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ユナ @お嬢様化
44
るーぱ
249
まーや
354
「……おい、少しは落ち着いたか」
都内某所にある、公安警察の隠れ家。
薄暗い部屋の中央、パイプ椅子に座らされた朝野太陽は、両脇から鋭い視線を浴びていた。右側には、長いトレンチコートを脱ぎ、鋭い眼光でこちらを睨みつける公安の野崎守。左側には、いつの間にかいつもの「冴えないサラリーマン」の表情に戻りつつも、その佇まいに一切の隙がない別班の乃木憂助。部屋の隅では、大柄なドラムが、警戒を怠らずに太陽の手元を注視している。「あの、助けてもらったのは感謝しますけど……その、銃を向けながら話すの、やめてもらえませんか?」太陽は苦笑いしながら、向けられた2丁の銃口を見つめた。「寝言を言うな」野崎が低く唸る。「お前がさっき見せたあの力……人間業じゃない。壁を突き破って大男を吹き飛ばす高校生がどこにいる。お前はどこで育ち、どこの組織に所属している? 答えろ」乃木もまた、静かな声で問いかける。「君の戦い方、自衛隊や各国の特殊部隊の格闘術のどれにも当てはまらない。……それに、君の目が一瞬、不自然に光ったのを見逃さなかった。君は何者だ?」太陽は頭を抱えた。(うわぁ……この人たち、絶対にただの警察じゃない。目つきが完全にプロのスパイだ……。でも、本当のことを言っても信じてもらえるわけないし……)その時、乃木の脳内で『F』が呆れたように笑った。(おい憂助、このガキ、嘘をつこうとしてるぜ。だがな、心拍数も呼吸もさっきの戦闘からほとんど乱れてねえ。化け物かよ。嘘を見抜くお前の特技(重さ当て等)じゃなくて、俺が直接締め上げて吐かせようか?)(だめだよ、F。彼は僕たちを助けてくれたんだ。まずは話を聞こう)太陽は意を決して、薬指の指輪をそっと撫でながら言った。「信じてもらえないかもしれませんが……俺、別の世界から来たんです。気づいたらあの雨の路地裏にいて、自分の家にも帰れなくて困ってます」「……は?」野崎が露骨に眉をひそめた。「転生だと? ふざけるな。SF映画の観すぎか」「本当です! 俺の名前は朝野太陽。元の世界では……『夜桜家』っていう、代々続くスパイ一家の婿養子をやってます」「夜桜……?」乃木が記憶のデータベースを探るが、そんな組織の名前は日本政府の極秘ファイルにも存在しない。「そして、さっき襲ってきた、体が植物化した怪人たち。あれは、俺の世界で夜桜家と敵対していた悪の組織『タンポポ』の仕業です。奴らは人間に植物のゲノムを植え付けて、不死身の兵器に変える技術(ソメイニン)を持っています。どうしてこの世界に奴らがいるのかは、俺にもわかりません。でも……!」太陽は真っ直ぐに2人の目を見据えた。「奴らを放っておいたら、この街の人たちが全員、内側から植物に食い尽くされて死にます。それは、絶対に止めなきゃいけないんだ」部屋に沈黙が流れた。あまりにも突飛な話。普通なら「精神異常者」として片付けられる内容だ。だが、野崎は先ほど自分の目で、防弾盾を紙のように引き裂くツタと、それを素手で粉砕した少年の姿を見ている。「……乃木。お前はどう思う」「荒唐無稽ですが……現場に残された遺体の植物化、そして彼の戦闘力を鑑みると、すべてのパズルが噛み合ってしまうのが恐ろしいですね」その時、部屋のモニターに、ドラムが解析したばかりの最新映像が映し出された。
「野崎さん、大変です。先ほどの事件現場の周辺監視カメラに、奇妙な男が映り込んでいました」とドラムのスマホ音声が告げる。
画面に映っていたのは、全身を黒いトレンチコートで包み、不気味なガスマスクをつけた男。その胸元には、誇らしげに「タンポポ」のバッジが光っていた。
男の背後では、さらに数人の植物怪人が暗闇に控えている。
「……間違いない。タンポポの幹部だ」太陽の表情が一気に引き締まる。
野崎は銃をホルスターに収め、ふっと不敵に笑った。
「転生だか何だか知らねえが、日本国内でこれ以上コソコソと得体の知れない真似をさせるわけにはいかねえ。公安としては、この『タンポポ』とやらを徹底的に叩き潰す」
乃木もまた、ゆっくりと銃を下ろし、眼鏡の位置を直した。
「我が国に紛れ込んだ脅威を排除する。それは……僕たち『別班』の役目でもあります。太陽くん、君が元の世界に帰る手がかりも、そのタンポポの残党が握っているかもしれない。……僕たちと手を組みませんか?」
太陽は2人の顔を見渡し、力強く頷いた。
「はい! よろしくお願いします!」
公安警察のカリスマ、別班の超エリート、そして異世界最強の高校生スパイ。
常識を超えた「対タンポポ共同戦線」が、ここに結成された。
コメント
3件
最ッッッッ高
お前,やってんなあぁぁあぁぁぁあ10分前!?笑笑笑笑
読み終えました。第2話、めちゃくちゃ熱かったですね。「転生してきたスパイ高校生」という設定が存分に活かされていて、尋問という緊張感のあるシーンでありながら、太陽くんのキャラがユニークで笑ってしまいました。特に「心拍数も呼吸も乱れてない化け物」と評されるあたり、彼の規格外さがにじみ出ていて好きです。公安と別班という異なる組織と手を組む展開も、これからどう動くのかワクワクしますね。タンポポの幹部も登場したし、ますます目が離せません!