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R-15かもです












電気は消え、サイドランプの少しの灯りで照らされる室内。

ロマンチックな部屋の中に響く水音と嬌声が

今何をしているのかを語っていた。


ボロボロで破れている小型のソファに小さな冷蔵庫。

床に散らばるゴミや衣服。

性行為をするには合わない部屋だが、ベッドで乱れている2人の目には互いの顔しか映っておらず、それを咎める者も居ない。



ベッドのスプリングがギシギシと音を上げ、

はぁはぁと吐き出される息をかき消す。


互いの名前も呼ばず、燃えるような言葉も無く。

ただただ己の性欲を紛らわせる為の行為。

そこに愛はなく、キスも前戯もただの己に熱を帯びさせる為だけの行為に過ぎなかった。


ベッドで絡み合う2人の身体は汗が滴り、

頬は紅潮していた。


腰を打ち付けている男は忙しなく動き、

打ち付けられている青年は相手の顔を見ているようで遠くを見つめていた。


遠くを見つめていても、調教されてきた身体は快楽を求めて己の蕾を濡らす。

何度もしこりを肉棒で擦られ、嬌声が大きくなってきた頃、2人は同時に果てた。


息を切らし、ベッドへ倒れ込む。

寸刻後、中へ出されたモノを掻き出す為に青年は床の障害物を避けながら浴室へと足を進めた。


一方もう1人の男は服も着ずに煙草をふかしていた。

お互いに線を引いた関係性というのは承知している。が、男…ウェイドは青年に恋心を抱いてしまっていた。


ウェイドは未だ名前も知らない青年に思いを馳せながら煙を吐いていた。


「…出たよ」


見た目に似合わない幼い声が煙たい部屋に響き、ウェイドの視線を向かわせた。


「ちやんと掻き出せたか?」


そう問えば青年は頷き、服を着始めた。

衣服の擦れる音をBGMにウェイドは考え込んでいた。





ウェイドは煙草の火を指で潰し、灰皿へ乱暴に捨ててから膝に手を当てて立ち上がった。


青年は黙々とTシャツのボタンを留めていた。


「…おい」


低く色っぽい声で青年を呼びかける。


「なに?」


青年は手を止めずに瞳だけをウェイドへ向けた。

ウェイドは柄にもなく震える口に手を持っていき、唇をザラりと撫でた。


「いい加減名前教えろ」


そう言えば青年は心底ウンザリしているように溜息を吐いた。


「教えないって言ってるでしょ。僕と君はセフレだし、僕は男娼。名前がバレると困るわけ。わかる?」


そう、青年は男娼であった。

幼く見えるが何本もの肉棒を咥えこんでいるという淫乱さがウェイドを惹き付けたのだ。


「俺はお前の事性的に好きだし、お前と付き合いたいしなんでも知りたいと思ってる」


真剣に青年の瞳を見つめて言葉を進める。


青年は悲しそうな、辛そうな顔になった。


「…嬉しい、けど…、僕はもう誰とも身体以上の関係は持たないよ。」


ウェイドは何かを察したが、もう戻る事は出来なくなっていた。


「俺は、…俺はお前が過去に何があったとかは知らないけど、お前が辛い時は俺が助けてあげたい」


真剣な眼差しで青年を見つめる。

すると青年はまた溜息を吐いた。


「…はぁ、ピーターだよ。ピーターパーカー。」


ウェイドは言葉を何度も反芻し、顔をあからさまに綻ばせた。


「…!!!ピーター!」


嬉しさのあまり抱きつこうとしたがひらりと躱されてしまい、ウェイドは唖然として立ち止まった。


「名前を教えるだけ。もう…っもう、これから君とは会わないよ。じゃあね」


いつまでも口をぽかんと開けて佇んでいるウェイドを悲しげに見つめてから、ピーターは荷物をまとめてドアへと向かった。


「…まっ、!ピーター!」


「…ありがとうね、ウェイド。僕も君のこと好きだったよ」


言い終わらない内にピーターはドアを閉めて走っていった。

サイドランプが照らす部屋の中にはウェイドがただひとり、佇んでいた。





それから数年後、ウェイドの心はあれからぽっかりと穴があいていた。


いつも通り街を練り歩く。

するといきなり肩に手が置かれた。


「…なんだ?」


振り返る。


「…久しぶり。ウェイド・ウィルソン」


方を置いて居たのは自分より少し小さい青年であった。

ウェイドは目を見開き、ピーターを抱き締めようとする。


「おっと、だーめ」

厭らしく口許に人差し指を持っていき、口角を上げるピーター。

数年間暇を持て余していたウェイドの陰部は熱を帯びた。


ピーターは直ぐに去ろうとしたが、去り際に耳元で囁いた。


「セフレだったのに名前しか知らないって変な関係だね」


去って行くピーターの首にはキスマークがあったような気がした。

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