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──────Hれいまり視点──────

はっと目を覚ます。ガバリと上半身を上げ、素早く周りを見渡す。木製の壁、白いシーツ、窓、いえもんさん、天井、壁──────

そこまで見て、ようやくいえもんさんに自身の視線のカーソルを合わせる。私の真横にいえもんさん。私は今、ベッドの上。起き上がったのだから当然さっきまで寝ていたはず。

素早く状況を判断しつつも、やっぱりいえもんさんから聞いた方が早い、と結論付け少し気まずそうな顔したいえもんさんに私の現状について問う。


「えと…なんで私ここにいるんでしたっけ?」

「…逃げ…ないんですか?」


まず起きて初めに言われたのが逃げるか否か。ますます今の状況が読めなくなる。何かが迫ってきているのだろうか?私は何から逃げるのか分からず首を傾げるといえもんさんはやや驚いた表情を浮かべながら現状を教えてくれる。


「えと、だってあなた私の目を見ましたよね?」

「?はい、綺麗な目でしたよ。」


率直な感想を述べれば、いえもんさんはぽかんと口を開ける。…何が聞きたいんだろうか?いえもんさんの意図が分からない。それよりも私の疑問にはいつ答えてくれるのだろうか?そんな考えばかりが頭にふわりと浮上する。


「…いえ。なら、いいんです。どうやら意味がわかってなさそうなので1から説明します。」

「!お願いします!」


やっと本題に入れそうで安心する。いえもんさんは最初から丁寧に説明してくれた。


「まず、私は森にいた魔獣を討伐するために来ていました。あなたとはその森で出会いました。なんやかんやあって私が魔獣を倒した時、そいつが放った技があなたが避難していた木に当たってしまいまして。それで意識がなかったので近くの小屋に運ばせてもらいました。」

「助けてくれたんですね!ありがとうございます!」

「いえいえ。それが私の仕事ですから。」


そう柔和な笑みを浮かべたいえもんさんはどこか寂しげだった。どうして寂しそうなのか、それが気になってしまったが聞くことなどできなかった。どうしようもないきまずい空気が流れ、私は新たな話題を切り出す。


「あ、そういえば自己紹介してませんでしね!私の名前は『Hれいまり』!れいまりと呼んでください!」


私がそう大振りな身振り手振りでそう自己紹介をする。いえもんさんは微笑を浮かべたまま名前を教えてくれる。


「私の名前はいえもんです。…まあ、知ってますよね。」


さも当然かのように名乗られた。なぜ、私がいえもんさんの名前がわかることを知っているのか。もしかして、私が転生してきたってことが───。


「その反応、もしかして知らなかったんですか?…道理で逃げないわけですね。」

「ぇ…?もしかして…」


魔人?

そう思った瞬間ぶわりと鳥肌がたち、全身寒気がした。私にとって魔人とは地雷そのものである。あの日の惨状が一気に脳内を駆け巡る。手先が震え、息が浅くなる。どこを見ても赤、赤、赤。酷い匂いが辺りを濁し、嗅覚を刺激する。こだまする悲鳴と、なりやんだ音。足元には涙と血がぐちゃぐちゃに混じりあった草花。

地獄絵図。その4文字があの惨状を語る。

私は咄嗟にあの日覚えた魔法を使おうとする。だが、その魔法は肝心な時に不発で。逃れることが出来な運命を悟らせる。嫌だ。魔人にだけは殺されたくない。何も出来ずにただ見ていることしか出来なかった私にだけは───。


「───勇者なんです。私。」

「へ?」


思わず間抜けな声が出る。勇者?あのおとぎ話の?

そう思った瞬間、この世界に来る前のことが思い出される。そういえば、あの本の題名は『勇者物語』だった。───昔、私が何回も童話として読んだことがある世界。だから見なくても良い、と言ってこの世界に飛び込んだのだ。曖昧になっていた記憶を取り戻すと同時に、安堵の気持ちに溢れた。

勇者、つまり人間の味方であり、魔人や、魔獣を殺す側である。よくよく考えたら魔人だったら魔獣退治なんかしないで人間を殺すだろう。そんな簡単なことすら思い浮かばないなんて私ってば馬鹿だなーと自身にツッコミを入れる。


「めっちゃくちゃかっこいいじゃないですか!!尚更です!尚更ですよ!守ってくれてありがとうございます!!」


私がいえもんさんの手を取り、ブンブンとその手を勢いよく振れば、いえもんさんは戸惑ったかのような表情を見せる。───さすがに常識知らず過ぎたかもしれない。いくらいえもんさんと言えど、この世界では初めて会うのだ。初対面の人からいきなりこんなことされるのはそりゃ戸惑うし、なんなら怒られても仕方がない。…昔、力が強すぎる、とよく怒られてたし。

私が不安げにちらりといえもんさんの表情を伺えばその金色の瞳から涙がほろりと落ちる。

───!?そんなに!?そんなに嫌だったのか!?

私はすぐさま無礼を詫びる。もしかして、このルートいえもんさんに斬られて死ぬルートということかもしれない。たしかにその死に方は面白いなーなんて謝りながら意味のわからないことを思う。


「ご、ごめんなさい!無礼でしたよね…!!ただの人間が勇者様に向かって…!!」

「い、いや。ちがう。別にそれで泣いてるわけじゃない。」


いえもんさんが自身の袖で涙を拭いながらそういう。ちがう?ならなぜ泣いているのか。私が聞くまでもなく、いえもんさんは話してくれる。


「人から感謝されるなんて、初めてだったから…嬉しくて。」


私の胸に衝撃が貫く。



























ここで切ります!久しぶりの投稿ですねー1週間ぶりですが。

まあ時間が無いので!おつはる!

『ー昨日の記憶ー』

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コメント

17

ユーザー

勇者...勇者?なーんか聞いたことあるような (遡り中) あ、ノイズやない

ユーザー

これは〜…いえもんの前世(ノイズ)?

ユーザー

勇者が感謝されないって悲しいよね〜

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