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なんだかんだ愛されてんなぁらっだぁ、、!
あーそこでピクッってなったんか 確かにきん豚が泣く所想像つかんな
kyo「…らっだぁを探すぞ。」
きょーさんの放ったその一言で、
応接室内はしんと静まり返る。
cn「ちょ、流石にお客様にその言い方はないんじゃ…」
kyo「客が来たからって落ち着いてられっかよ!!」
きょーさんは声を荒らげた。
kyo「なんや?お前はらっだぁが心配やないんか?!」
cn「い、いや、そういう訳じゃ…」
コンタミさんがきょーさんの
威勢に押され、一歩退く。
きょーさんは下を向いた。顔が見えない。
kyo「俺はむっちゃ心配や。どんだけ探し回っても嗅ぎ回っても、痕跡一つ見つけられへん…」
kyo「俺は少しでも早く、らっだぁを見つけたい。はよ見つけて、今日俺らがやった分の書類やらせて、俺らが探した分怒ったって、それで、それで………」
きょーさんの声が、だんだんと
最初の威勢を無くしていく。
kyo「…もし、なにか俺らのせいでらっだぁが消えてもうたんなら、謝りたい。許されんかったとしても、せめて少しは話をしたい。」
kyo「俺らのせいやないなら、らっだぁを連れ戻す。絶対に、らっだぁとこんな意味わからん別れ方はしたくない…!」
そこまで言うと、
きょーさんが勢いよく顔 を上げた。
その瞬間、どこからか水が飛び散る。
kyo「仲間のために焦ってなにが悪いねん!大好きな仲間のために…なぁ……っ!!」
re「…ばど…………」
俺は、いや、俺だけでは無いかもしれない。
きょーさんのこの顔を見たことがある人は、
そうそういないはずだ。
きょーさんが、泣いていた。
顔をぐちゃぐちゃにして、顔を赤くして、
大量の涙を流し、泣いていたのだ。
その場の全員に、また静寂が訪れる。
しばらくして、きょーさんが自身の顔を
服の裾でゴシゴシと強く擦った。
kyo「…すまん、取り乱した…あかんな、こんな調子やったら、らっだぁを探すことすらできひん…」
きょーさんが涙声で苦笑する。
その横で、コンタミさんとレウさんが
なんとも言えない顔で俯き、
固まっていた。
緑くんだけじゃない。
全員、精神的にダメージを食らっている。
いや、食らいすぎているくらいだ。
きょーさんもずっと溜め込んでいたし、
レウさんやコンタミさんも、
平然を装っていただけで、メンタルはもう
ボロボロだったのだろう。
kr「…俺達も、同じです。」
クロノアさんが、静寂の中で声を上げた。
kr「俺らだって、同じ国の仲間じゃなくとも、立派な同盟国…いや、数少ない友人なんです。」
kr「俺らだって”仲間”です。大切な仲間を、こんな形で失いたくなんかありません。だから、ここに来たんです。」
クロノアさんがきょーさんの方を向き、
決意の眼差しで見つめた。
kr「らっだぁさんを探しましょう、全員で。」
kyo「…クロノアさん……」
その時、意外な人が声を発した。
md「…オレモサガス。」
cn「…えっ?どりみー?!」
いつの間にか緑くんが、コンタミさんの
後ろに隠れるように立っていた。
全員気づいていなかったようで、
みんなで目を見開く。
kyo「おまっ…!生きとったんか?!」
md「イヤイキテルヨソリャ。」
呆れ顔で緑くんが答える。
緑くんの目が少し腫れている。
泣いていたのだろうか。
レウさんが困惑しながら話しかける。
re「ど、どりみー…なんで急に…?」
そう聞くと、緑くんがクルッと
レウさんの方へと顔を向けた。
md「…オチコンデバッカジャ、イラレナイ。」
緑くんが発したのは、その一言のみ。
しかしその一言で、場の全員の気持ちが
ひとつになったような気がした。
tr「ねぇ、ぺいんとがきょーさんの涙でもらい泣きしてんだけど。」
re「えっ、ぺいんとさん?!」
sn「マジで泣いてる…!」
pe「うぅ”〜…きょーさん…はやくらっだぁ、見づげまじょうねぇ゛!」
kyo「いやぺんさん俺より泣いちゃってません?」
場に少しの笑いが訪れる。
ひとしきり笑った後、
きょーさんが声を上げた。
kyo「…そんじゃ今から早速、我が国の統領、らっだぁの捜索へ移る。皆、準備はいいな?」
俺らは顔を見合わせ、一斉に顔を縦に振る。
それを見て、きょーさんは満足気に
大きく頷いた。
sn「…で、らっだぁさんの捜索はどこまで進んでるんですか?」
先陣を切って、しにがみ君が質問する。
cn「人手が少なかったので、そこまで捗っていないんですが…国内の捜索、国付近の捜索、GPS、スマホの通信状況の四点を調査済です。」
cn「しかし…国内にも国付近にもらっだぁの痕跡は見つけられず、GPSとスマホの通信も、途絶えてしまっていました。」
cn「GPSとスマホの通信が途絶えた場所も特定しましたが、結局らっだぁは見つけられず、GPSとスマホはその付近の道端に放置されていました。」
cn「GPSは完全に壊れてしまっていましたが、スマホは充電切れのみのようでしたので、充電中です。」
そう言って、コンタミさんが応接室の
角へ顔を向ける。
そこには、充電コードにさされた
らっだぁのスマホがあった。
kyo「四人だけで探しとったから、盲点はあるかもしれやん。けど、俺らなりに隅まで調べたつもりやで。」
運営のみんなは、何も見つけられなかったと
少し落ち込んでいるように見える。
しかしこの朝だけで、しかも四人のみで
これだけの調査を進めたのだ。
こんな凄いことは、そうそうできない。
よっぽどらっだぁを見つけたいのだろう。
sn「…なるほど……」
kr「やはり、一筋縄では見つかりませんか…」
ここまで情報が無いとなると、
どこから調査すればいいかさえも
分からない。
re「…やっぱり、国民のみんなにも伝えた方がいいんじゃ…」
kyo「いや、それだけはあかん。絶対に。」
レウさんが提案した案を、
きょーさんが即座に否定する。
kyo「俺らだけでも結構メンタルやられとるんに、国全体があぁなったらどうなる?そりゃあ国の景気は悪くなるわ、頭領がいないからって攻め込んでくる輩も現れるわ…絶対収拾つかんくなるぞ。」
re「いや、そうだけど…まぁ、そうか……」
レウさんが、ガクンと肩を落とした。
kr「…でも、一部の国民には伝えてみてもいいと思いますよ。」
kr「例えば…門番さんとか。昨日と今日にかけてでらっだぁさんがいなくなったのだとしたら、門から出ていくらっだぁさんを見かけているかも知れませんし。」
kyo「…確かに……」
きょーさんは、うーんと頭を捻らせる。
cn「門番なら信用してみてもいいんじゃない?」
kyo「…せやな。人手は少しでも多いに限る。」
そう言って、きょーさんは
ガタッと音を鳴らし、椅子から降りる。
kyo「んじゃ、俺門番に伝えてくるわ。他は各自、らっだぁの捜索頼む。…あ、らっだぁのスマホ充電できたら、そっちも確認しといてな?なんかあるかもしれへんし。」
そう伝えると、きょーさんは急ぎ足で
応接室を出ていった。
re「…ばど、張り切ってるねぇ…」
cn「普段からめんどくさいとか言わず、あんな風にしっかり書類やってくれたらいいのになぁ…」
re「ははっ、言えてるw」
そう言って2人は笑い合う。
その時、緑くんが、あっ、と声を上げた。
md「スマホ、ツイテル。」
その一言で、俺らは一斉に
らっだぁのスマホを見る。
緑くんの言う通り、画面が光っていた。
tr「これでようやく捜索が進みそうですね。」
sn「早速中、確認します?」
pe「確認しよう、これしか手掛かり無いんだし。」
俺らの会話を聞いて、
一番らっだぁのスマホに近かった
緑くんが俺らを見て頷き、
らっだぁのスマホを操作する。
pe「…スマホ、ロック掛かってないの?」
re「あぁ、一応あると思いますけど…多分どりみーは知ってると思います。らっだぁがパスワード入力するとこ、何回も見てるだろうし。」
pe「…な、るほど……?」
少し怖いな、と思いつつ、みんなで
静かに緑くんを見守る。
その時、急に緑くんの手が止まった。
cn「…!なにかあったの?!」
コンタミさんが緑くんに迫る。
しかし、緑くんは微妙な顔をしていた。
md「…イヤ、ベツニソンナデモナイ、ケド…」
そう言うと、緑くんがゆっくりと
俺の方を向いた。
md「キノウ…ラッダァトハナシタ?」