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何でもちゃんの研究室
今日もまた何でもちゃんは研究をしている。
「この『魔法の鏡』に入り込めばもう一人の自分に会えるはず!」
そうして、魔法のステッキを持ち魔法の鏡に入り込んだ。
…しかし、サイズが小さすぎてステッキを折ってしまった。
「げっ!ステッキ折っちゃった~…
繋げるための『速攻魔法用接着剤』結構高いんだよね~…
…えーい!こうなったら、あれを出すしかない!」
そうして何でもちゃんはボタンを押し、自動販売機を稼働させた。
…今日もまた誰かの運命が動き出すのだった。
私の名前はマキ。 24歳よ。
「今日もルイ・ヴァトンのバッグ買っちゃったー!
この前買ったばっかりなのにw」
…とSNSでは言うけれど、本当は試着しているところを撮っているだけ。
つまりは嘘よ。
でも、いいねが沢山ついて、「かわいい!」「羨ましい」
っていうコメントが付くのが凄く楽しいの!
「今日も『これでも一応メイクなしです♡』っと加工写真を…」
すると、マキの目にこんな文字が飛び込んできた。
運命自動販売機
あなたも素敵で奇妙な運命を…
手に取ってみませんか?
マキは今までにない魅力を感じた。
「な、何これ凄い!
SNSにあげたら結構バズりそうね…」
すると、販売機の中にこんな飲み物があることに気付いた。
キラキラ・フィルター・ラテ
「なにこれ!結構かわいい見た目してるのにまだSNSで見たことないわ!
一応写真を…っと。」
そして、マキはそのキラキラ・フィルター・ラテの恐ろしい値段に気づいた。
5000円
「げっ!5000円!?これだけの飲み物にちょっと高すぎじゃない!?」
でも、マキの心は5000円以上を払う価値があるようなオーラを感じ取っていた。
「…まぁ、バズるだろうし買っときましょ。」
126
使いまわしの古い財布から5000円を入れる。
ゴトンッ
取り出し口から小さい手が見えたことにマキは気付かなかった。
「おっ、出てきたわね。
もう我慢できないわ。蓋を開けて…っと。」
ゴクゴク
そうしてマキはラテを飲み干してしまった。
「ぷっはーっ! 上品な甘さがあって美味しかったわね。」
すると、自動販売機のスピーカーから雑音が聞こえていることに気付いた。
「え、なにこれ、スピーカー???」
「おっと、こりゃあ失礼。ちょっとマイクの調子が悪くてね…」
「え!?中に誰かいるの!?」
「ん?まぁ居るよ?」
そうするとマキは懲りなくスマホのカメラを開いた。
「凄いわ!手動自販機なんて見たことない!
ちょっと録画させてくれないかしら?」
「ああん!?録画だとお!?
許さないよっ!」
すると自販機の取り出し口からはコインが出てきた。
「ん?これは何のコインかしら?珍しそうだけど…」
「そいっとな!」
パチンッ
何でもちゃんが指を鳴らしたその瞬間、マキは動かなくなった。
(え!?何これ、動けない!?まだ録画ボタン押してないのに!!!)
「ちょいとうるさかったから束縛コインで少々体の動きを封印したよ。
…えーごほん。
このキラキラ・フィルター・ラテを飲むと写真映えを極めることができるんだ。
あ、見栄張りはほどほどにしときなよ。
じゃ、さらばだ。」
「あ…動けるようになったわ。
っていうか、さっき写真映えを極めることができるって言ってたわよね?
ためしにちょっと投稿してみましょ。
…まぁ、飲んだ後だけど別にいいや。」
「『今日はお買いもの!ちょっと高い飲み物買っちゃった♡』っと…
…あ、もう家に帰らなきゃ。」
そうしてマキは家に帰った。が…家というのはSNSで投稿した
広い豪邸のよう家ではなく、ボロアパートだった。
「ヤバいゴミ出しするの忘れてた!
…まあ次の週でいいか。 で、さっきの投稿はどうなっているかしら?」
その投稿を見た瞬間、マキは自分でも驚いてしまった。
「え!? 10分で一万いいね!?
すごい!こんなこと初めてよ!」
マキはこのいいねの海による快感に味を占めてしまった。
「すごい、1000万いいねもついた…
その調子、その調子よ!!!」
だが、稼いだいいねは本当の投稿によるものではなく、ほとんどが嘘の投稿だった。
そして、だんだんと違和感も増えてきた。
「いてっ!うわーっ小指ぶつけた…最悪…」
「え!?鳥の糞落ちてきた!?もうなんなの!?!?」
「あぢっ!!!あ、熱々のお茶こぼした…あちち…」
「…なんか最近、不幸なことが多くなってきたわね…
でも、不幸と幸せを合わせる為にもっと投稿!!!」
そして、当たり前のようにその投稿は1000万いいねを突破した。
「うーん、幸せだわ~!
もっと投稿しないと…」
そうマキが歩きスマホしているところに、奇妙なコメントが来た。
『もうすぐ蓄積した不幸が爆発するよ』
「…え?どういう事?
またいたずらコメントかよクソッ…」
キキーーーーーーーーッッッ
「え」
ドガシャグドーンッ
ピーポーピーポー
「はぁ、あのキラキラフィルターラテは嘘の投稿をし続けると
不幸が増え続けて、最終的には大きな不幸が訪れるんだよ。
ま、最期は意外と呆気無かったな。」
そう言いながら、何でもちゃんは現れた。
「…見栄を張るのも、意外と大変なのかもしれないねぇ…
ステッキも治ってラッキー… クククッ!」
そう不気味な笑みを浮かべながら、
地獄のような光景を背にまた自販機を抱え、どこかへ消えていったのだった…
運命自動販売機
領 収 書
20××年×月×日 ×時×分
編柄 マキ
キラキラ・フィルター・ラテ ×1
合計5000円
車に轢かれて死亡。
お買い上げ、有難う御座いました!