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私は病気。
数ある病気の中ではトップクラスの難病で、治せる薬も、医者も居ないらしい
手術しても無意味で、ただ命尽きるのを待つしかないらしい。
私の体質的にも安楽死とか植物状態とか危険らしくて
“” 尽くす手がない “”
そう言われた
私と仲がいい人、私の家族。近所の人達、学校の先生はみんな泣いていた
本当に泣きたいのは私なのに
私だけ涙を堪えて「何泣いてるのw」って苦笑いをした。
でも、ただ…愛されていることだけは感じた
個室の病室は肌寒くて、冬はまさに地獄そのもの
少し動けば腕についている沢山の針が動く
少し痛い
服を着替える時もいちいち外さないといけなくてめんどくさい。
ご飯も、入院前みたいに美味しいものを食べれない
全て液体で 味がしない、変な味がして吐き出しそうになる
その度この病気にかかった悔しさに涙が出る。
もっと美味しいご飯が食べたかった
大好きなお母さんのシチューが食べたい
友達と沢山遊びたい
プリクラとか、沢山撮りたい
大好きな歌も歌いたい
それなのに体は言うことを聞かない
声を出そうとすれば心臓の方が ドクンッ と大きく音を立てるように鳴る
痛い、苦しい
皆に迷惑をかけているのはわかってる
早く治したいのに
治す方法がない。それに1番悩んでいるのは私なのに、何故みんな私より悲しむの?
どうせ死んじゃえばいつか忘れるくせに
どうして今だけ私の傷をえぐろうとするの?
精神的なメンタルが弱っているせいで、ずっと自分を傷つけることしか考えない
病室のドアが空く
今日も一日が始まる。
看護師が色んなことを聞いてくる。
「よく寝れた?」
…まぁまぁ。
「好きなことはある?」
一応
「大人になったら何になりたい?」
歌手…
「素敵な夢ね、きっとなれるわ」
…うん、治ればね
「治るわよ」
…
「貴方は凄いもの」
…
優しい言葉をかけられていることなんて承知の上
私の気持ちなんて分からないくせに
そう、また自分を傷つける
なんで私の中でその言葉を折り曲げるのだろう
心だけひねくれている
憎たらしい
…こんな私が大嫌いで、頑張っている私は大好き。
きっと、ね
「…?」
「何、この本」
机の上に見知らぬ本が置いてあった
多分、あの看護師の
鍵がついてあってやけに薄い
薄い本って同人誌って意味らしいよね。
…あぁ、興味があるんじゃなくて姉が呟きてたから盗み聞きしただけ、気にしないで
表紙は無地で布って言うよりは…ボンドで固めた布みたいな感じがする
「…気になるな」
「でも鍵…」
別に人のものを開けるのに関してはどうでもいいけど鍵の代わりをどうしようと悩む
「あ、ピンあるじゃん」
前髪を止めるために貰ったピンを取り、カチャカチャッ…と音を立てて慎重に解いた
ミスったら中でピンが折れちゃうからね
元も子もないよ
カヂャッ
「…開いたな」
ピラッと表紙を開ける
謎にドキドキしていた。一応女の子だからね
「恋愛ものとかだったらキュンキュンしちゃう!!」
…キャラに合わないことを突然言う
さて、気を取り直して開けよう
表紙を開けるとそこには謎の文字が書いてあった
「…あ、?」
「なに…」
「天使様に助けてもらいたくばこの言葉を3回唱えろ…?」
「何それ、くだんな」
…なんて思っても気になるものは気になる
どうせ嘘だ
そう思って、好奇心に負けて言ってみることにした
「…天使様 天使様 天使様」
「どうか私をお救い下さい」
「ほら、やっぱり嘘…」
『呼んだ?』
「あぇあッ、?!!」
ガタンッ
『ちょ!あっ…ぶないなぁ』
『それ外れたら君死んじゃうでしょ…』
「だっ、誰…」
『はぁ、?誰って…』
『君が呼んだ天使だけど…』
「……は…?」
嘘だ、絶対に嘘だ。
…でも、そんなことを覆すようなものが今目の前に広がっている
絶対に普通の人間には生えない真っ白な大きい羽
淡い黄色に光る輪っか
…それに、窓から入ってきている
ここは3階
こんな小さい子が登れるわけが無い
『…んねぇ、今絶対に小さいって思ったでしょ?』
「なんでわかったの?気持ち悪、」
『酷いし!二つの意味で酷いし!!』
『何さ、せっかく助けに来たのに…』
「…」
「助けに…?」
『…何さ、なんか変なこと言った?』
「何言ってんの…」
「私の病気なんて…治せないのに…」
「助けるなんて軽々しいこと言わないでよ…っ」
『…』
「希望なんて見せないでよて」
『…僕はさ』
『そんな凄い人じゃない』
『ましてや人でもない』
『だから、君の気持ちも、病気の辛さも何も知らない』
『だけどね』
『僕には人を幸せにする最高な力がある』
『だから君の病気も治せる』
『…とか言って完全にじゃないけどw』
「…」
『君が死にたくないなら僕は…』
『僕は君の事を命をかけて生かすよ。必ず』
どうして
どうしてこんなに心を揺さぶられるの?
どうしてこんな見ず知らずのやつに…
なんで…なんでこんな分からないやつの前で…
「…ぅ…..ひっ、ぐッ….グスッ」
泣いてるの…?
『あえぇ?!!』
『な、なんで泣いて…!』
「私ッ…わた、し…っ」
『!』
「死に゛た…く、ッ…な゛…ぃい…ッポロポロ」
『…そっか』
『それが君の本音なんだね』
この人の前だと、何故か自然に口が動いて
言えないことばっか言えちゃうような感覚がして
辛くて、怖くて、気持ち悪い
こんな自分を見た事がない
誰なのか、誰なの?…私は…なんでこんなに泣いてるの?
『大丈夫、怖くないよ』
『…すぐ楽になるから』
「…へ、っ」
ぎゅっ…と優しく抱きしめられる
暖かくも、冷たくも、ぬるくもない
不思議な体温と、水のようなふんわりした感覚に襲われる
寝そうになる
何故か、とても眠い
落ち着くからか、突然睡魔に襲われる
この数日寝れていなかったから抵抗出来ず、そのまま身を委ねてしまった
『…おやすみ』
その優しい声を信用した
「…んん、っ」
目が覚めるとまた病室
身を委ねた天使はいなくて、何故かいつもより体が元気だ
起き上がった時、変に異物感もしない
痛みも苦しさもない
とても元気で不思議な気持ちだ
ガラガラ、とドアが空く
夜ご飯を届けに来た看護師が驚いた顔をしてこちらを見ていた
『か、え、?!顔色が…!!』
顔色…?
『ちょ、ちょっとまっててください!先生を呼んできます!!』
「ぁえ、あ、ちょッ…」
なんか…めんどいことになったな
『…』
先生が心臓の音を聞いている
血圧、血糖値、心拍、その他諸々の審査を終えて一言言われた
『病状が良くなっている』
私は驚いた
治らない病気なのに、と
『これなら退院しても良さそうだ』
そう言われて、夢みたいに喜んだ
もしかして…本当にあの天使が…?
本物だったの…?
でも、実際に病状は良くなっている
体も思うように動く
食欲もある
ちゃんと表情が動いている
夢に見たこの光景
外にでるのは数年ぶりで楽しい
雪が降っていて、そこら辺に雪だるまがいた
「凄い…」
ずっと待っていた世界
愛していた世界が目の前にある
家に帰るのも久しぶりだ
愛犬は元気にしてるかな
あの頃はまだ子犬だったな
お姉ちゃん県大会優勝したかな
お父さんは出世できたかな
お母さんは化粧ちゃんとできるようになったかな
色んな楽しいことが思い浮かぶ
あんなに暗い脳内が、一気に明るくなった
『おかえり』
と抱きしめられる優しい体温は、心地よく安心感を得られる
抱きしめられて…
『大丈夫、怖くないよ』
…抱きしめ…られ、
『…すぐ楽になるから』
抱き…しめ、……
天使……
もう一度会いたい そう、ふと思った。
ちゃんと考えれば、全部あの天使のおかげで助けられた
幸せを掴み取れた
もう一度あってお礼を言いたい
もう一度、もう一度だけ会いたい
…それなのに、おまじないを忘れてしまった
「明日、看護師さんに聞いてみよう」
「…勝手に開けちゃったことも謝ろ」
そう思って、今日は安らかに眠りについた
「…え、?知らない?」
『えぇ、私薄い本なんて持ってないもの』
「う、薄い本って同人誌とかじゃなくて日記帳みたいなやつ…ですよ、?」
『同人誌は読まないから…ってなんで知って…』
「そ、それは忘れて!」
「でも分からないのか…」
『そんなことより、人のものを勝手に開けたの?私のじゃなかったとはいえ、誰かのものなんでしょ?』
「…すみません」
五分ほど説教が続いだ。長い。反省した。
…だとしても、あの看護師さん以外あの日病室に入ってきた人はいなかった
でも看護師さんは知らないって…
どうしよう、呼ぶ手段が無くなった
生憎様向こうは生きてないからLINEとか連絡先もない
「どうしよう…」
『なーにしてんの。』
「うわっ、?!あ…久しぶり…」
『ん、久しぶり』
『学校来れそう?』
「うん、明日から行けそう」
友達と遭遇した
一番仲いい友達だから会えて嬉しい
『んで、どうしようって何?』
「え?あぁ…いや?なんでもないよ?」
『…ふーん?』
…やば、怪しまれてる。
どれだけ小声で言ってもバレるものはバレるんだなぁ…
何よりこいつが地獄耳だからな
そういえば耳鼻科でコウモリ並みの聴覚してるって言われたんだっけ…
…関係ないか
とりあえずもっと怪しまれる前に帰らないと…
『ほんとに何もな…』
「よ、用事あるから!じゃーね!」
『あちょ!!』
『…走って転ぶなよーっ!!!』
つくづく思う、優しい友達を持ったと
「ほんと、どうしよ…」
「お礼…どうしても言いたいのにな…」
いや、ただ会いたいだけかも。
なんてね
学校の準備をしながら考える
言葉を唱えなくても会える方法を、ずっと考えていた
…見つからない。
どうすればいいんだろ
「はぁあ……」
なんか、息苦しいや。
色んな意味で
『おはよ〜』
「…」
今日も考える
天使に会う方法を
あー、どうしても分からない…
なんだよもう…
『…んね、聞いてる?』
『おーーーーい。』
「うわっ、!脅かさないでよ…」
『脅かしてないんだなぁこれが』
「あ、そう?」
『おはよ』
「おはよう」
『んで、昨日なんで逃げたの?』
そう椅子に座りながら言われる
「逃げたって…言い方悪いな…」
『なんて言えばいいのさ』
「…逃げた」
『でしょ?』
何も言い返せずに同じことを言った
何も言えないの、私の悪い癖だな
ずっと治ってないや
『なんか悩み事?』
『好きな人でもできた?』
「…別に?」
『うわ あやしー。』
好きな人、か
…天使?
っていやいやいやいや!!!
な、なにっ…なえ、あっ…
何言ってんの…!!!!///
別に…惚れてなんか…
『大丈夫、怖くないよ』
…惚れた、かも…??
…ってないないないない!!!
『あ、授業始まる』
『じゃーね』
「あ、う、うん…」
結局、ずっと考えっぱなまま一日がすぎた、授業の内容もそんな入ってきてない
…私は、天使が好きなの…?
でも向こうは死んでるんだよ…?
…なんでこんな…無謀な愛を…
「…好きじゃ…ない、…かな」
『好きじゃないの?』
「うわっ?!」
「…って、…ぇ、?」
「て、天使…なんで…」
「私唱えてないのに…」
『ん〜、』
『見てたからかな』
「…え?」
『会いたそうにしてたしね〜』
「お、お前!!」
『うお危ねぇっ!!!』
何故か天使相手に物理攻撃をしようとした
案の定交わされた
てか交わす必要ないだろ、生きてないし
『んで、なんか僕に言うことあるんじゃないの?』
「…」
『ほーら』
『あ〜??り〜???が〜???と〜???う〜〜?????』
「…うるさい!!」
『はぁ、?!』
『なんだよせっかく助けてやったのに…』
「別に助けてもらわなくても良かった!」
『…僕が助けたかったから助けた。それでいい?』
「っ〜〜ッ…!////」
『あ、惚れた?』
「だまれぇッ!!!///」
『だから危ないって?!!!』
『僕女!!僕女!!!暴力反たああああああッッッ!!!!』
はい、えー。
時間間に合わせるためにゴリ押ししました
どうも無名さんダヨッ☆きゃぴー
まぁあの、百合ですよ?ちゃんと。
最初ミステリーにしようとしたけど気力的に無理でした。(´>ω∂`)☆
物理的ハッピーエンドな、これ
これからも百合書いてくぜべいべー
俺は寝るぜベイベー、
それでは最後まで見てくれた方ありがとうございます!
オツニーーーーダンゴッ!!!