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「ふぁ〜〜…ねっむ……ってもう2時か」
遅くまでパソコンの中にある編集ソフトやマイクラに向き合っていたら、いまさっきまでは10時だったのにいつの間にかあっという間に2時になっていた。
「今日はもう遅いし…寝るか」
明日の撮影はいつもより遅めだし、今日はいっぱい寝ようかと思い、いつものように情報量の多いデスク画面を処理せずパタンと優しく閉じてパソコンに充電器をさしてから、廊下に出た。
朝や昼なとが賑やかなシェアハウスは俺が早く眠れるよう導いているのかと思うほど、静まり返っていた。自分の足音しか聞こえない。
(……)
俺とたっつんがいつも隣で寝ている寝室に着いた。えとさんはプライバシーのため、一人部屋だ。
俺は上下に下ろして開けるタイプのドアノブを、きっとぐーすか寝ているであろうたっつんが起きないように、出来るだけ音をたてずに握ってドアをゆっくりと開け、廊下より冷気を感じる寝室へ入った。
エアコンが程よく効いた部屋の奥に見えるのは、布団からはみ出したたっつんの足だった。別に俺はそのことを特に気にすることなく、たっつんが敷いてくれたであろう、体に負担がかからないちょっと高いマットレスに、ゆっくりと布団を被ってたっつんに向かい合わせで寝っ転がった。
「……ん…じゃぱ、ぱ……」
たっつんの体は俺の気配に気づいたのか、俺の布団の左端を、たっつんが「かっこいい」という理由で選んでいた確か…山藍摺色?の布団から腕を少し出して、きゅっと優しく握っていた。
俺は子供みたいだと、無意識のうちに思った。
「……たっつん、俺はここにいるぞ」
独り言みたいに、俺はたっつんに向かって小さな声で言って、そしてたっつんの手を片手で軽く握った。
「……」
返事は当然帰ってこなかった。すやすやという寝息しか聞こえない。
(早く寝よう)
俺はたっつんの手を優しく握ったまま、目を閉じて深い眠りに着いた。