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2件
( ・∇・)b
質問とか「ここ矛盾してね?」とか色々思ったことはここに書いてってくれれば答えるじょ(?)
初の小説?を書くよ
思いついた話がこれの方がいいなと思ったからこれで書くのだ
キャラとか世界観の設定とか解説やらその他もろもろは最後に書きます★
あとたまにジョジョが出てる…(〜〜じゃあないかとか)
ちなみにめっちゃ長いから気をつけてな…★
目次
【プロローグ】
【1話】噂の占い師①
【2話】嘘か本当か
【3話】1番大切なもの
【4話】昔の記憶
【5話】その者の結末
【あとがき】設定①
「ねえ知ってる?」
「最近噂になってる話」
「必ず希望へ導いてくれるっていう占い師」
「みんな口を揃えて言うんだよ」
彼女のおかげで救われた
「って」
「でもその占い師がどこにいるかは分からないんだって」
「それに占ってもらうには対価が必要らしいよ」
「その人によって対価は違うらしいけど…」
「そしてその占い師の特徴はね」
赤眼
白髪
深く被った黒のフード
「そんな謎の多い占い師だけど、一つだけわかっていることがあるんだ」
「それは」
人生に絶望した人の前に現れる
今日も誰かを希望へ導く占い師
嘘か本当か───
それは彼女に選ばれた者にしか分からない
街明かりが眩しい夜
がやがやと人々が騒ぎながら歩いていく
ここでもまたあの噂が聞こえる。
「なぁお前あの話知ってる?」
『なんの?』
「ほらあれだよ!あの噂の占い師!」
『あぁあれね』
『人生に絶望した人を導くっていう占い師でしょ』
「そうそれ!」
『それがどうしたのさ』
「いやぁそんな人がいるなら俺占って欲しいな〜とか思っちゃったりして」
『何なんかお前絶望してんの?そうに見えないけど』
「いやー」
『なんだよ笑』
「気になるじゃん?」
『まぁ確かに思うけど…』
『でもお前絶望してないじゃん』
「そうなんだよなぁ」
「絶望って言ってもどれくらいなのかがわかんねぇしさぁ〜」
『はぁ…』
『噂になるほどならよっぽどじゃないと無理だろ』
『そもそもそんな人滅多に居ないだろ、ホントにそんな占い師いるのか?』
「いるだろ!」
「こんだけ噂になるのってなかなかないじゃん」
「あー彼女ほしーーー」
『はぁ…』
『…?えまじやっべ早く行くぞ時間がねぇ』
──またこの噂
寝不足で今にも眠りそうな目を擦りながら1人家に帰る。
街を抜ければ、誰もいない暗くて静かな住宅街
コツコツと響く1人の足音
冷たい風が頬をなでる。
「はっ…占い師?たかが噂だろう…そもそも占いだとかその人の言っていることが嘘か本当かも分からないのに」
「でも今は、そんな占い師がいるなら占って欲しいぐらいだよ…」
はぁ…とため息をつく。
突然スマホから響き渡る音
…電話だ
しかも会社からじゃあないか…めんどくさいが…出るしかない
「はいもしもし……はい…………」
「会社が…倒産?」
「そ、そんな…嘘…ですよね?」
嘘だ、まさかそんなこと…
「そんな…私はどうしたらいいんですか!?」
……切られた
私は、私はこれからどうしたらいいんだろうか?
…今は家に帰ろう。
「…ただいま」
『おかえり』
『ん?なんか元気ないけど、どしたの』
「………………会社が倒産したらしい」
『う、嘘だよね?』
「本当だよ…」
『ちょっと待って、え?つまり仕事無くなるんだよね?金は?お金どうすんの?』
『そんなすぐ働けないでしょ?てか働けないよね??』
「…うん」
『え嘘でしょ』
『うーーーわマジで最悪』
「え?」
『まじ?お金ほんとにどうすんの?貯金とかあるわけ?』
「い、いやないけど…」
『うっわまじかよ…』
ちょっと待ってくれ、この発言…
まさか…
…私のお金が目的だったのか?
『えーまじムリ最悪どうしよ』
『予約してた服買えないじゃんどうすんの』
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「い、一応聞くが…」
『何』
「まさか…私のお金が目的ってわけじゃあない…よな?」
『………』
なんで黙っているんだ…?
嘘だろ…?
本当にお金が目的だったのか…?
何か言ってくれよ…
「!?」
『もういいわ』
『そうだよ金目的だけど??』
『あんたに金以外いい所あると思ってんの??』
「え…」
『はぁぁぁぁ………』
『金がないあんたなんか意味ないわ、ただでさえ使いが居ないくせに』
電話の着信音が鳴る
『あもしもしー♪ ゆっくん?どしたの♡』
『あてかちょうどいー、ちょ今から家行っていいー?♡』
『あ、いい?じゃあすぐ行くねーー♡♡』
「ゆっ………くん……?」
『はぁ…金すらも無いあんたなんか用済みだから』
『さよなら』
そう言って彼女は手早く荷物をまとめて力強く玄関の扉を閉めてどこかへ行ってしまった。
「う………嘘だ……………」
「そんな…………」
瞳から雫がぽつぽつと溢れて行き
少しずつ頬を流れていった
これが夢なら覚めてくれ…
そう何度も願ったがここは現実だ
たった数十分で仕事と彼女を失ったショックは大きかった。
私は…明日から何をすればいいのだろう?
………気がつけば朝だった
どうやらそのまま倒れて寝てしまったらしい。
それと同時に昨日の出来事を思い出しまた涙が溢れてくる
それを袖で拭い、光が差し込む窓を見上げた。
…落ち着け、まだなんとなるかもしれない
とりあえず…外に出て気分を少しでも晴らそう
今日はとても快晴だ。
フラフラと1人歩いてゆく
何も考えられない
いや、考えたくないんだ
考えるとすぐ昨日の出来事を思い出してまうから。
『そこの人』
「!?」
『あなた、とても絶望をしているわね』
「えっ………と」
…誰だ?彼女は…
『あなたさえ良ければ、希望に導いてあげるけど。』
顔は黒いフードを深く被っておりあまり見えないが
ひらりと見えた髪は白色に見えた。
安心するようで惹き込まれるような、それでいて透き通る心地の良い声で話す。
なんだかその声を聞くだけで少し心が軽くなったように思う。
『まぁ、その気になったらこの場所に来なさい』
そうして彼女はある1枚の紙を渡した
「これは…?」
この紙はなんなのか聞こうとしたが紙に目を向けたその一瞬のうちに彼女は消えていた。
「え!?」
驚きながらも考える。
………………
赤眼(見えなかったが)
白髪
そして深く被った黒いフード
……まさか今の彼女があの占い師なのか?
確か…人生に絶望した人の前に現れるっていう噂だったが。
…………………
気になる、明日この紙に書かれている場所に行ってみようか…?
何もしないよりかはマシだ。
早歩きで家に帰る
そして、次の日
私は紙に書かれている場所へ向かう。
本当に噂の占い師だと言うなら、私を希望へ導いてくれるんだよな…?
どうやら紙に書いてある通りに動かないとこの場所に行けないようだ
どういう仕組みなのだろうか…?
そうして気がつけば私は森の奥にいた
この森の放つ雰囲気は
木々から差し込む光はどこか不気味に感じるが、とても暖かく落ち着くようで安心する
まるで幸せな夢の中にいるようでとても癒される
私しか知らない秘境のようで言葉に表せないくらい美しく感じた。
「この世界にこんなにも美しい森があったとは…」
しかし本当にここであっているのだろうか?
『…こっち』
「!?」
どこからか声が聞こえた
私は周囲を見渡したが人のような気配も影もなかった
『……僕に付いてきな』
…なんなんだろうか?この声は
けれどなんだか引き寄せられる
無意識のうちに歩いてゆく。
『…来たのね』
あの時の少女?だ
だがあの時と違い彼女の顔が見える。
髪は白く、深く被った黒いフードの奥に見える瞳は惹き込まれそうになるほど綺麗な赤色だ。
…あの特徴と同じだ
「…あなたがあの噂の占い師…ですか?」
『噂…まぁ、そうなんじゃないかしら』
『それで、先に聞くけれど』
『対価は払えるかしら?』
「…その対価はどんなものですか」
『さぁ、あなたの選択によるわ』
「……」
どんなものかわからない
だけど私には彼女しか道がない
どんなものでも払おう。
「…必ず払います。」
『そう』
『それじゃあ…』
『一応何があったか話してくれるかしら?』
「それは…」
私は話した
会社が突然倒産し仕事が無くなったこと。
それと同時に彼女と別れたこと
お金も彼女にほぼ全て使われておりなにもできなくて
かと言って仕事もすぐには探せなくて、どうしたらいいか分からないことを話した。
『まぁなんて酷い彼女。』
「それに気づかなかった私も私ですけどね…ハハ…」
もう笑うしかない…
『…あら?あなた、居ないのね』
「…まぁ、はい」
この世界には不思議な生物いるらしく、ほとんどの人がその生物を使いとして従えている。
使いは従えた本人にしか見えないが、一応見せることも出来る
その生き物にはそれぞれ能力がありその強さによってランクがある。
この世界では使いは就活などでも大事で、いるのといないとではかなり差ができてしまうのだ。
『ふーん、まぁ私はいようがいまいが気にしないけれど』
『まぁとりあえずわかったわ』
「…?」
『あなたに聞くわ』
「はい」
『このカードの中から好きなものをひとつ選びなさい。』
「カード…?」
『それによってどうなるか変わるわ』
「えっと…………」
これは直感でいいのか…?
『どれでもいいわ、どれかひとつあなたがいいと思ったものを引きなさい』
「…………あ」
自然と手が伸びる
そしてカードをめくった。
目を瞑った猫が両手で星が描かれたコインを持っている絵
『それね』
「…はい」
『わかったわ、そうね…』
このカードになんの意味があるのだろうか…?
『5日後…』
『倒産した会社の近くに行きなさい。』
『そして、財布を渡すの』
『その後は近くの公園に行くわ。』
『…その後はあなた次第よ。』
「……??」
何故だか頭にとても残る
ただこれは絶対に忘れてはいけないと、何となく感じる。
『今の言葉、忘れないように。』
『対価はあなたの一番大切なもの。』
『明日の深夜2時、またここに来なさい』
『その時に対価を払ってもらうわ。』
その言葉を聞いた瞬間、突然めまいと頭痛が襲ってきた
目が覚めると見なれた天井
いつの間にか気を失って家に戻ったようだ。
あれは夢だったのか?そう思ったがその考えはすぐに砕かれた
手元にあの時引いたカードがある
…あれは夢じゃない、本当にあったことだ。
「…1番大切なものか」
部屋の中を探し回る
…違う、違う、違う、これじゃない
1番大切なものでは無い。
自分にとって一番大切なものはなんだ?
考えてもわからない…
約束の時間が迫っている
深夜1時半。
準備をしながらも考えるがわからない…
気がつけば周りはものでめちゃくちゃになっていた。
突然机の上に置いていカードがヒラヒラと落ちてゆく
そして落ちた先には………
「…!」
「見つけた…これが1番大切なものだ…」
なぜだろう、上手く思い出せないが…私はこれが1番大切なものだと感じた──
午前1時58分
私は昨日と同じ道、行動をしてあの不思議な森へ着いた
昼はあんなに美しかった森は今じゃどこにもいない
光はひとつもなく、どこか不安になるようなとても不気味な雰囲気を放っている
心臓がバクバクとなっている、どうやら私は緊張しているようだ
それを煽るように背筋が凍る不気味な風がヒュー…と音を立てて全身にまとわりつく。
「本当にあの人いるのかな…?」
後ろからだ
不安と緊張があったからか突然の音で腰が抜ける
「ヒャッッ」
…情けない声である。
『約束通り来たのね』
声の主はあの時の占い師だ
その心地よい声を聞いた瞬間、さっきまで感じた不安や緊張は解け安心のみが残った
「ほっ…」
つい安堵の息を吐く
『そうね…ここは昼と夜じゃ違うから慣れてなければとても怖いわね』
『それで、1番大切なものは見つかったかしら』
「あ…」
あまりにも怖くてここに来た理由を忘れていた
「はい」
そうして渡したのは…
『これが本当にあなたの1番大切なものね?』
「はい…何故だかそれが一番大切なものと思いまして」
『そうね、これは…』
渡したのは一つの手鏡。
『これがあなたの1番大切なものね?』
「…はい」
『わかったわ、対価として受け取りましょう』
『それでこの鏡を見てふと気になったのだけど』
「?」
『あなた…この鏡について何か忘れてないかしら?』
忘れている…?
そういえば…昔この鏡に関することがあったような……
『やはり忘れているのね』
「そう…みたいです」
『まぁ、どうせならそれ思い出させてあげましょうか?』
「…いいんですか?」
『いいわよ、というよりこの子がそう言ってるのでね。』
…?この子とは誰だ?
他に誰も見当たらないが…
『それじゃあ…私の使いで思い出させてあげる』
「…?」
突然頭痛が襲ってきた
とても立ってられないほど。
「うっ……」
『頑張りなさい』
頭痛に耐えていると何かが浮かんできた
これは……
この記憶は………
私が7の頃、誰かからある手鏡を貰ったことがある。
その人は優しく私にこういった
『おやまぁ可哀想に…この手鏡をあげよう』
『寂しくなったら鏡に向かってこう言いなさい』
『お話聞いて 私の願い』
私は周りと違い使いがいなかった
その事で両親は周りから陰口やいじめなどを受けて私のことを責めた。
『なんでお前には使いが居ないんだ』
『お前のせいで私の人生はめちゃくちゃだ』
毎日両親からは暴言を吐かれ
ご飯もろくに食べれなかった
周りからもいじめられ味方なんてどこにもいなかった
そんな時にあの人から鏡をもらってからは少しだけ心が楽になった
限界になりそうになったらこっそり鏡に向かってこう言うんだ
「お話聞いて 私のお願い」
そうすると鏡から声が聞こえる
『どうしたんだい?話を聞いてあげよう』
そうしてその鏡と話していると気持ちが少しだけ楽になった
不思議なことにその鏡に何かを言うとそれが叶った
「…お話聞いて 私のお願い」
『どうしたんだい?』
「あのね…お腹がすいたの…」
「でもご飯もらえないの…」
『なんて可哀想に…僕が何とかしようか?』
「できるの…?」
『明日になったら机の上を見てごらん』
「わかった…」
そうして次の日机の上を見るとご飯が用意されていた
そのことを鏡に言うと
『お腹はいっぱいになったかい?』
「うん!美味しかったよ!」
『それは良かった』
『他に何か話したいことはあるかな?』
「じゃあこの前のお話していい…?」
『うん、なんでも話してごらん』
その鏡は嫌がることも無く、むしろ私の話をずっと聞いてくれた
私の唯一の理解者
そして唯一の話し相手だったからか鏡と話すのはとても楽しくて、ずっと話していたかったが
これが周りにバレたらダメだと思い1人の時にだけ使っていた
でもある日いじめっ子に鏡のことがバレてしまった
『なんだこれ?鏡?』
「か、返して!!」
『はぁ?wこんな鏡が大事なのかよww』
『返して!!!!!』
『使い無しなんかに渡すもんはありませんーwww』
『今日からこの鏡は俺のもんだよww』
その言葉を言った瞬間──
突然地面が揺れた
地震かと思ったが何かが違う
いじめっ子のいる場所だけが揺れていた
そしてそいつは私を見て何やら怯えていた
いや…正しくは私の後ろを見て怯えていた
それに気づいて私も後ろを見たが何も無かった
不思議に思っているといじめっ子が鏡を放り投げ、泣き叫びながら逃げていった
慌てて鏡をキャッチしようとしたが間に合わなかった
…と音を立てて地面に落ちた鏡を確認したが、傷どころか汚れすらどこにもなかった。
確かに今強く地面に落ちたはず
たとえ傷がなくても土で汚れるはずだがそれすらも見当たらなかった
「なんで…?」
そうすると突然鏡から声が聞こえた
『僕を傷つけることができるのはあなただけです』
『…僕はあなたを護ります。』
今まで無かったこと
鏡から話しかけられたことは初めてでびっくりしたが私は話した
「どうして傷がないの?」
『僕は持ち主以外には傷つけられないようになっているんです』
「じゃあ…」
「…なんで今まで護ってくれなかったの?」
気がつけば涙が溢れていた
『それは…』
『もっと前から護りたかった。』
『でも僕は、最初はただ話すことしかできなかったんです』
『けれどあなたと話しているうちにだんだんと力がついていき』
『食べ物を用意するという行動などができるようになりました』
『そして今…ここまで力がついたのであなたを護ることができるようになったのです』
「…そうなんだね」
「じゃあさっきの揺れは鏡がしてくれたの?」
『まぁ、そんな感じです』
「じゃあ…」
「なんであの子は怯えていたの?」
『…私の姿を見たからでしよう』
鏡の姿
私は今まで鏡の姿を見たことは無い。
「そんなに怖いものなの…?」
『いえ、僕は相手の心によって姿が変わります』
「??」
『そうですね…まぁ一言で言うなら彼らの心が醜いってことですね!』
鏡は笑いながら言う
「そ、そうなんだ…?」
『…僕の姿、見ますか?』
「…うん」
そう答えると鏡から突然輝く
思わず目をつぶった
『…目を開けてください』
恐る恐る…目を開いた
そこには、鏡の姿があった
「わぁ…!」
『…あなたにはどんな風に写っていますか?』
「…とても綺麗だよ!」
その日からそのいじめっ子たちは余程鏡の姿が怖かったのか私から逃げるようになった。
どうやら後ろに鏡の姿が見えるらしくそのおかげか私へのいじめはなくなった
鏡の姿がどう見えてるかは知らないが、周りは私に優しくするようになった(少し怯えているようにも見えるが…)
両親も人が変わったように、やけに私に優しくしてきた
気味が悪いくらいに。
『…思い出したかしら?』
「はぁ……はぁ……」
そうだ、あの鏡に昔助けられていたんだ
…でもいつから私はあの鏡のことを忘れていたのだろうか。
「でも…なんでそれを?」
『あなたは、昔この鏡に助けてもらっていた』
『…私の占いであなたは助けられる』
『そして、その後も…ね』
『…それにあなたはこの鏡がなくても選択によるけれど生きていけるわ。』
「そう…ですか」
少し悲しいけれど…私が今まで忘れていた分、鏡はもっと悲しかったり寂しかったりしていただろう。
だから彼女が変わりに新しい持ち主になってもらう方がいいのかもしれない…
『そろそろいいかしら』
「…はい」
『それじゃあ』
『さようなら』
その言葉を聞いて、また私は気を失った。
目が覚めるとまた自分の部屋
「不思議なものだな…」
とりあえず、まずはご飯を買いに行かないと
貯金や給料はほとんど彼女…いや
元彼女に使われていたから節約しなくては…
やはり働くところがない。
探そうにもそもそも使いがいなければ面接を受けることすら出来ない、バイトでもだ
まぁ、そりゃそうか
今の時代使いが居ない人は100万人中1人いるかいないかだからなぁ
それどころか使いになる生き物すら見えない人もいるから…
私はまぁ…あの鏡の姿を見てからそのような生き物がギリギリ見えるが、私でもあのような扱いだ。
見えないとなるともっと酷いのかもしれない…
私が働けていたのも奇跡に近いな、まぁその会社も倒産して無くなったのだが
「…あと3日」
あの占い師が言った日まで後3日
一体あの会社の近くに何があるのだろう?
3日後
「…よし、行くか」
何があるかは分からないが、私にはこれしかない。
「…少し久しぶりだな、ここに来るのは」
なんだったか…確か…
ドンッ
「あ…!」
「ご、ごめんさ…」
『あ゙ぁ??』
『にいちゃんどこ見て歩いてんだ?』
「ヒェッ」
あきらかにヤのつく人だ…やばい
『ど こ 向 い て 歩 い て ん だ って聞いてんだよ?』
「あ、えっと…ご、ごめんなさ」
『謝罪は求めてねぇんだよ!』
「ひぇっ」
最悪だぁ…………
『てめぇは俺の使いで絞めてやるよ』
あ……終わった
た、助けは…無理か…こんな私を助ける人など…
突然パトカーの音が聞こえる
『やべぇ!!!』
た…助かった…誰か警察を呼んだのか
…?おかしい、パトカーの姿が見えない
あの男が去った途端パトカーの音が消えた。
『大丈夫ですか』
「え、あ、まぁ…はい」
『よかったよかった』
『気をつけてください、ここら辺はァ結構いるので』
「エッあ…はい」
知らなかった…いつも寝不足だから周りの様子を気にする余裕がなかったな
『では』
去り際、その男はあるものを落としたが、気づいていないようだ
「…ん?あの!すみません」
『?……まだなにかありました?』
「財布……落としましたよ」
『え?あ、まじだ』
『ありがとうございますぅ』
「いえいえ…助けてもらったのでこれくらいは…」
『いやぁこの財布の中には大切なものがあるのでほんとによかっ……』
──その時
その男のすぐ後ろに何かが降ってきた
どうやら倒産した会社の看板が外れて落ちてきたようだ
もし…私が財布を拾ってこの人に渡して止めていなかったら──
この人はあの看板の下敷きになり死んでいたかもしれない。
『うわっ!!!!』
「大丈夫ですか!?怪我は!?」
『だ、大丈夫だ』
『しかし…もし君に財布を拾ってもらわずこのまま歩いてたとするとゾッとするね…』
『このビルから落ちてきたのか…』
「無事…よ、良かった…」
『いやはや君は私の命の恩人だねぇ!』
「そんな…そうか…命の恩人か」
『なにかお礼をしたいのだが…何かあるかね?』
「えっと…」
『うーん、ここじゃあれだな』
『近くの公園で話さないか?』
財布に公園…!あの占いの通りだ…
「は、はい」
『それで、君は今なにかしているかい?』
「あ、いえ…実は会社が倒産しまして…」
『なんてこったい、それは大変だね』
『仕事は見つかったのかい?良かったらいいとこ探すけど』
「いえ…見つからないというか…できないというか」
『できない?それはどういう…怪我でもしてるのか?』
「あー…いえ…その」
「その…私…」
「使いがいなくてですね…」
『あぁなるほどね!だからみつからないじゃあなくてできないのか!』
『あ、じゃあ君僕のとこで働かない?』
「え?」
『あーーー…でも内容が内容だから断ってもいいよ!それなら働ける場所教えるし!』
「な、内容とは?」
『あー言ったらあれだけどぉ』
『僕…マフィアのボスって言うのかな?それやってるだよね』
「…………………………………」
「え?ま、まふぃ……え?」
「え!?ちょそんな人が普通にいていいんですか!?バレません!?」
『あー大丈夫僕の使い優秀だから消せる』
「あ…そうか使いの力使えばいけるのか…」
『だからまぁ…そういう仕事なわけね?』
「え、そういう仕事なら使いがいる方いいんじゃないですか…?」
『あ、いや僕ねぇ君みたいな人救いたいと言うかなんだろーねぇ』
『使いがいないからこそいいと思うんだよ』
「どういう…?」
『だってみんな使いの力頼りで生きてるじゃん?それより使い無しで生きてきた人の方がいいと思うんだよォ』
「な、なるほど」
「でも私なんも力なくて…仕事できるかどうか…」
『あー大丈夫!僕のとこねぇそういう人多いからさぁ』
『物あるし安心していいよ』
「物…?」
『まぁ使いみたいな力を借りれるって言うのかな?助けてくれるよー』
「…!」
もしかして…あの鏡みたいなものなのか…?
『でーどうする?僕のところで働くかぁほかのとこ行く?』
正直…そういう仕事が怖い
でもせっかくのチャンスだ
1度試してみるのはいいかもしれない。
「…働いてみたいです」
『おっけ!じゃあ着いてきてー』
『さてと使いくんこの人も頼むよぉ?』
「え?」
【キュイッ!】
「!?!?!?」
『あ、この子が僕の使いね』
『可愛いっしょー』
「え、あ、はい」
『ちなみに能力は簡単に言うと隠す事ね』
『逆に言えばそれしかできないね★』
「な、なるほど」
(こんな人がボスできるのか…いや逆にこれだからできるのか…?)
『はい着いた』
「えいつの間に!?!?」
『じゃあー物は何にする?』
「何…うーん」
何にしよう…
「何があるんですか?」
『あーいやぁ…』
『これ直感とかで選んだ方がよく使えるのよぉ』
「…?」
『まぁなんだろう』
『強そうだから、便利そうだから、使いやすそうだからとかいう理由で選んでも上手く使えないものなんだよね』
『道具としか扱ってないからね』
『ただでさえ今の時代さぁ使いを道具として扱ってる奴らしかいねぇんだもん』
「な、なるほど」
(じゃあなぜ物呼び…)
『あ、今じゃあなぜ物呼びなんだって思ったでしょ』
「うぇっっ!?」
『持ち主がいなかったらいくらすごくても価値がねー』
『価値のないものは道具ですらない、ただの物だから』
さっきまでの雰囲気と違い、その言葉は静かで重く圧を感じた
この瞬間この人は本当にボスなんだと実感する
『で、どれ選ぶ?直感で選んでねー』
「ひぇっ、はい」
(な、なんなんだこの人は…よく分からない人だ)
沢山ある物
形は様々で、ブレスレットや指輪などのアクセサリーの他にノートだったりペンだったり…
その中で1つ気になったもの。
それは…
「…これだ」
『おっそれか!いいねぇ』
それは、手鏡
それを見た瞬間とても気になり、そしてなぜだか懐かしく感じる
昔貰った鏡とは見た目も形も違うのに…
「この鏡、いいですね」
『よし!物も選んだことだし、早速仕事…の前に先ず鍛えよっか』 「ゑ?」
『まぁね?少しは鍛えとかないと仕事によっては…死ぬから』
「ひぇっっっっ」
や、やって行けるのかな………
『はぁ…はぁ…はぁ……』
クソッ!なんでこの俺がこんな目に…
元はと言えばあのゴミが裏切らなければ!!!
『もっと…遠くに…』
「はぁい、はいはいそこまでー」
『なっ!?』
くそっまだ居たのかよ!!
「逃げすぎじゃなあい〜?」
『クソが!!おい使い!!さっさと働けよ!!』
「あーぁ、そんなふうに使っちゃあ……ダメじゃないか。」
『ひっ!?』
「使いを道具みたいに使うやつは……」
「ねぇこれ、何かわかるよね?」
『な、なんだそれ、は』
「これね、君の本当の姿」
「こーんなにちっこくてしょーもない人間なんだよぉ?わかる?」
「その使いも可哀想に、こんなのに道具みたいに扱われて……」
「こっちにおいで、そんなやつよりこっちに来ればみんなが大切に使ってくれるよ」
「……ふふ、いい子だね」
『てめぇ!!!俺の使いを!!返しやがれ!お前も何そっちに行ってんだよ!俺の使いなんだから黙って俺の言うこと聞けばいいだけなんだよ!!!』
「はぁ……」
「俺はてめぇなんざどうでもいいんだよ」
「だがてめぇみたいなゴミに乱暴に扱われる使い…この子達が可哀想なんだよ」
「てめぇが使いを使ってんじゃなくて使いがてめぇを使ってんだよわかる?」
「使いは道具じゃねぇんだよわかる?わかるかな?わかんねぇよなぁ!!!」
「ついでにお前はボスに隠れて好き勝手やってたし?」
「まぁ、どんな目にあうかは…わかるよね」
『なっ……』
「所詮君はこの子がいなくては生きていけないしょーもない人間…いやゴミか」
「てことで後はよろしくー♪ 俺ボスのとこに報告するしそもそも得意じゃないから」
『あ、あぁぁ、、』
『ぁあああぁぁあぁぁあああぁああ!!!!!!!!!!』
「ゴミでもいい悲鳴は出すんだな」
「って感じでやってきましたよボスー」
『な、なんか君いつも思うけど昔と全然違うよね』
「あーなんかわかります」
『なんかわかります…?』
『昔の君は死にそーな顔して絶望のど真ん中!って感じだったのに』
『……ほんとにその鏡のせいじゃないよね??』
「ちょっとーボス」
「鏡のせいにするのはやめてくださいよー?」
『(な、なんかホントすごい成長したな)』
『(本当は会社員よりこの世界の方が向いてたんじゃ…)』
「で、そういえばまた保護したんですけどこの子どうします?」
『またぁ??まぁいいけど、で今度はどんな能力持ちかな』
「…君はどんな能力を持ってるの?」
「………凄いじゃんか、今まで大変だったでしょあんなのに使われちゃって…」
「なんか相手の弱点がわかるっていう能力ですって」
『…君ホントすごい子見つけるよね』
「そうです?」
『この前だって好きなものをその場に出せる能力持ちの子連れてきたじゃん』
「あーあの子ね!そういえばそうでしたね」
『…ほんと君の鏡はすごいね』
相手の本当の姿を映す能力
「まぁでもほかのみんなみたいにそういうことはできないからねぇ」
『てか…人の使いを連れてくるのってほんとに鏡の力じゃないんだよね?』
「なんか優しく言ったら来るんですよね」
『(これこそ才能か……)』
『じゃあ、次もよろしくね?』
『哀憐 空鈴くん』
「もちろんですボス、この身を捧げてまで。」
【どうー?どうなってる?】
『……彼はいい選択をしみたいね』
【そうなんだ、よかった】
『まさか彼にあそこまで才能があるとは思わなかったけど。』
【僕もびっくりだよ、なんとなく得意だろうなとは思ったけどたった数ヶ月であそこまで行くとは】
『まぁ彼はこのままで大丈夫ね、崩壊することはないわ』
『さてと………』
次のお客様を救いましょうか。
哀憐 空鈴(あいれん くうり)
29歳の男性
過去に周りの人や両親からもいじめられていた過去を持つ。
しかしある時であった人物に貰った鏡により何度も救われる
いつからかその鏡のことを忘れてしまったが、ある会社に奇跡的に受かり今まで社畜のように働いていたが倒産してしまい仕事が無くなった
彼女もいたが実はお金目的で付き合ってたことが倒産したことにより発覚しさらに突然のNTRに脳が破壊されついでにお金は使われほぼ残ってないため人生の絶望に堕ちた悲しき社畜
実は裏の社会で生きていける才能があり、ボスすらも若干彼の才能に恐れている
ただやはりこれはこれで忙しいため未だに目の下のくまは消えない
社畜時代
※飲んでるのはエナドリです
【作者からの感想】ふつーにイケメンなんだよねこれ
【ちなみにキャラメーカー作】
現在の姿
【作者からの感想】鎖骨ッッ赤眼ッッピアスッッネイルッッその他もろもろ!性癖ですありがとうございました(?)
【同じキャラメーカー作】
噂の占い師
名前 夢見 古狐(ゆめみ ねこ)
噂になっている占い師
特殊なフードをつけており特定の人の前以外では彼女の姿、匂い、存在は全て感じなくなる
この世には存在しないはずの森の中に使いと共に住んでおり
今まで救ってきた人をたまに確認してはまた人を探しに行く
なぜその結末が分かるかは彼女の使いの力である
見た目
【作者の感想】美しい!!可愛い!!最高ですありがとうございます(?)
※こちらはAIで作ったものです
夢見の使い
夢見の使いは彼女にしか見えない
名前 クロック・ドリームキャット
【能力】その者に合う未来を見つけることができ、そしてその者を特定の場所に返したり忘れてしまった記憶を呼び起こすこともできる
ちなみに最初、森に来た哀憐を夢見のとこに呼んだのもこの子です
見た目
【作者の感想】ふつーに見た目好きです獣耳最高!!!!
※こちらもAIです
鏡(1番大切なもの)
昔謎の人からもらった鏡
持ち主以外が使うことはできず傷つけることすらもできない
更には持ち主でも意図的に壊さない限り傷ついても治る
喋ることで鏡は力をつけていき現実世界にも力を出せるようになる
その力で哀憐を守っていた
しかし実は力が強すぎるため鏡に封印されていた昔の生物で、さらにとても人懐っこく持ち主になればどんな手を使ってでも守るが、持ち主を傷つけたやつには最大の敵意と殺意を向けるため危険
つまりあの時いじめっ子たちの周りに地震を起こしただけで傷つけたりしなかったのはまじでラッキーってこと
そして守るがために力を使いすぎないためと、哀憐が1人でも生きていけるようになった頃、鏡は自分のことを忘れさせた
けれども忘れさせても実は後ろで哀憐のことを静かに見守っていた
しかしまた絶望になった時は助けたいと思っていたため今回の件で夢見に頼み思い出させた
鏡(現在使っているもの)
精神攻撃が得意な鏡
喋ることは出来ないが相手の弱みや、本当の姿を映し出すことが出来るため戦闘はあまり得意でない哀憐にはピッタリな鏡
いつも哀憐はこの鏡を使って対象を脅したりなんだりをしてます
倒産した会社
使いがいなくても働けた唯一の会社、しかし使いがいない者を働かせているとして評判などが下がっていき仕事も多くなり哀憐を立派な社畜にしてしまったが結局倒産した
謎の人物
哀憐に鏡を渡した謎の人物
話が進むと秘密が開放される…!?
【最後に】
どうも作者です、まだこの話は続く予定ですけどネタが無いので一旦ここまで!
まぁどんな話かはだいたいわかったかな?
もしもネタが思いついたらまた書いていこうかなーー
ちなみにタイトルは仲良い人が考えてくれましたもうまじ天才だわあの子()
もし他の設定や気になることがあったらぜひコメントにどうぞ!ある程度答えまする!
と言うことで本当にここまで見てくれてありがとうございました、とてつもなく不定期な作者でございますが気長に次の話を待ってくれると助かります(?)
ちなみにここは書き終わった後でさらに思いついたことを書くことがあるかもしれないけど許して()
それではここまで読んでいただきありがとうございました!!
またいつの日か!