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披露宴が終わり、来客の方たちも捌けた頃、新郎・新婦のお二人が私のところへやって来て、
「これを受け取ってください」
と、あかりさんの方から、持っていたブーケを差し出された。
「えっ、でも、私がもらってもいいんですか?」
真っ白な薔薇の花があしらわれた、丸いラウンド型の可憐なブーケに目を落とした。
「ええ、三ッ塚さんにもらっていただけたらと、彼とも話していたんです」
ウェディングブーケは、結婚の記念にプリザーブドフラワーにして手元に残される方も多いこともあって、私がいただいてしまってもいいんだろうかとためらった。
「本当によろしいんですか? 大事なブーケを」
「はい、是非に。お義父さまとお幸せになられてください」
「あっ……ありがとうございます」
お二人からにっこりと笑顔が向けられて、両手でブーケを受け取ると、
「ありがとう。幸せにするよ」
と、彼が私の腰を軽く引き寄せ、柔らかな笑みを返した……。