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一斗が大学受験を終えた冬。
進路の話題が増えていた。
実瑠も三年生になり、進路を決める時期が来ていた。
放課後。
大学のパンフレットを眺める。
しかし決められない。
やりたいことはある。
興味のある学部もある。
けれど。
一斗の大学は少し遠かった。
その日の帰り道。
実瑠は珍しく悩んでいた。
「一斗。」
「ん?」
「大学。」
「うん。」
「どう思う?」
一斗は少し考えた。
そして答える。
「実瑠が行きたいところ行けばいい。」
予想外の答えだった。
「同じ大学じゃなくていいの?」
「もちろん同じだったら嬉しい。」
そう言う。
でも。
続けた。
「でも実瑠の人生だから。」
夕陽が二人を照らす。
「俺のために進路決めてほしくない。」
実瑠は黙る。
一斗らしい答えだった。
⸻
数週間後。
進路希望調査。
実瑠は第一志望欄に大学名を書いた。
偶然だった。
本当に偶然。
自分のやりたいこと。
学びたいこと。
全部考えた結果。
そこが一番だった。
そして。
その大学は。
一斗と同じ大学だった。
⸻
合格発表の日。
実瑠は震える手で結果を見る。
そして。
「受かった……。」
涙が出そうになる。
その瞬間。
スマホが鳴った。
『どうだった?』
一斗だった。
実瑠はすぐ電話をかける。
「もしもし。」
『実瑠?』
「受かった。」
数秒の沈黙。
そして。
『よかった。』
本当に嬉しそうな声だった。
⸻
春。
桜が舞うキャンパス。
入学式の日。
一斗が待っていた。
「おはよう。」
「おはよう。」
大学生になった二人。
制服はもうない。
生徒会室もない。
でも。
並んで歩く距離は変わらない。
むしろ前より近い。
「実瑠。」
「なに。」
「これからもよろしく。」
実瑠は少し照れながら笑う。
「こちらこそ。」
高校時代に始まった恋は終わらない。
同じ未来へ。
同じ景色へ。
二人はゆっくり歩き出した。
ポケットの中には今でもミルクキャンディが入っている。
二人の始まりを忘れないために。
そしてこれから先も、ずっと一緒に歩いていくために。
コメント
1件
美月ゆめかだよ〜🌸 ふわああああ…完璧なハッピーエンドすぎて泣くかと思った…!!😭💕 一斗が「実瑠の人生だから」って言ったところ、マジで一斗らしいし尊すぎる〜!! 自分のために決めてほしくないって言えるの、本当に一斗が実瑠のこと大事にしてる証拠だよね…。 しかも偶然同じ大学って!!しかもしかもポケットに変わらずミルクキャンディ!?!? 最初からずっと大事にしてきた証拠じゃん…エモすぎて胸がギュッてなったよ😭💕 大学生になっても変わらない二人が尊すぎる…この先もずっと応援したい!!✨