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うつむきながら病院を後にしようとすると、1台のリムジンと執事が待機していた。私は、どこかの会長さんでも退院するから、その迎えに来てるのだと思った。「河合様 お待ちしておりました」と執事様な男が声を掛けてきて私はとても驚いた。「どうぞ、お乗りくだわさい」と言われ、私は何も考えずに乗り込んでしまった。乗車すると、中には首狩先生が乗っていた。「警察病院まで頼む」と首狩先生が運転手に伝えると、リムジンは動き始めた。「先生、2人帰ってきてくれますかね」「河合、何飲む? オレンジ、コーラ、サイダー、生、緑茶、午後ミルがあるけど」と私の発言を無視して、冷蔵庫をゴソゴソと漁っていた。「コーラをください」と私が言うと、明らかに高そうなコーラが出てきた。そして、首狩先生は卓上に明らかにスーパーとかでは売ってないお菓子を並べ始めた。そして、飲食しながら首狩先生と2人の生還率について議論していた。すると、私の父が医院長を務める警察病院に着いた。窓口で京ちゃんの病室を聞こうとしたら私の父が来た。「維子、ついてきなさい」と父は私に告げて案内を始めた。病室前に着くと「この先に京介君が寝ている。大丈夫だ、何とか一命は取り留めてある。そして、意識も取り戻しているから維子のことも分かってる」と、父は私に告げてどこかへ行ってしまった。病室に入ると、大きなベッドの上で六法全書を読む京ちゃんがいた。「京ちゃん大丈夫?私の名前を言える?」「何言ってんの?大丈夫に決まってんじゃん。俺を誰だと思ってんの?不死身の京介様だぞ。河合、寝言は寝て言うもんだぞ。」と、俺は軽く冗談を交えて返答してやった。すると、頭に大きな岩の様な物が降ってきた。「どれだけ、心配したと思ってんだ!不死身よ人間なんて居ないんだよ。だからワシの様な医者がいるんだよ。少しは反省しろ!」と、首狩先生は拳骨を1発お見舞した。その頃、ひえちゃんの居る病院から電話が掛かってきた。内容としては、「ひえちゃんが会ってみたい。もしかしたら、なにか思い出せるかもしれない」という事だった。すると、後ろでゴソゴソと何か物音がした。京ちゃんが体を無理やり起こそうとしていた。「話は聞こえた。あいつの記憶が戻る可能性があるなら俺も行く」「ダメだよ、まだ損傷部分の修復手術は終わってないんだから。傷口が開いたら元も子もないでしょ」と私が必死に止めようとしていると、首狩先生と私の父がやって来た。「京介くん、無理はせず首狩先生の言う事を聞くと言うなら一時的な退院を認めてあげるけど」俺の答えは決まっていた。「分かりました。しっかり従うんで、猿の所に行かせてください」と俺は頼んだ。そして、再びリムジンに3人は乗り込んだ。そして、比叡の病室に3人が入り、比叡と顔を合わせると比叡は急にもがき苦しみ始めた。俺らは全く驚かず、比叡にエールを送り続けた。首狩先生によると、一度に大量の記憶が戻ると脳がパンクして、もがき苦しむ事があると伝えられていたからである。数時間後ようやく落ち着いた。「よう、特攻隊長」「ふん、猿が何を言う」比叡も無事に意識を取り戻した。軽い雑談をした後、それぞれが帰るべき所に首狩先生のリムジンに乗って帰った。そして、1週間後里臣の修復手術は無事に終わり退院した。そして、全員と退院祝いとして首狩先生の家でパーティをしていた。この後、あの様な悲惨な事件が起きるとは誰も知る由はなかった。