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にゃんぱすー、5話です
二村 美晴
転校生 野崎燕は、僅か一日でクラスに馴染み始めていた。
元気な自己紹介でみんなからの注目を集めたが、それでも畳み掛けるようにみんなに挨拶を始めたのである。
野崎燕はコミュ力おばけとかいうラノベが出来るくらいなのである。
物怖じもせず、クラスの不良こじらせヤローに挨拶して、なんか仲良くなっているその姿は、まさに犬である。
人懐っこいのは分かるのだが、流石になんか危険そうな人には近づかない、という常識なんてないのだろうか?
そんな彼女について、一つ、驚いたことがあった。
えーと
家が隣らしい
え?普通に嫌なのだが?
学校で関わるくらいなら全然いいのだがプライベートは駄目である。
確かに、クッソかわいいし、犬みたいに人懐っこい、元気っ子なロリとか最高なのだが、流石に毎日登下校一緒は嫌だ。
疲れそうなニオイがプンプンする。
とっても純粋ないい子であるがために、悪意のない、うるささが心と耳を付く。
悪意がないので注意しにくくてしょうがない。可愛そうじゃん。
だから嫌なのだけれど、もっと重大な点がもう一つ。
彼女は体が弱いらしいのだが、そのせいで中学生を一年しか体験していないらしい。
病院で勉強をちゃんとしていたらしいのだが、流石に毎日勉強をしていた中学生共々と比べ、足りていないところが、あるらしいのだ。
なので、家が隣で中間テスト学年一位のォ私がァ〜勉強をォ〜?教えることになってるらしいっす〜?
嫌だ面倒くさい。
それすなわち、私のゲームやアニメ鑑賞の時間、そしてお出かけ(アキバ)に行く時間までもが削られる訳で、そんなことは絶対嫌だ。嫌すぎる。
この人生をオタクとして精一杯生きてきた私からすると死活問題である。
だがまあ、ラノベみたいな展開と思えば、と甘い考えで下校の時間になった。
案の定、彼女はめっちゃ話掛けて来るので、話ながら帰り道の風景を目で流していると、
燕ちゃんは「そういえば!」と付けて
「こないだLーbooksにいた気がするんだけどいた?私友達に誘われて行ってみたんだけど合わなくてさ、美晴ちゃんはよく行くの?」
と言った…