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※たぶんR15くらい。水さんが媚薬を盛られます。本番は端折った、ないです。赤さんとの絡みが少ないかも。攻め喘ぎていうほどではないけど、水さんに余裕がないです。相変わらず短い。
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迂闊だった。あまりよく知らない人から貰ったものを口に入れるべきじゃなかった。
…なんて、もう後悔しても遅い。れるの身体の異常がそれを物語っている。
・・・
昼間、れるは事務所に来ていた。対面で行う会議があり、そのために出勤していたのだ。
少しだけ早く到着した会議室でぼーっとスマホをみていると、とある女性が扉を開けた。
あまり面識のないスタッフさんで、その人は挨拶した後お茶とお菓子を置いて軽く会釈してから出ていった。
「…ちゃんと人数分用意されてる」
会議室を使うわけやし、スタッフさんも把握してるんかな?なんて思い特に気にとめなかった。
そのうち会議が始まり、れるはそれらを胃の中に収めた。
………おかしい。いくら夏とはいえ、室内でこんなにも暑さを感じたやろうか?
疑問に思い、エアコンの温度を確認する。…23度。十分涼しい温度だ。ならどうして?
必死に頭を回転させ、原因を探す。今日口にしたものといえばあのお茶とお菓子くらいだ。そういえばあの女性、社内で見たことないな。
それに気がついた時、なんとなく察してしまった。
「っ、まさか」
急いで自分が飲んでいたカップの底を確認する。ほんの少しだけ桃色にも見える透明な液体が溜まっているのが分かる。何か盛られた、そう理解するのにあまり時間はかからなかった。
盛った人がまだ社内に残っているのなら。自身に危険が迫っているような気がして、本能が警鐘を鳴らしていた。
れるは急いで事務所から出てタクシーを引っ捕まえ、そのまま自宅まで走ってもらった。
・・・
「は、ぅ……っはぁ…、」
家に着く頃にはまっすぐ立つこともしんどかった。異常なまでに上がった体温と心拍数。手足の震えと呼吸の乱れ。正直言って限界だ。
何とか力を振り絞って、震える手で家の鍵を開ける。扉を開け、部屋の中に入った時更に刺客が訪れた。
「おかえりれるさん……て、どしたの!?」
そうだった。今はちむが家にいるんだった。
れるを心配したちむはこちらに駆け寄って、今にも倒れそうなれるの身体を支えようとしてくれる。
「ま、ってちむ…いま、ちかづかんで…ッ」
「なっなんで?どゆこと?」
「…ッぅ、は………」
近づいたことで香るちむの匂い。耳にじんわりと響く声。そして目を焼くような可愛さを含む容姿。それら全てが興奮材料で、今にも押し倒して襲ってしまいそうだった。
無理矢理だなんて最低だ。そんな少しの理性でちむを弱く押し、距離を取る。
「ふ、はぁ……ぁッ、ぅ………」
「ねぇ、ほんとうにどうしたの?」
思わずその場に膝を抱えて座り込み、腕の中に頭を沈ませる。できる限りこえの情報を入れないように。
しかしれるが何も説明しないからか、ちむはれるのすぐ側でずっと心配している。
「……っごめ、たぶん、びやく……みたいな、盛られた…ッ、」
「は、」
息絶え絶えで要点だけぽつぽつ話すと、びっくりしたような声がした。
そらそうだ。そんなものが実際に存在するなんて思いもしないし、もしあったとしてもここまで顕著に効果が出るなんて誰が予想するだろう。
「ぃ、ま…こえ、みたら……おそ、ッいそぅ…」
「っ………」
「……いいよ」
「…は、ッ?」
予想だにしない言葉が耳に入ってきて、思わず顔を上げる。
そこには恥じらいを感じ少し赤くなった顔があった。
「…れるさんがつらそうにしてる方が、ぼくはやだ」
「ッ、しらん…からな」
ずしり、と身体の芯が重くなる感覚がする。この、れるの為にちむが身を捧げてくれる状況に興奮しているんだと自覚した。
ちむの手を引いてふらふらな足取りでなんとか寝室まで向かう。さすがに廊下で始めるほど落ちぶれてはいない。
「ッふー………、ほんまに、とまってやらんから」
「……ッ」
……れるもちむも、途中までしか覚えていない。ただ、ちむがベッドから動けず声も枯れていた時点で、全てを察することができてしまった。
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どうして前回の話あんな人気だったんだろう。