狸寝入りするp 短いのでTwitterだけに載せてたんですが執筆が滞ってるので載せます、ひっそり消す可能性有
茹だるような暑さの中、二人は無性に酒が飲みたくなった。
漢同士の真剣な闘い、という名のじゃんけんに敗北したらっだぁは、渋々買い出しへと向かうことになった。勝者はなんとも憎たらしく笑っている。夜中ですら夏日程の気温を示すようになったここ最近。お互いにあまり日常的に酒を飲んだりはしないので、二人で晩酌をするのは久しぶりだ。じゃんけんには負けたが、らっだぁは中々に良い気分であった。徒歩五分程度の場所にあるコンビニエンスストアで、一方的に見慣れている店員の顔を横目に酒と軽いつまみを選んでいく。かごの中へ真っ先に放られたのは二人のお墨付きである果実酒と、つまみ定番とされているようなありきたりなもの。それと、ぺいんとの好きな氷菓。喜んでくれるかな、なんて純な気持ちを胸に、手早く会計を済ませたらっだぁは帰路に着いた。
ガチャン、と玄関の鍵が解錠される音が部屋に響く。その音を聞いたぺいんとは、何やら幼稚な悪巧みをしていた。居間の柔い長椅子で横になり、両の瞼と唇をきゅうと結ぶ。らっだぁを驚かせるため、狸寝入りをしているのが彼である。玄関からただいまと聞き慣れた声が聞こえてきた。
「ぺいんと?」
段々と近付いていた足音が長椅子の前で止まった。その主は机の上に袋を置き、検べるようにぺいんとの名前を呼ぶ。
「ぺーんちゃん」
らっだぁはじっとしている彼の頬をふにふにとつつく。二本指で摘んだり、手のひらで撫でてみたり、幼子が玩具に触れるようにその感触を楽しんでいた。ぺいんとはと言うと、口許が緩みそうになるのを必死に堪え、先程よりもきつく唇を結んでいる。そろそろ頃合か、と意気込んだぺいんとは驚かすため口を開こうとした。
が、それは何かに阻まれた。今ぺいんとが分かるものは、真っ暗な視界と、唇の温い感触だけ。その感触はよく知っているものだった。吃驚した様子で飛び起きれば、そこには不敵な笑みを浮かべたらっだぁの姿があった。
「寝てる時もうちょっと口開いてるよ」
先程よりも口角の持ち上がった表情でらっだぁは告げる。ほら、飲むよ。と声をかけてもぺいんとは固まったままだ。その傍らでらっだぁはなんとも陽気な鼻歌を奏でながら晩酌の用意をしている。キスをされた事、普段の寝顔をしっかりと見られていた事、企みが見透かされていた事、その上で泳がされていた事。全てを察したぺいんとは、耳まで真っ赤に染まったその顔を両手で覆うことしか出来ないのだった。
おはよう、かわいいたぬきさん。
pは絶対おくちあけて寝るタイプだとおもう
コメント
2件
ぺんちゃんはよだれ思いっきりはたれない程度に口開けて寝てそう(願望)