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燃え盛る炎。もくもくと上がる黒い煙。

ハルの家は燃え上がっていた。


その光景は、あまりにも悲惨だった。






最初、ハルは1人で行くと言った。でも僕達は引き下がらなかった。ハルの家族は、僕にとっても本当の家族ような存在だったから。京介も行くと言って辞めなかった。そんな僕達を見て、ハルは苦笑した。





僕は、その壮大な光景を前にして、呆然としていた。信じられなかった。


ハルは消防士に問い詰めていた。

「母さんと父さんと美月は!!!」

「君、まずは落ち着いて…」

「こんな状況で落ち着いて居られっかよ!!この役立たず!」

ハルはそう言い捨て、走りだした。

「まっまて!危ない!」

消防士の止める声も聞かず炎の海へー

ハルの動きが止まる。

「離せよ!」

「ダメだハル!もう間に合わない!」

京介が、間一髪でハルを止めた。

「離せって!まだ、間に合う!」

「行っても無駄だ!」

「っ…じゃあこのまま見捨てろって言うのかよ!」

「……」

「離せっ」

「〜駄目だっ」

それに気づいた大人達が止めに入り、ハルは押さえ付けられた。

僕はそれをただ見つめていた。何も出来なかった。

京介は凄い。いつも冷静で、。

僕は何もできない。僕は、ハルを追いかける事すらできなかった。


「っ…う…ぁ」

途端、家が崩れはじめた。

もし、京介がハルを止めなければ、ハルは死んでいただろう。

僕は地面に膝をつき、燃え盛る炎を見つめ続けた。辺りには、ハルの叫び声が響いていた。





原因は、放火だったらしい。犯人はまだ見つかっていない。

ハルはたった一夜で家族全員を失った。誰も助からなかった。



今日は日曜日だが僕は制服を着ていた。


「2人ともまだ若かったのにねぇ。美月ちゃんもまだ12歳だったじゃない…」

「…気の毒に、長男の子が1人だけ残ったんでしょ…」


そんな声や、すすり泣く声が、辺りには広がっていた。ハルはずっと下を向いていた。叔母さんの隣に立って、ずっと。お辞儀をされても、返そうともしなかった。



今日はハルの家族のお葬式だった。

僕も、お母さんと参列した。お母さんは、ハルの家族とあまり関わりがなかったはずなのに泣いていた。

僕ら3人は目を合わせても、話す事はしなかった。3人とも黙り込んでいた。




ショックだった。葬式をあげても、まだ信じられなかった。僕は朝から泣きじゃくっていた。そんな僕をお母さんが抱きしめた。お母さんも泣いていた。

「ごめんね、今まで寂しい思いをさせて」

「、え?」

そう言えば、今日は仕事のはずだ

「お母さんね、今の仕事辞めようと思う。」

「、なんで?」

「だって、ゆきの傍に居られないじゃない」

「僕、1人でも大丈夫だよ、」

「、ダメな親でごめんね、」

お母さんは僕の事を心配しているようだった。、、 当たり前か、。






あの事件から、一週間がたった。

焼け落ちた家の残骸には、大量の花束が置いてあった。

ハルはそのまま叔母さんに引き取られたらしい。ハルの叔母さんの家は近くにあるため、引っ越す心配はなかった。だけど僕は葬式以来、1度もハルに会っていなかった。会うのが怖かった。

それから更に一週間がたった。ハルは1度も学校に来なかった。

だからか、京介が言い出した。ハルに会いに行こうと。僕は頷き、京介とハルの所へ向かった。

死ぬ前に恋でもしようか

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