があったら神を頼るがいい。」
「ありがとう神父様。」
マリアはニコリと笑い消えていった。
「あなたは凄い方だわ。」
「いいやマリアがいい子だからですよ。」ロベルトは微笑んだ。
翌朝夫人とマリアの墓参りに行った。
「マリア安からにお休み。」
ふぅーと柔らかい風が二人の頬を撫でた。
1話完
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