テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
読み終わりました〜!これすごく好きです…!シグくんの「むし」しか言わない感じと、アミティが振り向かせようとあれこれ頑張るのに全然通じなくて、最後に「アミティの髪の毛みたいだったから」って虫を見せるところ、じわじわきました…そういう不器用な優しさ、刺さる🥀💘 クルークのツッコミもウィッチの空回りも好きで、教室の空気が伝わってくるみたいでした。続き気になります!
ア)最近シグが虫ばっかりなんだよー!
放課後の教室に声が響いた
ラ)ふ〜ん?
アミティは机に突っ伏した
ア)休み時間も虫! 放課後も虫! この前なんて一緒に帰ろうと思ったら
「むしとるから」
ア)って言ってどっか行っちゃったし!
リ)虫ですかぁ……
ク)シグの事なんだから当然じゃないか
少し離れた席では本を読んでいたクルークが言った
ア)そうなんだけどさー!
頬を膨らませながら言う
最近のシグは特に虫探しに夢中だった
話しかけても
シ)むし
遊びに誘っても
シ)むし
どこへ行くのか聞いても、
シ)むしー
ラ)つまり構ってほしいんですのね
ア)ち、違うって!
ラフィーナの言葉にアミティは飛び上がった
だがラフィーナもリデルも少し微笑ましそうな顔をしている
クルークに至ってはページをめくる手すら止めなかった
ア)誰も信じてないー!
机を叩きながら少し怒る
その時だった
教室の扉が勢いよく開いた
ウィ)話は聞かせてもらいましたわ!
全員が振り向く
ア)ウィッチ!?
ウィ)恋のお悩みならこのわたくしにお任せですわ!
ア)だから恋じゃないってば!
アミティの反論は見事に流された
ウィ)では作戦会議ですわ!
こうしてシグを振り向かせる(と周りが勝手にいっている)作戦会議が始まった
最初はお弁当作戦だった
アミティが頑張って作ったお弁当をシグに渡す
シ)ありがとう
嬉しそうに受け取ってくれた
ア)どう?
少し期待しながら聞く
シ)おいしい
ア)でしょ!
喜んだ次の瞬間
シ)ありがとうあとで食べる
シ)じゃあ、むし取りに行ってくる
シグは森へ向かった
作戦失敗
次はお手紙作戦
かわいい紙にメッセージを書き封筒に入れる
でも…
シ)よめた
ア)その感想だけぇ!?
そしてやっぱり虫探しへ
失敗
ア)もうダメだー!
そう言いながら机に突っ伏した
ク)もう諦めたらいいんじゃないか?ク)毎日毎日本の邪魔だよ
ア)クルークひどい!クルークも考えてよ〜
ウィ)仕方ありませんわね
するとそんなアミティを見てウィッチが立ち上がった
その顔には妙な自信が浮かんでいる
ウィ)こうなったら秘密兵器ですわ!
ラ)嫌な予感しかしませんわ……
呟いた
ウィッチは気にせず帽子の中を探り始める
ごそごそ
ごそごそ
なぜそんな物が入るのか誰にも分からない
やがて取り出されたのは、小さなガラス瓶だった
中には淡いピンク色の液体が入っている
ウィ)じゃーん!
ク)なんでそんなところに入ってるんだね……
あ)それ何?
身を乗り出す
ウィッチは得意げに胸を張った
ウィ)特製おともだちなかよし薬ですわ!
リ)あ、怪しくないですか…?
ウィ)失礼ですわね!
ク)今までの事を考えたら怪しいに決まっているだろう!
ア)そ、それ飲んだらどうなるの?…
アミティが恐る恐る聞く
ウィ)ふふふ
意味深に笑う
ウィ)飲んだ人はとーっても仲良しになりますの!
ラ)説明になってませんわよ……
しかしウィッチは聞いていない
ウィ)さあアミティさん! これを!
その時だった
ガラッ
教室の扉が開いた
全員がそちらを見る
そこに立っていたのはシグだった
ア)シグ!
思わず立ち上がる
シ)アミティ〜
ア)ん?
シグはそのまま真っ直ぐこちらへ歩いてきた
周りのことなど気にしていない
やがてアミティの前で立ち止まる
シ)これ
そう言って差し出したのは、小さなケースだった
恐る恐る中を覗く
ア)わっ!?
思わず声が漏れた
中には見たことのない虫が入っていた
綺麗な黄色のむし
夕日に照らされるたびキラキラと光を反射している
まるで宝石みたいだった
ア)きれい……
思わずそう呟く
ア)これ、どうしたの?
シ)さがした
シ)アミティにみせようとおもって
一瞬アミティが固まる
当の本人だけがきょとんとしていた
シ)アミティの髪の毛みたいだったから
虫を見ながら言う
アミティの顔がみるみる赤くなる
ア)だったら最初から言ってよーっ!!!//
教室に大きな声が響いた
シ)?
どうして怒られたのか分かっていない
クルークは深いため息をつく
そしてウィッチは
そっと薬瓶を帽子の中へ戻した
ウィ)……出番がありませんでしたわ
ク)最初からなかったと思うよ
教室は笑いに包まれた
いつものみんなと
いつもの放課後
ただ少しだけ
アミティの頬は赤いままだった