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城プル
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ゆ
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数日間、スペクター様からの単独極秘任務で神殿を離れていたMowl。
長旅の疲れを滲ませながらも、いつものように胸の黄色いリボンを整え、愛用のモノクルを指先で「スッ」と直すと、静かに私室の重いドアノブを回した。
「ただいま戻りました、ウルフ殿。……留守中、羽を伸ばしすぎて部屋を散らかしては——」
ガタァンッ!!
Mowlが言い終わるより早く、部屋の奥から突風のような勢いで漆黒の巨大な影が飛び出してきた。
「なっ……!? ウ……ウルフ殿っ!?」
「Mowl……ッ!! 戻ったのかッ!!」
いつもなら「遅かったじゃねえか、猫殿」などと尊大な態度をとるはずのウルフが、なりふり構わずMowlへと躍りかかった。
ギュゥゥゥゥッッ!!!!
「ひゃあぁっ!??! ぐ、息が……つ、潰れますッ! 潰れますウルフ様ぁっ!!」
正面から豪快に抱きすくめられ、Mowlの細い身体はウルフの胸板の中にすっぽりと埋もれてしまった。
ウルフの太く熱い両腕が、まるで二度と離さないと言わんばかりにMowlの腰と背中を力任せに締め上げる。
そして——
ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ!
ウルフの背後で、普段はめったに振ることのない太くしなやかな尻尾が、千切れんばかりの勢で左右にぶんぶんと振られ、部屋の空気を切る音を響かせていた。
「おい……どこ行ってたんだよ……っ! 長すぎるだろ数日なんてよぉ……ッ!」
「あ……あだだだっ! だから極秘任務だと事前に申し上げたでしょう……っ! 離しなさ——」
「……っ」
Mowlが抗議しようとしたその時。
ウルフはMowlの黒ハチワレの首筋に大きな顔を埋めると、耳をへたりと後ろに倒し、喉の奥から切ない声を漏らした。
「……キューン……ッ、クーーーン……ッッ♡」
普段の粗暴で凶悪なキラーの面影など微塵もない。
ただひたすら主人の帰りを待ち侘びていた、寂しがり屋の「甘え犬」そのものの甘やかな喉鳴り。
ウルフのザラザラした熱い鼻先が、Mowlの首筋やハチワレの頬に「すりすり……すりすり……」と狂ったような勢いで擦り付けられる。
数日間味わえなかったMowlの匂いを、一滴残らず吸い尽くそうとするかのように。
「……っ♡ ん……ぁっ、くすぐったいです……ウルフ殿……っ」
Mowlの猫耳が「ぴくっ」と跳ね上がり、鼻先が瞬く間に赤く染まっていく。
いつもなら「不潔です!」「離れなさい!」と爪を立てるところだった。
だが、自分がいなくて心底寂しかったのだと全身で伝えてくるウルフの素直すぎる愛おしさに、Mowlの「紳士としての理性の壁」はあっけなく崩壊した。
Mowlは目をトロリと熱く潤ませ、そっと両前脚を伸ばすと、ウルフの大きな頭と背中の毛並みを優しく抱きしめ返した。
「……まったく。大きな体を叩きつけておいて……子供のようなお出迎えですね」
「うるせえ……っ! 俺を放置したお前が悪いんだろ……っ!」
「ふふ……すみませんでしたね、ウルフ様♡」
Mowlはチロッと舌先を覗かせると、ウルフの耳元へ顔を近づけ、甘く濡れた声で囁いた。
「……私めも、ウルフ様の匂いが恋しくて仕方ありませんでしたよ……♡ さあ、抱っこしたままベッドまで運んでくださいますね?」
ウルフの左の赤目がギラリと光り、尻尾の振りがさらに激しさを増した。
数日間の「おあずけ」の焦燥感と、帰還の歓喜が混ざり合い、その夜の私室は朝が訪れるまで、二匹の甘く激しい悲鳴と喉鳴りが絶え間なく響き渡るのだった。