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【第43話・繁殖④】
「どうしたそこの君？酷く元気のない顔をしてる。何か悩みでもあるのかい？」
目が合っていきなり老人がそんなことを言うので英人は思わず小さく頷いてしまった。
闇になりかけた夕方の河川敷を歩いていると老人が話しかけてきたのだ。
身なりからしてこの辺りによく寝泊まりしているホームレスでないのが分かる。
「悩みがあるなら君に近しい人に相談してみるといい、友人や家族、誰かに打ち明けるのだ」
相談できる相手がいれば悩みがなくなるものではないのは分かっていたし、その悩みの相手は老人が提案してきた、家族なのだからタチが悪い。
「悩みの種が家族？しかもお姉さんが？」
「そうかそうか、それは寂しい」
老人の深い皺はそれ自＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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