テラーノベル
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ソファで正座をして若井を待つ。そう長くない時間であるはずなのに果てしなく長く感じる。冷や汗が止まらない。
なぜか元貴はあれから一切口を開いていない。僕も今口を開ける状況ではないのだけれど。
…若井、やっぱり怒ってるよね。約束を守れない僕に幻滅しないかとても不安で仕方がない。
若井に見放されたら、僕………。
元貴の家のチャイムが鳴る。
「…っ」
恐る恐るドアを開けると、肩で息をする若井がいた。
髪が目にかかり表情はよくわからない。
「あの、若井…、ごめっ」
すると突然若井に強く腕を引かれる。
「わっ、ちょっ…!!」
「……帰るよ。」
「ま、まって、荷物!」
「そんなのもういいから。」
若井は車のドアを乱暴に開けると僕を助手席に無理矢理押し込む。
「ねぇ、何か言うことあるよね。」
「約束、破ってごめんなさい…」
「…元貴と何してたの、昨日」
「へ、変なことは何もしてない!キーボードのアレンジに行き詰まってるって言うから元貴の家で考えることになって」
「へー……で?完成したの?」
「し、してない」
「は?じゃあ何してたの朝まで、連絡も無しに」
「寝落ちしちゃって…」
「…なにそれ怪しすぎるでしょ」
「本当に、何もないって!」
「最近元貴と妙に距離感近いなと思ってたんだよね」
「そーゆーのじゃないの!」
「ふーん、じゃあスマホ見せてよ」
「…やだ」
本当はいけないんだろうけど、実はたまに若井の隠し撮りをしてるから若井に写真を見られたら恥ずかしすぎて死んでしまう…!!
それに、隠し撮りだから本人になんて言われるか…!
「いや無理、見るから」
「あっ…!!ちょっと!」
「どーせパスワード俺の誕生日か123456とかでしょ」
やばい、パスワード若井の誕生日に設定してる!!
「当たってんじゃん笑」
「ねぇ、返してよ…!!」
「………………無理」
「若井!!」
「………………ねぇ、このメールは何?」
「………………………………へっ?」
いわゆる捨てメアドで届いた一通のメール。
『楽しかったね♡』の一言に添えた画像には…
……誰かに押し倒されいわゆる正常位で繋がる僕の姿があった。
結合部をアップで撮影しており、白く粘度をもった液体が泡立つ生々しい様子がよく見えるが、僕の表情は若干ピントがぼけているのかよく分からない。
…いつ??誰が??そもそも本当に僕と???
…若井ともまだそういったことはしたことないのに?
冷や汗とも脂汗とも言えない変な汗が止まらない。動揺で目が泳ぎまくっているのが自分でもわかる。やましいことは何もした覚えがないのだけれど。
「…な、なにこれ……」
「は、こっちのセリフなんだけど。説明してくれる?」
「僕は本当に心当たりがないんだって!!!ほら、AIとかを使ったイタズラだよ!!きっと」
「この期に及んでまだとぼける気?…俺のこと本気じゃなかったんだ。いままで他の人とも遊んでたってことでしょ、ただの淫乱じゃん」
「いっ…!な、なんでそんな酷いこというの!」
今まで若井は僕にそんな酷い言葉を吐くことなんてなかったのに。やばい、視界が潤んできた。
「…酷いのはどっちだよ。純粋なフリして色んな人に愛想振りまいて簡単に股開いてたんでしょ」
「なっ…!!」
違う、違う違う違う!!!
僕は若井ともしたことがないのに!誰彼構わずするわけないし、したくないのに!!
早くこの誤解を解かないといけないのに焦りで上手く言葉が出てこない。
自分の口下手さに腹が立つ。
「それに、ココ。ここにホクロがあること知ってるの一緒にお風呂に入る俺だけなんだけど?やっぱAIとかじゃないでしょ」
そういって若井は僕の内股の際どい部分を撫でてくる。
「んっ…!ゆ、指!!当たってるから!」
「当ててんの」
そのまま若井は睾丸の裏側を焦ったく爪でカリカリと刺激してくる。
「んんっ…♡や、やめ」
「ははっ、敏感過ぎでしょ。誰に開発されたの?…こんなことになるならこんなに時間をかけずにもっと早く俺が開発しておけば良かった。涼ちゃんはきっとウブだしそうゆうことに慣れてないと思ってたから大事に大事にしてきたのに。」
「だから…!ちがっ「ちょっと黙ってて」」
若井は自身のベルトを外し、僕の口に当てがうと車のヘッドレストに一周させてそのまま猿轡のように固定した。上体を動かせなくされたため目とうめき声で不満を示す。
「んー!んんぅーー!!」
「悪いコトするからそーなるの。全部自業自得だからね、淫乱さん?まさか涼ちゃんがそんなことするなんて思っても無かったけどさ。とりあえず、家帰るよ。淫乱には拒否権ないから」
「ふー、ふっ…んんーー!!」
若井は車を急発進させれると明らかに法定速度を無視した運転で僕たちの家へと急いだ。
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………………
……
マンションの駐車場に着くと若井はベルトを一度外しもう一度僕の口に付け直すと僕を片手で肩に担ぎそのままエレベーターへと向かう。
すれ違う人の視線が痛い。
若井は無言で玄関のドアを開けると乱暴に閉め、そのまま急足で寝室へと向かい僕をベッドに雑に放り投げた。
「っ!」
「…いろいろ考えたんだけど。性欲を自制できない淫乱さんにはこうするべきかなって。…いつか使ってみたいと思ってネットで衝動買いしたけど、冷静に考えたら涼ちゃんに使うのは可哀想だと思って引き出しに眠ってたヤツがあるんだよね。」
…なんのこと?若井が何考えてるか分からない、怖い。
「んんーーっ!!!んーんー!!」
恐怖心のままに首を横に振るが、若井は気にする素振りさえ見せない。
「涼ちゃん」
「んぅ…?」
「…涼ちゃんのこと、俺が上から下まで全部管理してあげるからね。ほら、早くパンツ脱いで」
コメント
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1話の最初に追いついた!! 続き楽しみに待ってます❤