テラーノベル
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親をマジで恨み始めた主です。
昨日投稿できなかったのマジすいません。
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USJでの凄惨な戦いが幕を閉じ、放課後の静まり返った病院の廊下には、
1年A組の生徒たちが重苦しい空気の中に座り込んでいた。救急搬送された相澤、
そして意識不明の重体で運び込まれた輝。その二人の安否を待つ間、
生徒たちの間には言いようのない「違和感」と「困惑」が渦巻いていた。
切島 「あいつ、何であんな無茶したんだよ」
切島が拳を強く握りしめ、床を見つめて呟く。
切島 「生身だぞ。個性も使わずに、あの化け物に、、、普通、足がすくんで動けねぇだろ。
なのにあいつ、まるで死ぬことが怖くないみたいに突っ込んで、、」
上鳴 「、、あぁ。異常だった」
壁に背を預けた爆豪の顔は、かつてないほど険しい。彼がUSJで見た輝の背中は、
訓練で見た「クソ陰キャ」のそれとは完全に別物だった。
無駄のない動き、急所を狙う冷徹なまでの最適解。それは、
ヒーローを目指す者が持つ「勇気」とは異質の、もっと暗く、
泥濘の中で磨き上げられた「暴力の結晶」のように思えた。
緑谷は自ら震える手を見つめていた。自分を助けてくれた、あの大きな背中。
だが、その背中に刻まれた無数の古傷と、脳無に拳を叩き込んだ時の
「怪物」のような眼光が、脳裏から離れない。
緑谷 「(日陰くん。君は一体、どこで、、あんな戦い方を覚えたんだ、、?)」
クラスメイトたちが抱く感謝の念。しかし、その根底には、
自分たちとは決定的に異なる「闇」を抱えたクラスメイトへの、拭い去れない恐怖が芽生え始めていた。
一方、同時刻。 窓のない密閉された会議室では、数人の男たちが冷徹な眼差しでモニターを見つめていた。
画面に映っているのは、USJの監視カメラが捉えた、輝が脳無と交戦するモノクロの断片的な映像だ。
公安 「見ての通りだ。抑制デバイスの数値は振り切れ、対象は一時的に完全な戦闘状態に陥った」
公安上層部の男が、無機質な声で報告書を叩いた。
公安 「『日陰輝』。元・広域重要指定犯『餓狼』。14歳で親族を手にかけ、
裏社会の武闘派集団を壊滅させた化け物だ。
更生プログラムと称して雄英に潜り込ませたが、今回の暴走を見れば明らかだ。
やはり、野生の獣にヒーローの真似事は無理だった。このまま放置すれば、次は生徒を手にかけかねん」
「同意する」と、別の理知的な眼鏡をかけた役人が頷く。
公安 「彼は今回、教師を救ったという形にはなっているが、その本質は破壊衝動だ。
殺人を犯した過去を持つ無個性を、これ以上一般社会に置くリスクは許容範囲を超えている。
直ちにプログラムを凍結。今夜中に、彼を『タルタロス』の最下層へ差し戻すべきだ」
「タルタロス」という単語が出た瞬間、会議室の空気が一層冷え込む。
一度入れば二度と光を浴びることのない、大罪人たちの終着駅。
その時、部屋の隅で黙って羽を弄んでいた男が、ゆっくりと顔を上げた。
ホークス 「、、おっと。ちょっと待ってくださいよ、皆さん。結論を急ぎすぎじゃありません?」
ホークスだった。彼はいつもの不遜な笑みを浮かべていたが、
その黄金色の瞳には、決して退かない鋼の意志が宿っていた。
公安 「ホークス、君の意見は聞いていない。君は監視役として、彼の暴走を止められなかった責任がある」
ホークス 「責任、ねぇ。、、それなら、彼が相澤さんの命を救った功績はどうカウントされるんです?」
ホークスは立ち上がり、テーブルに両手を突いて身を乗り出した。
その仕草は冷静だが、背後の羽が殺気立つように逆立っている。
ホークス 「いいですか。彼は『自分から』突っ込んだんです。
『餓狼』と呼ばれていた頃の彼なら、教師を見捨てて真っ先に逃げるか、
あるいは混乱に乗じてヴィラン側へ寝返っていたはずだ。死柄木に勧誘された時、彼はそれを断った。
これ、すごい進歩だと思いません?」
公安 「それは結果論に過ぎない。彼の破壊的な技術は、ヒーローの教育課程で扱うべきものではない」
ホークス 「彼は今、自分がここにいていい理由を探してるんだ」
ホークスの声が一段と低くなる。
ホークス 「あいつは確かに人殺しで、クズで、救いようのない絶望の中にいた。
でも、今のあいつの目は初めて、自分の意志で誰かを守ろうとして曇ったんだ。
タルタロスに戻せば、あいつは今度こそ本当の『怪物』に戻りますよ。
せっかく芽生えかけた『人間』としての欠片を、あんたたちが踏み潰すっていうなら。
俺は監視役を降ります。その後の責任は、どうぞそちらで取ってください」
沈黙が会議室を支配する。 ホークスという、公安にとって最大の「駒」を失うリスク。
そして、彼が主張する「更生の兆し」。
公安 「、、、、一週間の猶予を与える。ホークス、君が責任を持って彼の精神状態を安定させろ。
次、指先一つでも不穏な動きを見せれば、その瞬間に移送する」
上層部の決定に、ホークスは再び表情を緩めた。だが、その瞳の奥には、薄氷を踏むような焦燥が残っていた。
ホークス 「了解。、、ま、あいつの頑固さは折り紙付きですから。俺がしっかり『鎖』を握っておきますよ」
会議室を出たホークスは、廊下で大きく息を吐いた。 拳を握りしめると、爪が食い込むほどに力が入る。
ホークス 「(、、危ねぇ。、、ったく、本当にヒヤヒヤさせんなよ、輝くん、
死ぬ気で、、、、『いい子』でいてもらわなきゃ困るんだよ、俺が、、)」
ホークスは足早に、夕闇が迫る病院へと向かった。
彼を待っているのは、自分がどれほど窮地に立たされているかも知らずに、
泥のような眠りについている、不器用な「餓狼」の少年だ。
長めに書いてみました。
2458文字。
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コメント
11件
最っ高でした!
最高!! まじで続き楽しみにしてます!
