『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第10鎖 『夢の中で告げられたこと』
『ん…?真っ暗…ここは、どこ…?』
「ここは夢の中。私のね。」
『貴方は…?』
「貴方は私よ。そして、私も貴方。」
『どういうこと…?』
「思い出して。貴方は自室で監禁されてるのよ。この右目の傷も…背中の痛々しい鞭の後も執事たちにやられたの。」
『これを、みんなが……。』
「早く逃げないと貴方の心まで囚われてしまうわ。」
『そんな、そんなの嫌だ…。』
「ルカスに飲まされた薬のせいで貴方は意識が朦朧としているだけなの。お願い。私を助けて――。」
『はっ…っ!』
そこで目は覚めた。
『夢…?ううん。違う…。私は薬を飲まされて戸惑っていただけだ…。私はここから出るっていう望みがある。みんなからどんなことをされようと私は――。』
コンコンッ。
『!!』
『主様。起きているかな。私だよ。』
『ミヤ、ジ…?』
『あぁ。おはよう。』
ガチャ
『ふふ、今日も愛らしいね。さて、行こう。』
『どこに…?』
『私達の部屋にある…監禁部屋に。』
(既にここが監禁部屋なのに…?)
私は部屋につながっている足枷を外され、監禁部屋に連れていかれる。
夢の中の私……大丈夫。必ず私を救ってあげる。
地下執事部屋――監禁部屋。
『待ってましたよ。主様。』
『ラト……っ。』
『さて、今度は私達が可愛がってあげよう。』
バタンっ。監禁部屋の部屋が閉まる。
『っ…。』
『フルーレに内緒で主様に触れるなんて心が痛みますが、私が我慢できないのでいいですよね…♪』
『ラト…?何するつもりなの…。』
『フフ…♪』
ドンッ
ラトは私をベットに押し倒し、ベットに備え付けられた鎖を手足につける。
『っ、動けない…っ。』
『1回だけ無抵抗な人を壊してみたかったのです…。』
ギラッ
『ひ……っ!』
ラトの目は本気だ。
『…フフ。主様相手にそんなことしませんよ。ただ…私とミヤジ先生で主様に触れるだけです。』
『い、嫌…。』
私は震えながら首を横に振る。
『ふふ、大丈夫だよ。主様。 』
『ん……。』
唇を優しく塞がれる。
『愛しているよ。主様――。』
『んぅ……っ。』
舌を絡められて強引なキスをされる。
『んは…っ。』
『私にも下さい。』
ラトは私の唇に噛み付くようにキスをした。
『んんっ!』
(嫌……っ。止めて……っ。気持ち悪い…っ。)
ガリっ!
『っ……!』
ポタ、ポタ……ッ。
ラトの唇を噛み、血を流す。
『…あはっ。』
『あははははははは…っ!』
『何がおかしいの…っ?』
『嬉しいんですよ、私……。主様から噛み付いてくれた。主様に怪我をさせられた。あぁ、なんて幸せでしょうか…。痛いです、とても…。』
『っ、私は…私はみんなの言いなりになんて絶対ならない……。』
『ルカスの薬が効いてないみたいだね。また飲ませるよう頼んでおこう。』
と、その時――。
『2人とも居ないと思ったら……ずるいよラト。主様に勝手にお仕置きするなんて。』
『フルーレ……ふふ、すみません。』
『いいよ。俺も混ぜてくれるなら。主様。2人にはどんなことされたんです?その上のことをしましょうね。』
フルーレは私の首元に噛み付く。
『ぃ……っ。』
『可愛いですよ。主様。もっと見せてください。』
フルーレは私の服を脱がして手を胸元に添える。
『っ…ん。』
『他の執事に渡すくらいなら、主様のこと殺しちゃおうかなぁ……♪』
『!!』
『なーんて。冗談ですよ。主様は俺のお人形さんなんですから。』
フルーレは私の頭を撫でる。
『……。』
いずれ私は殺されてしまうのだろうか。
でも、この生き地獄よりはマシかもしれない。もう末期だ。私は気がおかしくなってる。生きたい。より、死にたいなんて。
部屋に戻され、ご飯を食べた後、ルカスが部屋に入ってきた。
『思ったより早かったですね。主様は薬の順応が早いようです。』
『…また飲ませるつもりなの?』
『えぇ。逃げ出されては困りますからね。』
『それなら…脚を折るなりすればいい。薬を飲むより、そっちの方がいい。』
『脚を折ったら…主様を交接する時不便ですから。』
『狂ってる…っ。』
『褒め言葉として受け取りますね。今度は多めに飲ませないとダメですね。』
ルカスは私に近づく。
『抵抗すると余計に痛いですから。ナック君。ラムリ君。』
ガチャ
『『はい。ルカスさん\ルカス様。』』
ラムリとナックが入ってくる。
『なんで2人が……っ。』
2人は私が逃げられないように押さえつける。
『やめ、離して…っ!!』
『主様…。あーん…♪』
『んぐっ!ごく、ごく……っ。ん、ぐぅ…っ。』
数時間にあたり…薬を嚥下させられる。
『…ごほっ!』
全て飲み干された私は床に倒れ込む。
『ぅ…!!頭が痛い…っ!!』
(頭が割れるように痛い…っ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…っ!!!!!)
『苦しんでるところも好きですよ。痛みなんてほんの一瞬です。多量摂取のおかげで…気持ちよくなってくるはずですから。』
『痛み、が和らいで…?』
トロン…♡
『からだ…あつい…ぃ。るかしゅ…。』
『…洗脳完了…だね♪』
『目が虚ろな主様すっごく可愛い♡』
『気分はいかがですか?』
『すぅごく…気持ちひぃ…。』
「…あーあ。貴方はもう私には戻れないね。ようこそ。堕壊の世界へ。」
次回
第11鎖 『堕落したお姫様』
コメント
2件
ねぇ!マジで天才!いつもありがとうございます😭