こんな自分が嫌いだった
エピソード6
最終回
ーjp視点ー
花束を包んでもらって、少しゆっくりttの家へ向かった
どんな表情をするだろうか
泣いた顔、笑った顔、びっくりしている顔、照れている顔、すべてが可愛くて愛おしい
昔から表情がコロコロ変わるのが好きで、わざとからかったり、驚かせたりしていた
ここ最近のttは暗く、すごく疲れているような表情ばかりだった
本当は俺だってこの思いを隠して墓場まで持って行こうと思っていた
いつのまにか愛を閉じ込めていたはずの箱からたくさん飛び出してきて、押し込んでももう箱には入りきらないほどになっていた
ほんとは伝えたかった、でも伝えたらこの気持ちが、今の自分が、いまの関係が壊れてしまう
そう思って隠していた
そんな臆病な自分が嫌いで嫌いで仕方なかった
その愛を隠しても自分が辛いだけだって気づいた
きっと純愛だけじゃない
性的な目でも、純粋な目でも、どちらでもttを愛しているのは変わらない
貴方にこの想いを告げることが出来るなら、どんな結末であろうとも、俺はもう自分を嫌いになることはないから
ーtt視点ー
インターホンの音で目が覚めた
宅配の人だろうか
誰が来ているのかも確認せず、ドアを開けた
t「…なんで?」
jpが立っていた
罵倒でもしに来たのだろうか
でも、なんで今更?
またあの時のjpの顔が頭に入ってきて、気分が悪くなった
t「あ、ご…め、んなさ、」
謝らなくては、そう思えば思うほど口が動かなくなる
心の中ではいくらでも謝れるのに、
どうしてもこんな時ばっかり
そんなに俺が嫌いなら、気持ち悪いなら
放っておけばよかったのに
ごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめん
j「俺、ttが好きだよ」
え?
一瞬時が止まった
聞き間違いではない
はっきり好きだと聞こえた
t「俺の好きとjpの好きは違うんだって、」
t「ろくに俺の気持ちなんてわかってくれないくせに!」
からかっているのだ
そう思ってつい、かっとなってしまった
自然に涙が頬を伝った
もう苦しいんだ
本当に俺の事が好きなら、放っとくのが正解だろう?
構ってこないでくれ
自分が苦しくなるだけなんだ
t「どうせjpだって、気持ち悪いって思ったんやろ!」
t「失望したんやろ!友達だと思ってた奴に恋愛として見られてたらそりゃするやろな」
j「…」
急にjpが頭に向かって手を挙げた
殴られるのだろうか
そうだよな
こんな一方的に言われてる手が出ない訳ない
殴られる
そう思い、目を閉じて待っていた
その瞬間
唇からチュッと音がした
驚いて目を開けると、jpの唇と俺の唇が触れ合っていた
j「俺、本当にttの事が好き、友情的な意味でも、恋愛的な意味でも、本当に愛してるんだよ」
嘘みたいだ
さらっと想いを告げてくるjpのその表情と言葉に、胸が熱くなっていくのを感じた
ああ、この時をいつも夢に描いていた
むしろ、これは夢なのではないかと思った
t「信じてええの?本当に好きでいてくれる?」
j「うん。俺のこと信じて、もう苦しまないで」
嬉しくて、jpに思いっきり抱きついた
抱き抱えてくれたjpの手は暖かくて優しかった
j「あ、そうだ」
j「tt、これ」
t「花束?」
黄色やピンク、赤など沢山の色が混ざった花束
鮮やかな色の花で真ん中の黄色い花が包まれていた
t「これ、jpが買ったん?」
j「うん、どうしてもこの花束、あげたくて」
少し照れながらjpはそう言う
ああ、どうしてそんなにも愛おしいんだろう
t「jp、」
j「ん?」
t「大好き」
j「! はは、俺も」
こんな自分が嫌いだった
いつもそう思っていた
でも、貴方と一緒なら、
自分を好きで、信じていられる
そう思った
これで終わりになります
ストーリーがぐっちゃぐちゃなんですが無事終われて良かったです
ここで宣伝させてもらいます
貴方を信じて救いたいという小説を連載しておりますので、是非よかったらみてください
ここまでありがとうございました
以上、ドりンクからでした
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