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ドゴゴゴゴゴオン!!





「『!!!』」






方向音痴のゾロと何も分かっていないエマが道に迷いながら町の奥まで進んでいた時、耳にしたのは、こんな静かな空間には似ても似つかないほどの轟音。

まるで大砲でも打ったかのような大きい音だ。






『ゾロ、今の…』



「ああ、見てみろ。住宅街がこのザマだ、どうやら大砲好きってのは本物らしいな。」



『ルフィ、撃たれてないといいけど…』



「あいつはそんなヤワじゃねェだろ?それよりあっちの方向だな、急ぐぞ!!」






この大砲は大方、というより確実に道化のバギーの仕業だろう。

音は大通りの方からしてきており、そちらの方向に向かって走った二人。






『…ゾロ、そっちじゃない』



「あ”…」



『そのまま真っ直ぐだよ


……手、繋ぐ?』



「……あァ」






何故か目の前に見えているというのに道を間違う方向音痴末期のゾロ。


エマが指摘する度にバツが悪そうに目逸らすので、とりあえずエマがゾロを先導することにした。それはそれで心配だが。


きょとん、とした顔でエマが手を差し出すと、ゾロは照れくさそうに気まずそうに握った。天然たらしって怖いね。






「死んでたまるかァっ!!!」



『!ゾロ』



「あァ、間違いなく…ルフィの声だな!!」






大通りに着くと、ぎゃあぎゃあと騒がしい声が聞こえてきた。その中には我が船長ルフィの声も混じっている。


二人は警戒態勢を整え、連中の中に飛び出して行く。






「あつ…!!!」



「……!?お前………!!


後ろっ!!」



「うっひゃあーっ!!」





どうやら修羅場だったようで、探していたルフィは牢に捕らえられており、オレンジ髪のかわいい女の子は後ろから斬りかけられてる。


オレンジ髪のかわいい女の子と言えば、先程の三人組の海賊の話だがそれは今は置いておくとしよう。



女を傷つけるのは良くないと思ったエマとゾロは当たるギリギリの剣を刀と鉄パイプで楽々止める。





「「「「!!!?」」」」



「女一人に何人がかりだ」



『君、大丈夫?』



「!え…」



「エマ!!!!ゾロォ!!!!」





ゾロとエマが返り討ちにした海賊たちが地面に転がる。ルフィが嬉しそうな顔で二人の名前を呼ぶと、周りはどよめく。





「「「「ゾロ!?」」」」



『ケガしてない…?』



「…ええ平気…」





ゾロは海賊狩りとして名の知れ渡ってる者。それはここでも例外では無かったようだ。





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