え「もう動けない〜」の「わたしも…ふとん恋しい…」
ホットケーキでお腹いっぱいになったわたしたちは、
それぞれリビングに転がって、ゆっくりまどろんでいた。
じゃぱぱの家のラグはふかふかで、眠くなるのを我慢するのがむしろ難しい。
の「このまま全員で昼寝しよーよ」
のあさんがクッションに顔を埋めながら言った。
う「同意。あと3時間くらいここにいたい」
ひ「いや、せめてゲームしようよ」
ひろとうりがスピーカーからゆるい音楽を流して、カードゲームを出してくる。
じゃ「またUNO?昨日やりすぎて夢に出てきたんだけど」
う「それはもう中毒」
でも、なんだかんだ言いながらも、みんな自然と集まってきた。
すごく派手なことがあるわけじゃないけど、それがよかった。
のんびりした、特別な朝の続き。
⸻
う「えとさん、次ドロー2ね」
え「うそ、また!?私だけずっと枚数増えてるんだけど!」
う「運命だね、それは」
笑い声が途切れなくて、たぶんその場にいる全員が、
「帰りたくないな」って、ちょっとだけ思ってた。
⸻
お昼すぎ。少しだけ静かになった時間。
ゆ「ちょっと、外の空気吸わない?」
ゆあんくんが、私の近くにきて言った。
え「え?うん…いいよ」
リビングのガラス戸を開けて、じゃっぴの家のウッドデッキに出る。
日差しはやわらかくて、風がほんの少しだけ涼しかった。
ゆ「……みんな、楽しそうだね」
え「うん」
ゆ「なんかさ。文化祭終わって、こうしてみんなでだらだらしてると、変な感じする」
え「変な感じ?」
ゆ「…ちょっとだけ、さみしいっていうか」
ゆあんくんはそう言って、デッキの手すりに腕を置いた。
ゆ「昨日の夜、ベランダで話したときのこと、覚えてる?」
え「覚えてるよ」
ゆ「えとさんとあんなふうに話したの、初めてだったなって」
え「……うん、私も」
どちらからともなく、短く笑った。
なんでもない会話なのに、ちょっとだけ特別な感じがした。
⸻
戻ると、じゃっぴが「おやつの時間だぞ〜!」って叫んでて、
のあさんはソファでうとうとしてた。
結局、そのあとも全員でじゃっぴの部屋の映画コレクションをあさって、
なぜかホラーを選んで、ひろくんが本気でビビってた。
ゆ「ちょ、誰だよこれにしたの!」
じゃ「うり」
う「いや俺もビビってる」
笑って、転がって、アイスが溶けて、のあさんが泣き笑いして。
そんな何でもない時間が、
なんだか宝物みたいだった。
⸻
そして夕方、ちょっとずつ空がオレンジ色に変わってきた頃。
誰かが「そろそろ帰る?」って言って、
みんな一瞬だけ、しん…とした。
名残惜しい、でもちゃんと現実に戻らなきゃって気持ち。
「解散かー、」
「まあ明日も学校だしなー」
「準備終わった人から帰るか、」
みんな準備が終わって、だんだん帰っていった。
残ったのは荷物の多い私とゆっくり準備していたうり、そしてもちろんこの家に住んでいるじゃっぴ
じゃ「えとさん荷物多っ!」
う「1泊2日の量じゃねーな」
え「いやーなんか気づいたらいっぱいはいってた」
う「なんだよそれ」
みんなははっと笑った。
じゃ「てか珍しいメンバーだよね」
う「たしかに」
え「いまなんじ?」
じゃ「17時」
う「もうそんな時間かー、はや 」
え「それな、まじで時間過ぎるの早い」
じゃ「なんか急にいなくなるの寂しいし、2人送っていくよ」
え「やったー!一人で帰るの退屈なんよね」
う「じゃあそろそろ行くか」
3人で会話が盛り上がり、帰り道すら楽しい時間たった。
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