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【笑うあの子の裏事情】
Episode.17 すれ違い
《🎼📢side》
すちの家。
部屋の中は、あったかい。
暖房の空気。
柔らかい光。
外とは、別世界みたいだ。
俺は、真ん中に座ってる。
右にみこと。
左にすち。
挟まれてる。
手には、マグカップ。
🎼📢「……」
じんわり、温かい。
🎼👑「あっちっ!」
🎼🍵「みこちゃん、まだ熱いって言ったじゃん……」
🎼👑「早く飲みたい!」
ココアの湯気が、ふわっと上がる。
甘い匂い。
少しだけ、力が抜ける。
🎼📢「……」
手で包む。
じんわりとした温度が、指に広がる。
その時。
ふっと、思い出す。
『いるまくんって、なんでも知ってるね!』
『こさも星、たっくさん知りたい!』
……ああ。
あったな、そんなこと。
何年前だっけ。
小学生の頃。
屋根に登って。
星見て。
あいつ、ずっと喋ってた。
『これなに?』
『じゃああれは?』
って。
うるさいくらい。
でも。
……嫌じゃなかった。
むしろ、 楽しかった。
🎼📢「……」
マグカップを見つめる。
揺れる、ココア。
『じゃあ、こさめたちと同じだね!』
あの言葉。
頭に残ってる。
消えない。
🎼📢「……」
もう、何年だ。
まともに話してないの。
何年、あいつの顔ちゃんと見てない。
学校じゃ、見ない。
家でも、すれ違い。
……そもそも、帰ってきてるのかも分からない。
🎼📢「……」
少し、眉を寄せる。
『言いたいことあれば言えよ』
何度、思ったか分からない。
でも。
言わないのは、あいつだ。
避けてるのも、あいつだ。
なのに───
🎼📢「……くそ」
小さく呟く。
🎼👑「え、どうしたのまニキ?」
みことが覗き込む。
🎼📢「なんでもねぇ」
すちは、じっと俺を見る。
何か言いたげな顔。
でも、言わない。
代わりに。
🎼🍵「……あったかいね」
ぽつりと言う。
🎼📢「……そうだな」
短く返す。
でも。
心の中は、全然あったかくない。
むしろ、 ざわざわしてる。
落ち着かない。
あいつが、 どこにいるのか。
何してるのか。
分からない。
それが、一番───
気に食わない。
🎼📢「……」
マグカップを強く持つ。
じんわり、熱が伝わる。
🎼📢「……どこいんだよ」
小さく、呟く。
誰にも聞こえないくらいの声で。
でも、その言葉は。
確かに、あいつに向けられていた。
《🎼🌸side》
カタ、とキーボードの音が止まる。
🎼🌸「……ふぅ」
小さく息を吐く。
ひと段落、ついた。
椅子から立ち上がって、ぐっと伸びをする。
背中が少し鳴った気がした。
🎼🌸「……」
肩を回して、振り向く。
ベッドの方へ。
🎼🌸「こさめー?」
🎼🌸「……え」
いない。
さっきまで、確かにいた。
包帯だらけで、静かに眠っていたはずの。
あの、小さな体が。
🎼🌸「……こさめ?」
一歩、近づく。
ベッド。
毛布が、少し乱れている。
でも、それだけ。
いない。
🎼🌸「……は?」
頭が、追いつかない。
いや、待て。
落ち着け。
保健室の中だ。
そんな簡単に───
🎼🌸「っこさめ?」
声が少し強くなる。
カーテンを開ける。
いない。
ベッドの下を覗く。
いない。
棚を開ける。
いない。
机の下。
いない。
🎼🌸「……どこだよ」
呼吸が少し速くなる。
心臓の音がうるさい。
🎼🌸「こさめ!」
返事は、ない。
当たり前だ。
でも、呼ばずにはいられない。
あの傷で。
あの状態で。
外に出たのか?
いや、まさか。
でも、あいつは───
ためらわない。
ふっと消える。
何も言わずに。
🎼🌸「……っ」
奥歯を噛む。
その時。
🎼🍍「らん」
声。
振り向く。
🎼🌸「…なつ」
なつが立っていた。
🎼🌸「なつ、こさめ……見てない?」
自分でも分かる。
少し焦ってる声。
🎼🍍「こさめ?」
🎼🌸「居なくなった……」
一瞬の沈黙。
🎼🍍「……嘘だろ」
なつの顔が、わずかに歪む。
俺は頭を抱えた。
🎼🌸「……なんでだよ」
つい、零れる。
🎼🌸「さっきまで、寝てたんだぞ」
🎼🌸「傷だって……あの量で……」
言葉が途切れる。
なつは静かに言う。
🎼🍍「……探すか」
🎼🌸「ああ」
短く返す。
でも、足は動かない。
少しだけ。
怖くて。
また、どこかで。
一人で。
痛みに耐えてるんじゃないかって。
*
しばらくして。
俺は保健室の窓際に立った。
外を見る。
もう、暗い。
雪はやんでいる。
でも、白さは残ってる。
街灯に照らされて、ぼんやり光っている。
🎼🌸「……」
あいつは、どこに行った。
どうして、何も言わない。
どうして、頼らない。
🎼🌸「……」
分かってる。
頼れないんじゃない。
頼り方が、分からないんだ。
🎼🍍「……ほんと」
小さく呟く。
🎼🍍「手がかかるな」
でも、その声は。
少しだけ、優しかった。
嵐みたいに来て。
嵐みたいに去っていく。
……いや。
違うな。
嵐じゃない。
もっと静かで。
気づいた時には、濡れてるような。
🎼🌸「……雨、か」
ぽつりと落ちる。
静かな保健室に。
その言葉だけが、残った。
next.♡1000
コメント
9件
☔くん!?1人で抱え込むのはやめたほうがいいだろうけど、人に頼るってことが多分良くわかってないんだよね、、ちょ、、両親が良くなかったよなぁ、、、 なんだかんだ言って📢くんの☔くんのことめっちゃ心配してるし、、🍵👑くんたちも📢くんのそばにいるから、☔くんのこと救ってあげられますように、、!
☔くんがいなくなってみんなが心配してるってことは愛されてるってこと?だよね? 🌸くんと🍍くんがいないことを知ってすぐ探しに行くところがほんと優しさを感じる😭 続きめっっちゃ楽しみ😁😁
☔️くんは、ふっといなくなって、またふっと現れるから安心するけど、 今の☔️くんは、ふっといなくなって、もう帰ってこないような不安を残しているから余計、 いつもより心配🥺 どうか、☔️くんの居場所が、🌸くんと🍍くんのいる保健室と、 親にも邪魔されないくらいの、📢くんの隣でありますようにッッ! 続き、楽しみにしてるねん🫶🏻💕︎︎🙂🎐 無理せず、頑張って👊🏻❤️🔥