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「ね?おもしろい子いるでしょ?」
「ああおもしれぇな!!あんな人の話聞かね-ただのドジ初めてだぜ!!」
あんなヤツも風鈴にいるのかよ、、、弱い奴がいんのか強い奴がいんのか分かんねぇ、、、
「クソだせ-…あんなのも風鈴にいるのか?“正義の味方”なんだったらもっとカッコよくいるべきだろ…」独り言のように小さく呟いた言葉を聞こえたことはは、何かと勘違いしたのか
「あら、あんたが服装の事言うとは思わなかったわ…」と、カッコよくない=楡井の服装と考えていた。
、まぁ、あの格好はダセ-のか知らねぇけど、
「…ああやって見た目ばかりつくってくるヤツらは、ケンカになりゃあ逃げ出すんだ。ダセ-ことこの上ねぇよ。」
暗い顔で話した後、立ち上がってカフェを出ようとした遥に少しばかり黙っていたことはは質問した。
「…そう。ねぇ遥、コーヒーの実の色ってなに色か知ってる?」
「???ちゃ…コ-ヒ-…色…?」
「赤なの。さくらんぼみたくつやつやな。私最初はビンに入って売ってるまんまがとれるんだと思ってた。しかもあれは種の部分だってことも、煎る前は白いってことも知らなかった。」
「…」
「一つの方向から見ただけじゃ本当のカタチは分からない…思うことは自由だけど、決めつけるのは早いんじゃない?」
「…!」
「ちゃんよ話して、ちゃんと見て感じようとしなきゃ、その人のことわかりっこないでしょ」
うん、コレで伝わったでしょ。私が言えることはこれぐらいかな。
「あいつ…」
遥の何かが分かったような表情を見て、ことはは伝えることは伝えれた自分に密かに感心した。
「実はケンカ強ぇのか、、、」
その言葉を聞いた時、ことははどんな顔をしていたか覚えていないが、「なるほど」といった一人納得した顔をしている遥に少々イラッとしたことは覚えている。
「、、、あんたの価値基準それしかないの?」
「ようあんちゃん!パン食わねぇか?焼きたてだぜ!」
「あら、昨日ここで大立ち回りしてた子よね!あなたがいてくれて良かったって皆んなで話してたのよ!」
「やぁあんちゃん昨日はありがとう!りんご持っていかないかい?」
「よう坊主!昨日はかっこよかったぜ!コロッケ持っていけや」
「にいちゃん強ぇんだなーどれおっちゃんと酒で勝負しね-か?」
なんだこの状況、、、
つ-かなんだよこの町の人間は、、、馴れ馴れしすぎるだろ俺みたいなヤツに…
『気持ちわりぃ見た目してこっちに近寄んな、お前みたいなヤツなんか存在しなけりゃ良かったのに、、、』
『テメェみたいな化け物なんて死んじまえばいい!!』
『なんだよその目と髪!!なんでお前みたいなヤツが、、、おい!どうしてこんなヤツが生まれたんだ?!俺が何をしたってんだッ!!』
「のぉおわぁ!!!」
「風鈴の方ですよね!!助けてください!!」
「?!」
「くっ、、、」
「あ-あ-、せっかく女の子と楽しくお喋りしてたのに…チッなぁーんで邪魔すんの?」
「女の子は嫌がってたじゃないっすか!!「ええ-何ソレ言い掛かりじゃん!」
「ボウフウリンとか名乗って街守るなんてほざいてるけど、どう見たって守られる側だろお前…」
「あはは〜言えてる〜」
「おい、こいつまだ何か言ってるぞwww」
「人を傷つける者、物を壊す者、悪意を持ち込む者、何人例外なくボウフウリンが粛清するっす!!」
「うわぁ〜、戦隊番組見すぎだろこいつ、」
「あ-あ、つまんね-の。他の女の子探しに行こうぜ」
「あ-いいねそれ」
「!!」
ガクッ
「!おいまだ分かんね-のか?お前にヒ-ロ-は無理だよ、いい加減はなせ、しつこいんだよ」
それでもまだ離さない楡井に苛立ち始めたナンパ男は、彼の背中を殴り始めたが、それでも楡井は離さない。そんな楡井にやがてキレた男は、二つの手を丸めて重ね、思いっきし強く楡井に当てtー
一瞬。
ほんの一瞬、もしも楡井がその時目を閉じていたら。
その時、あと少しでも頭を下げていたら。
あの、暗い路地裏でも煌めく白髪と黒髪が緩やかに、けれど正確に、美しいフォームで顔蹴りをして猫のようにそのまま綺麗な着地をする背中を見ることは出来なかっただろう。
その時、自分が必死に止めていた男が、まるで人形のようにただ無力に吹き飛ばされていった。
「ハァ、ハ、、、なっ…なんだ…?!ガハッ」
時が止まったように。ほんの、ほんの一瞬で、次々と、その細身の男は五人以上いた集団を倒していき、楡井が瞬きを一つした時には、もう、その男以外は立っていなかった。
楡井は、目の前で一瞬たりとも無駄の動きをせずに、まるで舞うように倒していった彼の後ろ姿をただ口をあんぐり開けて魅入るように見つめていた。
「…なぁ」
一瞬…本当にたった一瞬で…
「…おい、」
この人…いったい…
「おい、聞いてんのかよ、」
「!」
遥は楡井が自分の喧嘩を惹きつけられたように見ていたなんてつゆ知らず、楡井がどれほど怪我をしていたのか見なくても分かっていたので自分の部屋から応急処置を取りに行き、片手に持っていた。つまり五人以上の男達を片手と足だけで倒したという事になる。
そして自分の声が届いていないと気付いた遥は、楡井の膝近くに立って腰を少し曲げた。
「…どんな理由で風鈴に来たかは知らねぇけど、自分の力量ぐらい分かっとけ」
「!!…俺、小さい頃…毎日毎日パシられて殴られて…言いなりになるしかなかった…」
あれ、、、俺なんでこんな過去をこの人に言ってるんだろう…
「…そんな俺を助けてくれたのが、風鈴の人だったんす…普通なら怖いとしか思わないような人が
ーカッコよかった。」
多分この人だって、こんな弱い俺とつまらない話を聞いたらきっと、離れていくんだろう。いや、その前に殴られるかもしれない。
「、、俺もああなりたいって…強くてカッコよくなりたいって風鈴に来たっすけど、、、
全然…ダセェなぁ…」
止まらない口と涙が出てきて、最後の方はか細く潰れたような声だった。
『何人も例外なく、ボウフウリンが粛清する!!』
「…」
…ダセェ?こいつが?
「…だから何だ?んなとこずっと座って泣いてたら余計弱く見えるだけだぞ…、でもまぁ、
…ダサくはねぇんじゃねぇの?」
…今日は何故だか、口がよく回る。本音がこんな出るなんて、何か変なもん食ったか?
「、へ、」
「あの!大丈夫でしたか?」
「ぅえ、あ…いや、あの…全然!大丈夫っす!」
「腕を掴まれた時どうなるかと思ったけどあなたがいてくれて助かりました…
本当にありがとう…」
「…」
「あ…あなたもありがとう」
「ッッッッ!!!」
遥の一番の強敵である“ありがとう”はまだまだ続きそうである。そしてその言葉に当分慣れないだろう遥であった。
おまけ:
楡井:あの!はるかさん!
遥:ビクッな、なんだよ
楡井:スッ(ノ-トを取り出す)身長・体重・血液型・誕生日・趣味・特技・得意技・好きなタイプは!?
遥:はぁ?!
楡井:身長は俺より少し高くて169cm、筋肉多く脂肪少なく59kgぐらいすね…
遥:ッおい…
楡井:足は26.5…まだまだ身長伸びるっすね!!
遥:ちょ…
楡井:サワサワヾ(◍°∇°◍)ノ゙
遥:キモい!!触るな!測るな!o(*≧д≦)o!!
楡井:す、すんません…俺、いいな、カッコいいなって思う人のデ-タ集めるのが好きなんす…
遥:ッか、勝手に、しろ…
楡井:はい!間近で見させてもらいます!あ、ついでと言ってはなんですが、道案内しますよ!ケンカでは力になれないかもですが…街のこととか人のこととか案内しますよ!
てっぺんまで!!!
遥:!!…
楡井:さぁ、学校はこっちですよ!!
遥:ぅあ、
〜10分後〜
遥:、、、どこだここ。
-遥、絶賛迷い中ー!!(実は方向音痴とかだったらいいなぁ、、、可愛くない??)