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あい
かくよん
新キャラ
ライバル 蓮(後輩 湊の写真が好き 人懐っこい)
あの日。
「俺、お前に嫌われるのだけは嫌なんだけど」
そう言われてから。
僕は前よりもっと悠真を意識するようになった。
教室で目が合うだけで心臓が跳ねる。
隣を歩くだけで落ち着かない。
好きだ。
認めたくなくても。
もう認めるしかなかった。
◇
文化祭まで二週間。
放課後の写真部室。
僕は展示用の写真を並べていた。
窓から差し込む夕日が机を照らす。
静かな時間だった。
その時。
ガラッ。
勢いよくドアが開いた。
「失礼します!」
大きな声。
僕が振り向く。
そこには見覚えのない男子生徒が立っていた。
一年生らしい。
「えっと……」
すると相手の顔がぱっと明るくなる。
「湊先輩ですよね!?」
「そうだけど」
「やっぱり!」
そのまま勢いよく近づいてくる。
「俺、一年の蓮です!」
「写真部に入りたくて来ました!」
元気すぎる。
僕は少し圧倒された。
「先輩の写真見たんです!」
蓮は続ける。
「空の写真!」
「めちゃくちゃ綺麗でした!」
「俺あれ大好きです!」
まっすぐな瞳。
嘘がない。
僕は少し照れた。
「ありがとう」
すると蓮は嬉しそうに笑った。
「先輩笑うと優しいですね!」
「……」
初対面で言うことだろうか。
◇
それから蓮は毎日のように部室へ来るようになった。
「先輩!」
「これ見てください!」
「この構図どう思います!?」
賑やかだった。
正直少し疲れる。
でも。
写真の話をしている蓮は楽しそうだった。
だから追い返せなかった。
◇
数日後。
放課後。
いつものように悠真と帰っていた時だった。
「湊先輩ー!」
後ろから声。
振り向く。
蓮だった。
走ってくる。
そして当然のように僕の隣へ並んだ。
「先輩今日の写真どうでした!?」
「よかったと思う」
「本当ですか!?」
満面の笑み。
犬みたいだ。
「誰?」
悠真が聞く。
蓮はすぐ反応した。
「あ」
「悠真先輩ですよね!」
元気よく頭を下げる。
「蓮です!」
「どうも」
悠真も笑顔を返す。
でも。
僕は気づいた。
その笑顔が少しだけ硬いことに。
◇
「先輩!」
別れ際。
蓮が言う。
「文化祭、一緒に回りません?」
僕は目を瞬いた。
「え?」
「先輩と回りたいです!」
あまりにも真っ直ぐだった。
断る理由もない。
「別にいいけど」
答えた瞬間。
蓮は飛び跳ねそうな勢いで喜んだ。
「やった!」
そして帰っていく。
残されたのは。
僕と悠真。
妙な沈黙が落ちた。
「……仲良いんだな」
悠真が言う。
「後輩だから」
「ふーん」
短い返事。
でも。
なぜか機嫌が悪そうだった。
◇ 悠真視点
その日の夜。
ベッドに横になった悠真はスマホを見つめていた。
画面には今日の会話。
“文化祭、一緒に回りません?”
その言葉が頭から離れない。
湊は断らなかった。
ほんとは俺とだったのに。
楽しそうだった。
当然だ。
ただの後輩なんだから。
なのに。
胸がざわつく。
落ち着かない。
取られたくない。
その感情の理由を。
悠真はまだ認められずにいた――。
おわり
しんど
コメント
3件
読ませていただきました! 今回、蓮くんという新キャラが出てきて、一気に空気が変わった感じがしましたね。湊先輩にまっすぐに懐く姿が眩しくて、読んでてこっちまでほっこりしました。でもその一方で、悠真の「取られたくない」という心のざわつきがすごく伝わってきて……あの硬い笑顔の描写、めちゃくちゃ刺さりました。恋の予感、確かにしんどいけど続きが気になります!