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深夜。
家の中は、しん……と静まり返っていた。
2階の部屋では、橙と赤がぐっすり眠っている。
3階のもう一つの部屋では、紫と桃も眠っていた。
そして――
3階の部屋。
黄と青も、静かに眠っていた。
「……んぅ……」
小さな声。
青がゆっくり目を覚ます。
青「……?」
ぼんやり周りを見る。
でも――
青「……ちがう……」
青の表情が不安になる。
いつもの布団じゃない。
青「……や……」
青「いつもの……ない……ポロポロ」
隣で寝ていた黄が目を覚ます。
黄「……青ちゃん?」
青「黄にぃに……」
黄「どうしたの?」
青「おふとん……ちがうの……ポロポロ」
黄はすぐに気づく。
青にとって、いつもと違うものは大きな不安になることがある。
黄「そっか……いつもの布団じゃなかったね」
青「いつものがいいの……ポロポロ」
黄「ごめんね。びっくりしたね」
青「やだ……やだぁ……ポロポロ」
青は布団をぎゅっと握る。
青「ちがう……ちがうの……」
青「いつもの……いつもの……」
同じ言葉を繰り返す。
黄「青ちゃん、ここ見て」
でも不安でいっぱいになってしまう。
青「あああ……っ」
青「こわい……こわいの……ポロポロ」
呼吸が速くなる。
青「はぁ……っ、はぁ……っ……」
黄「青ちゃん、大丈夫」
黄「黄にいにいるよ」
黄は背中を優しくさする。
でも――
青「やぁ……ポロポロ」
なかなか落ち着けない。
黄「大丈夫、大丈夫」
声をかけ続ける。
でも青は涙を流したまま。
その時。
「……青ちゃん?」
ドアが少し開く。
紫「どうしたの?」
泣き声で起きた紫が来る。
黄「紫……起こしちゃった?」
紫「大丈夫」
紫は青の近くに座る。
紫「青ちゃん」
青「……むらさきにぃに……ポロポロ」
紫「怖かったね」
青「おふとん……ちがうの……」
紫「うん」
紫「でもね、青ちゃん」
紫「布団が違っても、にいには変わらないよ」
青「……?」
紫「ここにいるよ」
青「いる……?」
紫「いるよ」
青「ずっと……?」
紫「ずっと」
紫は青を優しく抱っこする。
青「……ポロポロ」
青は紫の服をぎゅっと握る。
紫「大丈夫」
紫「泣いていいよ」
黄「青ちゃん、頑張ったね」
少しずつ。
少しずつ。
青の呼吸が落ち着いていく。
青「……ねむい……」
黄「寝られそう?」
青「うん……」
紫が青を布団に戻す。
紫「おやすみ」
青「……にぃに……いる?」
黄「いるよ」
紫「いるよ」
青「……よかった……」
しばらくすると。
「……すぅ……」
青は安心して眠りについた。
黄「寝たね」
紫「よかった」
黄「ありがとう」
紫「青ちゃんが安心できたなら、それでいいよ」
2人も静かに部屋を出る。
家はまた静かになる。
でも今度は――
青ちゃんの寝顔には、安心した笑顔が浮かんでいた。
コメント
1件
青ちゃんの「おふとんちがうの」って繰り返しが切なくて、でも黄にぃにと紫にぃにの「いるよ」って言葉がすごく優しくて…読んでるこっちまで安心したよ。布団が違うだけでこんなに不安になっちゃう繊細さ、ちゃんと描かれてて、愛情が伝わってくるエピソードだったな。黄にぃにの「ありがとう」もグッときた。