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「よーし!!! 温泉いこ!!」
「お、おう……」
「ちょ、ふふっ!しゅん顔赤いよ?」
「や、やってぇ……! じゅうのせいで、俺の感情、もうさっきからずっとジェットコースターやでぇ……?」
しゅんは眉を八の字にして、子供みたいに下唇をムッと尖らせて僕を見上げる。
もう、なんか、その姿が本当に、愛おしくて……。
「もう……しゅん、本当にかわいい……」
僕は限界になってそう呟くと、横たわる彼に少しだけ自分から顔を近づけ、その熱い頬を両手でそっと包み込んだ。
「んぇ? じゅうちゃん?…な、なにぃ…?」
至近距離で見つめ合って、ハッと我慢の限界に気がつく。
僕は一体何をしようとしたのだろう……。
自分からキスでもしようとしたのか?
自分の衝動的な行動に戸惑って、そのまま固くなってしまった僕の手首を、しゅんがグッと力強く引き寄せた。
そのまま、抵抗する隙もないほどに、彼は僕の身体を布団ごとそっと強く抱きしめる。
「じゅう、好き」
「……ん」
「めちゃくちゃ好きや」
「うん……、」
「ずーーっと、待ってるからな?」
「……ありがと」
衣服越しでも、彼のあの男らしい高くて甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
もっと彼を感じたくて、もっと彼の熱に溺れたくて、僕は自分からまた少しだけ彼の方へと身体を近づけた。
気づけば、お互いの身体の隙間がなくなるくらい、ぴったりとくっつき合っている。
……本当に、好き。
もっと、触れてほしい。
触れたい。
そう強く思った瞬間、胸の奥を激しい罪悪感がチクリと刺した。
――待っててほしい。
強くなるまで、恋人にはなれない。
自分の口から、彼にそう告げたばかりなのに。
恋人の関係をお預けにしている張本人は僕なのに、それなのに自分からしゅんの温もりを求めて、もっと触れ合いたいだなんて思ってしまう。
なんて自分勝手で、都合がいいんだろう。
「あ……ごめんな? ……ちょっと、はぁ、」
「……んー? どうしたの?」
急にしゅんの呼吸が荒くなり、僕の首筋に熱い吐息が吹きかかる。
「いや、ちょっと……これ、やばいわ……」
「え? ……なに?」
「あ、いや……、」
引き離されようとしたその瞬間、ふいに、密着していた僕の太もものあたりに、ゴツゴツとした硬く熱い塊がダイレクトにぶつかった。
下着越しでもはっきりと主張してくる、猛烈な熱量。
――これって、しゅんの……?
「あー……ごめん! ちょっと、トイレ行ってくるわ!!」
しゅんは限界を迎えた顔で僕から飛び退くように離れると、大慌てで部屋のトイレへと駆け込んでいってしまった。
一人残されたベッドの上で、一気に顔があつくなっていく。
触れていた下半身の感触が残っていて、昨夜の、あのシーツの上での激しい快感が脳裏に蘇る。
あぁ、やばい……。
しゅんの熱にあてられて、僕のソレまで、下着を押し上げるようにして熱く硬くなってしまっていた。
もう、最悪だ……。
「強くなるまで待ってて」なんて都合のいい言い訳で彼を焦らしておきながら、自分までこんなに欲情して、彼を求めてしまっているなんて。
待たされるしゅんの気持ちも考えずに、自分の寂しさや欲のままに彼に甘えようとする自分が、どうしようもなく嫌で、惨めで、嫌悪感が一気に押し寄せてくる。
自分の矛盾した身体と、しゅんへの申し訳なさで、情けなくて涙が出そうになりながら、僕は布団に強く顔を埋めた。
それから、10分ほど経った頃。
ガチャ、と静かにドアが開いて、すっかり大人しくなったしゅんがバツの悪そうな顔で戻ってきた。
「ごめん……、」
「い、いや……全然、気にしないで//」
お互いに身体の芯にまだ熱を残したまま、部屋の中に何とも言えない気まずい空気が流れる。
「お、温泉……行こっか?」
「う、うん……行こう、そうしよ、」
あぁ、もう嫌だ。
自分のずるさが、本当に嫌になる。
彼にもっと触れたいのに、触れたいと思うことすら今の僕には許されないような気がして。
もどかしい後悔と自己嫌悪を胸に抱きながら、僕は気まずさを誤魔化すように急いでバスタオルを掴み、夜の露天風呂へと向かった。
to be continued…..
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