さて、次は二番目を選択した皆様の番です。
屋上までは前回と同じなので省きます。
ひっそりと潜んだ悪夢と幸せを堪能してくださいな。
「…..後」
「五分…..」
生きる余命のカウントダウンを口にした。
もう、生きることは無い。
心配かけることは無い。
悲しむことは無い。
そう思えたら少し体が気楽に感じた。
何も考えずに死んでられる…
正しく、これが私の幸せ”
俯きながらもフェンスに立つ…..
だけど、立つ前にとても凄い音が聞こえた______
_____ドンッ!!
扉が思いっ切り開く音…..
その音の間からある人の声が聞こえてきた。
「菊!!」
フェリシアーノ…と生徒会の皆だった。
続けて言った。
「今すぐ…..フェンスからこっちに降りて….」
菊の気持ちが興奮しないよう、安静に近付き優しく伝える。
でも、今の彼には「死ぬ」と言う事はとても快楽な事だと思った。
「…….何ですか?」
強烈な言葉が突き刺さる。
「私は死にたいのです….」
「誰からにも認めてくれなくて….誰からにも見てくれなくて…」
「だから、もう…」
「疲れたんです」
「生きる事も、息をする事すらも…..全部全部…」
菊は俯きながらも坦々と話した。
この時の菊の瞳は漆黒に満ちていて光も何もない、完全に絶望化している。
もう救う手段はない状態だった。
「Hey、菊….」
「それじゃあ….何で今まで死ななかったのかい?」
「…….」
「お、おい、アル…!」
想定外の言葉だった….。
何故今まで死ななかったのか….
それは….
「それは、皆さんが私も死にづらくするからですよ」
「貴方達と話すといつも死ぬのに躊躇います…」
「きっと….」
「貴方がくれた、おもてなしや願いでしょうね」
空を見上げながら話す。
いつもいつも、死ぬのに躊躇なく躊躇ってきた。
そんな自分が苦手だった。
今にも思い出したら気分が悪くなる….
「…….だから私は…」
と言いかけた瞬間____
「______菊」
突然名前を呼ばれたかと思ったら
ギュッと抱きしめられていた….。
一瞬困惑した。けど、フェリシアーノを見る限り泣いていた。
一雫の涙が顔に伝う。
「……死なないでッ」
震えて振り絞るぐらいの声だった。
「…..私は…..」
「……..」
「…..沢山御迷惑をおかけします….」
「それが、皆さんにとって偉大なる失敗だとしても….」
「….私も」
「本当は生きたかったんです….」
「でも….私には到底価値が____」
と言いかけた瞬間。
「も~!お兄さんそんな事言うんだったら泣いちゃうよ~?」
後ろからまたギュッと抱きしめられる。
何でこんなに私の為に必死になるのか…
今はまだ分からない….。
だけど….後に分かってくるとしたのなら….
「菊…..」
「俺達は菊には死なないで欲しいと思っている」
「だけど….」
「それが菊の幸せじゃないなら、菊の好きにしてくれて構わない」
とても難しく感じた。
今までは簡単だったのに。
(遂に私は簡単だったのとも分からなくなってくるのですね….)
と心の中で思い当たった。
「菊はどうしたい?」
そんな問いを聞かれた。
少し血迷ったが、答えはすぐに出た。
それは私にとっての”幸せ”が分かったからだ。
私にピッタリな….幸せが…..
「…….私は…」
「….とても、我儘かも知れませんが….」
「生きて……みたいですッ….」
声を精一杯出した。
その声は震えていて、息をするのも精一杯だった。
拒絶されたらどうしようなど….
沢山の感情、不安と恐怖で抱かれていた。
「______良いよ」
優しく温かい声がした。
…..皆さんの声だった。
こんなにも温かく感じるものなのかと思った….
でも、今の私にとっては此処が一番の優しい場所。
唯一私を受け入れてくれた….そんな皆さんが…
大好きです。
「それじゃあ、俺ん家でパーティーしよ~!」
「そこは、このヒーローの家じゃないのかい?」
「黙れメタボ」
「あ、菊を取り合うのは駄目だよ皆♪」
「一番取りそうな奴が何か言ってるある」
「矛盾し過ぎている……?!」
「まぁまぁ、そんな所かな~♪」
「そうですね」
こうして
孤独と不幸を共にしてきたマリオネットの糸は
今此処で断ち切り、新しく豊かな生活を歩んでいった……。
「……」
最期の彼の顔は”本当の幸せ”をようやく見付けたような顔だった。
とても….優しく瞳に希望と光が灯った….。
コメント
9件
なんか色々と表現の仕方が上手なんですよね!僕チャットノベルも好きですけどこんな尊いの見ちゃったらノベルも好きになるしかないですよね!もう感動しますねこれ!何回もみたくなりますね!
メーソメソメソメーソメソメソみたいな感じでもう号泣ですぅぅぅ😭もうフェリちゃん達ありがとぉぉぉぉぉぉぉ!!!
泣きますわ(泣)泣いててもう頭ん中になんも入ってこないです(泣)もう何打てばいいか忘れるほどに…🥲