❤️×💛 ※同棲、付き合ってます
💛視点
「ん………。」
眠り落ちていた意識が徐々に鮮明になる。どうやらトイレに行きたくて目が覚めてしまったらしい。カーテンの隙間から差し込む光はなく、まだ夜中だと言うことを知らされる。まだ残る眠気に、さっさとトイレを済ませて二度寝しようと身体を動かすが、全く身体が動かない。
「……元貴。」
どうやら原因は隣で寝ている元貴のようだ。腰には元貴の腕が回され、脚は僕の脚に絡まるようにされている。元貴に背中を向ける形で寝ていて表情は伺えないが、名前を呼んでも全く反応を示さない。恐らく深い眠りに落ちている。
「元貴…、ちょっとごめんトイレ行ってくる。」
「んん〜……、りょうちゃ……ドアノブたべないで……」
身を捩りながら声を掛けてみるが、ようやく反応を示した元貴に更に強く抱き締められる。意味の分からない寝言も言っていて、完全に寝惚けている。寝ているとしてもなんでこんなに力が強いんだ、と思いながらも諦めずに抜け出そうとしてみる。
「…っ、ほんとにやばいって…。」
無駄に力を使ったせいか、寧ろ尿意は悪化している一方だ。この絶望的な状況に一旦天井を見つめてみる。何ならここで間に合わなくても僕のせいではない。絶対に元貴のせいだ。
「……やっぱ無理!!ごめん元貴ー!!」
「いっっったあぁぁ!!」
一瞬このまま全てを諦めようと思ったが、この歳でそんな大失態を晒せない。ごめん元貴、と思いながら絡まっていた脚を思い切り蹴飛ばす。後ろから聞こえた元貴の叫び声と同時に腕の力が緩んだ。急いでベッドを飛び出し、一直線にトイレまで走った。
「…ふぅ、危なかった……」
「危なかった…じゃないよ!最悪の目覚めなんですけど?」
寝室に戻るやいなや、完全にご立腹な様子でベッドに胡座をかく元貴が居た。
「だって…元貴が離してくれないから。そこで漏らされるよりマシでしょ?」
「…まあそうだけど…。」
まあまあ、と怒る元貴を窘めながらまたベッドに入る。とりあえず人生の最大とも言える危機は免れた。これで一安心だ。
「おやすみ元貴っ!」
「……なんでそんなご機嫌なの。おやすみ。」
部屋に差し込む眩しい朝日と鳥の鳴く声。眠たい瞼を開け、眠気覚ましにトイレでも行こうと身体を動かす。だが、また身体が動かない。まさかと思いながら布団を捲れば、夜と同じように僕に抱きつく元貴が居た。
「……バカ元貴ー!!!!!」
暫く寝室を別にされたらしい。
コメント
2件
抱きついて寝てるの可愛い〜💗 この後やだやだいって💛ちゃんにすがりつく❤️くんの姿が想像できます🤤 というかドアノブ食べてるの夢ってどんな状況なんだろう、、、、
別々にされちゃったんだ~🤭それでちょっと森さん拗ねてそう😖💕可愛いお話ありがとうございます!🥹💓