クリスマス暇?
萩原水族館とか興味ある?
水族館のチケット貰ったんだけど一緒に行かない?
どうやって誘おうか悩みに悩み、帰りのSHRになってしまった。
無自覚ではあるが、もしかしたら意識してしまっているのかもしれない。前までなら簡単に誘えたはずなのに。
それに、きっと断られてしまう。
「はいさようならー」
「あ、あ萩原」
早く声をかけないと、と思い咄嗟に名前を呼んでしまった。
私がしばらく黙っていると、何?と萩原は聞いた。
「あー、、あのさ、24日空いてたりする?」
「空いてるけど」
「水族館、、どう?」
「、、どうってなんだよ」
「いや、あのさ、毎年やってる水族館のイルミネーションのチケットが2枚あってさ」
そう言うと萩原は、2枚、と私の言葉を繰り返した。
「あ、あの由依に貰って」
萩原と行くために2枚買った、みたいに捉えられた気がして焦って補足した。
「もしよかったら一緒にどうかなー、、みたいなさ」
2,3秒の沈黙が心に刺さった。
「ああ、いいけど」
「、、え、まじで?」
いい、って言ったよな、今。
「いくら?それ」
萩原が私が持っているチケットを指して聞いた。
「私からのプレゼント」
突然由依が隣に現れ、私の手からチケットを1枚取って萩原に渡した。
「いや、でも金は」
「いいのいいの、私今財力すごいから」
萩原は軽く、は?みたいな顔をした。
「自分行かねえのに2人分払うのかよ」
「あ、私は払うよもちろん」
「じゃあ俺も払うだろ」
「いや、由依が行けなくなったからさ」
私がそう言うと、なぜか由依は「おいっ」みたいな顔をした。
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