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法律。法治国家。不安定な秩序基盤の上に数百年間甘んじていた人類が、その消失によって最悪の秩序状態を生むのは、至極必然の流れである。
そんな混迷の世界に新たな支配を築いたのは、「企業」の存在であった。
長年続く老舗の武器屋鍛造屋から、賽投げ直前に生まれた巨大IT企業、厄災以降の経済状況に調子づいた新興企業まで。
国家秩序の破壊により世界各地で興隆した企業支配の流行は、たった数年でこの惑星全体を包むまでになった。
2048年。アメリカの一大兵器産業企業「グローバル・ダイナミクス」__通称”GD”は、新たな人型汎用機動兵器開発プロジェクト「プロジェクト:ヴァリアント」を始動する。2056年に最初のプロトタイプ001-FL/P VARIANTとして完成したそれは、兵器の歴史やパワーバランスを劇的に、そして永久に書き換えたとまで言われる。ヴァリアント機体以外の旧式戦闘兵器は「スタンダード」として突然の型落ち宣言を受けた。
プリズム・ジェネレータにより莫大なエネルギーを扱いうる超兵器__GD社はそれを15年間専売したのち、2071年にその規格や設計の一部を公開。ヴァリアントは新たな「兵器規格」としての歴史を刻み始める。
厄災が産んだ美しくも恐ろしい火種は、それらを奪い争うために新たな殺しの道具まで生み出したのだ。