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バイトが終わると急いで着替えて竜基さんの元に行った。


「お疲れ様、さぁ帰ろうか」


助手席に座ると竜基さんはすぐに車を発進させる。


「あの、社長って?」


一瞬目線だけをこちらに向けると軽く口角を上げた。

「憩屋の親会社はどこか知ってる?」


「もしかして」


「やっぱりそうか、気付いてないなとは思っていた」


「ごめんなさい」

自分が働いているバイト先の事を理解していなかったこと、自分が経済学部生であるのにわかっていなかったことが恥ずかしい。


「長友商店はまだまだだと肝に銘じたよ」


助手席で小さくなる。


「じゃあ、アンソルスレールで会ったのが初めてじゃなかったんですか?」


「亜由美が憩家に面接に来た時に、たまたま俺も用事があって来ていたんだ。その時に、せっかくのビジュアルを隠すような髪型やファッションが気になった。だからアンソルスレールに来た時は、また来てほしいし話をしたいと思った」


また来てほしい、そんな風に思ってくれていたんだ。嬉しいかも。

すこし気恥ずかしくて助手席でつま先を伸ばして脚を浮かせてみたりする。


「亜由美がアンソルスレールに来るのは金曜日だと分かって金曜日はなるべくカウンターに入るようになる位、亜由美のことが気になっていた。話をする度に惹かれていたんだ」



ゆっくりと話をする竜基さんの言葉に酔ってしましそうだ。


「あの日はたまたま木曜日に店に行っていたんだが、その時に恋人ができたと聞いた時は悔しかったよ。ただ、30歳の俺が学生の亜由美に告白していいのか迷っていた間に奪われたような気持ちになった」



どうしよう、甘い。

悶えそうと思っていると、いつの間にか車はマンションの駐車場に着いた。

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