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付き合ってるtτmηの話
佐伯宅にて。
ディープキス やり方
ごめん、テツ。見るつもりはなかってん。
佐伯のPCの検索履歴を目にした緋八はそっとブラウザを閉じて両手を合わせた。
PCの不具合について相談を受けていたから色々見ていただけ。その拍子にブラウザを開いてしまい、それを見てしまったのだった。
一応、そういうことしたいって欲求はあるんだね。
付き合い始めて半年は経つ。今だに手を繋ぐだけでほんのり頬を赤くする恋人にそんなことを思う。
初心で可愛い反応をすることの多い彼。
自分を前にしている時に内心、そういうことしたいと思っていたかもしれない。
意外と言えば意外。ちょっと想像がつかないから。
「マナ君、どう?」
「あ…えっとね」
不意に戸を開けて別室で作業していた佐伯が戻ってきた。PCの不具合についての原因は見つけていたからそれを説明する。
「本当だ。ありがとう、マナ君」
「いえいえ」
会話は弾んでその流れでご飯屋さんに行くことに。どうしてもお礼をしたいからと言って聞かないテツの奢りでご飯を食べた。
ついでに買い物。それぞれの自宅で足りない日用品を買って、この日は解散した。
キスはしなかった。
あの履歴を見てちょっとそわそわしてしまった。
まぁ、彼にも彼のタイミングがあるだろうし、今日はそんな雰囲気でもなかったし。
そのまま1日、3日、1週間が経過。
いや、いつすんねん。
あったろ、そういう雰囲気のタイミング。
会うたびにそわそわしながら待っていた緋八は心の中でつっこむ。
これで自分からしてしまえば話は簡単なのだろうけれども、それでは彼からしてくれる機会を逃すからしない。
いや、待てよ。
もしかして調べたけどよく分からなかった説あるか?
ふと、気がつく。
なんかそんな気がしてきた。
衝動みたいな行動を書き起こされても分からないだろうな、と。
とはいえ、俺がやり方を教えるのも違うだろうし。てか、ディープキスのレクチャーて。
どんな絵面だよ、と想像して笑う。
現状このままだとこれはお流れだろう。
やっぱこっちから仕掛けるべきだろうか。
色々考える緋八の目に液晶画面が映る。
不意に閃いた。