夏バテ野薔薇チャン
最近暑いなー、とは思っていた。
釘「、、、ん?」
けど、繁忙期が過ぎた、夏休み後半、なんか、おかしい。
釘「あー、、、ウッ」
目の前には大好きなお寿司、自分へのご褒美に買った。だけど、数貫食べたくらいから、口に入れたら嗚咽がする。まだお腹は満たされていない。これしか食べなかったら、夜中、お腹がすいて起きてしまいそう。なのに、食べられない。
無理しても、いいことないと思い、残りは、冷蔵庫に入れても生物だから日持ちしないなと思い、虎杖達に渡そうと思った。
釘「虎杖ー、」
虎「ん、って釘崎じゃん。どったの?」
釘「これ、あげる。」
虎「え!お寿司じゃん、いいの?」
釘「ええ、食べかけでいいならあげるわ」
虎「や、勿論いいよ!けど、食べきれなかったの?」
釘「まあ、そうね」
虎「珍しいじゃん、体調悪い?」
釘「んーん、平気。あ、伏黒に分けてもいいから」
虎「おー、聞いてみる、ありがとうな」
釘「んー」
『体調悪い』なんて、思いたくない。繁忙期後、学生である釘崎らは一応の夏休みを貰った。まだ、3日しか経っておらず、やりたいことしかない。虎杖、伏黒、釘崎の3人で明後日、ショッピングにいく予定も立てた。だから、せめて、明後日までは不調が出ないで欲しい。
翌日も、釘崎は満足に食べることが出来なかった。とは言っても、世間的に見れば、少食だと思う程度で、実際、釘崎に食べられない以外の弊害は起こらなかった。
そして迎えたショッピングの日。
既に、虎杖らは待ち合わせ場所に居た。
釘「待たせたわね」
虎「お、釘崎おはよー」
伏「おはよう。ん?、なあ、釘崎、顔色悪くね」
虎「ん、ほんとだ。朝飯ちゃんと食った?」
釘「ええ、(ちょっとは)食べたわよ」
虎「そっかー、なら大丈夫か!」
伏「何かあったらすぐいえよ」
釘「ええ」
事が起こったのは、靴屋さんで各々靴を見ているときだった。
しゃがんだり、立ったりが良く起こる、ここでは、あまり食べられていない弱、貧血な野薔薇は立ちくらみを起こしていた。
虎「なあなあ!釘崎、この靴どう思う____あ、一旦座ろ?」
釘「……」
しゃがんだ釘崎の頭を撫で、落ち着かせている間、つい先日のことを思い出していた。
虎「(そういえばこの間寿司ちゃんと食えてなかったっぽいな。朝も顔色悪かったし、飯しっかり食えてないのかな。なんにせよ、辛そうだな)」
伏「2人してしゃがみこんでどうした?」
釘「………」
虎「あ、実は、__」
立ちくらみを起こして座らせた、という旨を伝えた。
伏「なるほどな。釘崎、歩けそうか?無理なら抱えてでも、一旦外出よう。」
釘「いけ、る」
虎「や、無理だと思う。後で殴っていいから」
と、虎杖が釘崎を抱え、お店を出たすぐの公園のベンチに座らせた。
釘「ごめん、なんか、1回座ったらダメだった」
虎「まー、食べれてないなら仕方ないよ」
釘「え?」
虎「ん?あれ違った?」
釘「いや、あってる、」
伏「やっぱり、朝の時点で帰るべきだったか」
釘「いや、違う。迷惑かけてごめんなさい」
虎「迷惑じゃないよ、それより、体調どう?」
釘「もうクラクラはしないわ。お腹空いた」
伏「ああ、症状的に多分夏バテだろうし、さっぱりしたものでも食いに行くか?」
虎「お!?あり!」
釘「ん、食べたい」
伏「じゃあ行くか」
勿論、野薔薇が全部食べられるはずもなく、虎杖が残りを食べてくれた。そして、その日から虎杖の健康ご飯が手作られ、3人で一緒に食べるようになったのはまた別の話。
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