赤・青・桃
どろどろ系
俺には好きな人がいる
行きつけのバーテンダーの男性
カランコロン
「お〜!いらっしゃい!」
「また来てくれたんねニコ」
爽やかな笑顔が
「何飲む?」
「いつもので」
バーを作るときの横顔が
「お待たせ致しました」
「カカオフィズになります」
差し出してくれるその指が
「ありがとうございます」
「、、、好きなんです」
ふと口をついてしまった言葉
慌てて彼を見ると変わらぬ笑顔を浮かべている
「このカクテルですか?お兄さんいつも飲んでますもんね!」
、、、鈍感
「、、、そうなんです。このカクテルが、1番好き」
だってこれは____
カランコロン
「お!始めましてさん」
「いらっしゃい」
その妖艶な笑みにハイジャックされてしまったのだ
それから俺は毎日のように通い続け、、、
通い続け、、、
「お兄さん!また来てくれたんだ」
通い続け
「いらっしゃい。今日も同じの飲みますか?」
通い続け
「いらっしゃい!いつものでいい?」
通い続けた
初めて店に入ってカクテルを選んでいた時
「お兄さんカクテルとか普段飲まないんですか?俺はこれ、オススメしますよ」
__カカオフィズ__
彼が教えてくれたカクテルだった
俺はカクテルが好きで通ってるんじゃない
貴方に会いたくて通ってるんです
このほんの少しの時間でも、貴方といたいから
「お兄さんほんとそのカクテル好きですね〜」
「まぁ、、、はい(苦笑)」
好きな人がススめてくれたから
だけどこの気持ちは、伝えてはならない
なぜなら
「あれ、まだ営業中?」
彼には、立派な相手が居るからだ
俺が出会ったときから2人は付き合っていて
俺が出会う前からお互い好きあっていた
、、、俺が入る隙間なんてない
「、、、じゃ、俺そろそろお会計で」
「えっ?あ、わかりました」
ズキン
「?」
「お兄さん?どうしましたか?酔った?」
「あ、いえ、、、」
今の痛みはなんだったのか
、、、きっと俺は知らなくていい
俺はそっと最後のカクテルに口をつけた
カカオフィズ
__恋する胸の痛み
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