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七瀬さんに札を渡して数日が経ったある日、教室で七瀬さんに話しかけてられた。
なんでも幽霊に追いかけられて札を使って祓えたらしく、とても安心したらしい。涙ぐんで言われたので、また大泣きされたらどうしようと内心ハラハラしていた。
札は多めに渡してあるので大丈夫だろう。土地の話だとここら辺の強いあやかしは襲ってこないらしいし。
それからと言うもの七瀬さんの様子がおかしい。
これは僕の勘違いではないだろう。
事あるごとに話しかけられたり、一緒にお昼ご飯を食べようや一緒に帰ろうと言ってくる。もちろん美人に言われてとっても嬉しいが、思ったよりガッツリくるので少し引いてしまっている自分もいる。
そしてクラスでも噂になり結構注目されている。
「ねね!真広君一緒に帰ろ!荷物持とうか?ジュースいる?買ってくるよ!」
「七瀬さんありがと。大丈夫だよ。荷物は自分で持つし、ジュースもいらないよ。」
「七瀬さん真広君に弱み握られてるらしいよ」
ボソボソ聞こえてくるクラスの声でいやな噂が立っていることがわかる。
そしてこの七瀬さんを見たらそう思ってしまうクラスの人の気持ちもわかってしまう。
「おい真広、お前七瀬さんの弱み握ってるのか?」
こっそり聞いてきたこいつは、田村 明。元気で優しい好少年って感じの俺の友達だ。ちなみにサッカー部でモテる。僕はもちろん帰宅部のインキャさ。明とは小学校の頃から仲が良く部活ない日はよく一緒に帰ったり遊んだりしている。
「そんなわけないだろ、僕にも何が何だかわからないよ」
「おーい、明。早く部活行かないと遅刻するぞー」
「あっ、やべ、真広!今度聞かせろよなぁー」
明は同じ部活の人に連れられて行ってしまった。
「じゃあ、真広君!帰ろっか!」
「う、うん」
帰り道
「ね、ねぇ、七瀬さん急にどうしたの?」
「ん?どうしたのって?」
「いや、最近の七瀬さんおかしいなって」
「そう?」
「う、うん、なんか僕にぱしられようとしたり、無理に僕に気を遣ってるっていうか…」
「私ね、あのお札のおかげで人生が変わったの。夜は安心してぐっすり眠れるようになったし、外でも家でもビクビク怯える必要がなくなったの。真広君には本当に感謝してるの。だから何か恩返ししたくて…ごめんなさい、迷惑だった?」
「そうだったんだね。でも、普通に接してくれた方が嬉しいかな。」
「わかった。でも、わたしに出来ることがらあったら言ってね!私、真広君のためならなんでもするから!」
やばい、美女からこんなこと言われるなんて…鼻血出そう。
「うん!ありがと!」
あー、絶対今の僕鼻の下のびてるよぉ
ーいい調子ですねー
「ん?なにが?」
ー七瀬という娘のことですー
「いや、それほどでもぉ。でも、まだ付き合うとかそう言う関係ではないと言うかぁ、なんというかぁ」
ー違います。信者獲得という意味です。七瀬という娘はもはやあなたを信仰する信者です。土地神は信者の数が増せば増すほど存在が高くなり力をもちますー
「そっちかい!」
ーこの調子で頑張りましょうー
「はい…」