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両腕にきつく抱かれると、離れがたい思いが湧き上がってくるようで、


「……好きになんて、ならないとも思ってたのに……」


ふと頭に浮かんだ過ぎ去った日々に、かつての思いが口からこぼれた。


「……私が、本気で好きになった女性は、あなたが初めてなので……、」


彼が言い、一旦言葉を切って、


「なので、初めて本気になった人を、私は好きにしかさせませんので」


そうして、また傲慢にも感じるような台詞を吐いたけれど、その言葉とは裏腹に、唇には柔らかで優しい口づけを落とした。


深まる口づけを受けながら、彼との付き合いがこれから本当に始まるんだと……冬の寒空の下でキスを交わしながら、私は胸が熱く高ぶるのを感じていた──。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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