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『なぁ、明那がこれからもライバーをやっていける方法、一つだけあるで』
「ぇ、…?」
(不破side)
明那は俺がいった言葉に大きく目を見開く。
その表情は驚きと悲しみが入り混じった、複雑な顔だった。
「なに、それ。そんなんッ、あるわけないじゃんッっ!!ひど、ひどい!!そんなうそ、ッッ!」
『嘘じゃないで』
俺は明那を抱きしめていた手を離し、その綺麗な瞳と目を合わす。
『明那さっき、俺のこと好きって言ったやん』
「ぁ、え、…??」
『…なに、明那は俺のこと好きやないん?』
「へ、あ、すき、やけど…っ、…」
『んはは、そっかぁ』
これでもう、言質も取れた。明那は俺から離れられない。
逃さんで、明那。こんな千載一遇の大チャンス、俺が易々と見逃す訳ないやろ?
明那、可愛くて可愛くて、かわいそうなあきな。
こんな俺に捕まるなんて、なんて可哀想。
あぁ、でもごめんな。俺は絶対明那のこと逃さんから。
そのためには、まず。
「ん、ぁ、ぇ………?」
俺のフェロモンは、他のアルファと比べてもずっと強い。それに対して良い思いを持ったことはなかったけれど、……。
ブワッッ
「ゃ、なに、これ、…?」
フェロモンを全開で放出する。
俺のフェロモンは、例えベータでもクラッと来てしまうほど強力。
それをオメガが、しかもこんな近距離で受けてしまったら。
「なんかへんな、…ふわっ、ち…?」
苦しそうに息を吐きながら、俺に倒れ込んでくる明那。
『明那の悩み、明那と俺が番になれば全部解決やん。そうやろ?』
あ、聞こえてないか。
そう呟いた後、俺は反気絶状態の明那を姫抱きにし、寝室へと連れて行った。
なんて可愛いんやろう。俺がどんな腹黒い思いを持っているかも知らずに、泣きついてきて、まんまとその罠にハマっちゃってさ。
明那の騙されやすさはめちゃくちゃ可愛いけど、もっと警戒心持たせんとなぁ……
まぁ、俺が言えたことでもないか。
俺のフェロモンが充満した部屋で、思う。
あきな、可愛い、かわいいなぁ。
もう逃げられないね。
あそこで、俺に助けを求めなければよかったのに。
まぁ、あんな極限状態で助けを求めるなっていう方が無理な話か。
そう思いながら、未だ目を開かない明那の頬を撫でる。
まさか、こんなに早く明那が手に入るなんて思いもしなかった。
どうやら神様は俺の味方についてくれたらしい。
とにかく、もう明那は俺の手の中。 残念やな、明那。
親友やと思ってたやつに抱かれるなんて。