大樹「それで千空…誰から復活させるんだ?」
千空「あぁ?どうせ全員叩き起すんだ、誰からでもいいわそんなもん」
大樹「…そうか 」
その瞬間、大樹の横顔がほんの少し沈んだように見えた
『…あ』
そういえば、大樹が復活した日に、千空は言っていた__
“ 杠に言うって決めた男が志半ばで、 踏ん張れねぇわけねぇ ”
“ 杠 “__きっと大樹が復活させたい子なんだ
だとしたら千空、気づいたげて…
そう思って千空の方をじーっと見た
大樹の表情とその視線に気づいたのか、千空はこう言った
千空「あ゛ー…最初の人間決めんのめんどくせぇな〜…?
大樹、てめぇが選べ」
大樹「…!ありがとう、千空!」
大樹「答えはもちろん、決まっている…!!」
大きなクスノキの下で、
大樹はゆっくりと石化した少女__杠の前に立った
その横顔は迷いも不安もなく、ただひとつの決意だけが宿っている
大樹「…ついに来たぞ、このときが…!」
そうつぶやき、復活液の入った器をそっと傾けようとした__が、
大樹「まて、千空、ゆう!杠は…裸だァァァァっ!!!」
焦るように大声で言ったあと千空の両目に目潰しをくらわせた
『アーッ!!?!千空ー!!!!』
私女の子でよかった…!!!男だったら目潰し食らうところだった…
千空「また非合理的なこと言い出しやがった…誰も気にしねぇよそんなもん…!!」
変なくだりをしながら杠に服を着せるため大樹は杠をもちあげた__その瞬間
__グルルルルル……
森の奥から、低く地響きのような唸り声
『んぇ……?なんか今、変な音しなかった…?唸り声的な…』
千空の表情が一瞬で険しくなる
千空「…!待て!デカブツ!!」
大樹「え?な、なんだ千空?」
バキバキッ!!
茂みがはじけ飛び、
黄金の毛並みをまとった巨大な影が姿を現す
大樹「……!!!」
『で、でっっっか……!!!???』
千空「退くぞ!!大樹、ゆう!!死ぬ気ならそこで固まってろ!」
『い、いやいやいや!?死にたくない死にたくない!!
死ぬ気ないからぁぁッ!!!』
大樹「なぜ日本にライオンがいるんだ!?!」
千空「んなもん、出処は動物園以外有り得ねぇだろ!!!」
私たちは全力で森の奥へ駆け出した
風を切る音
後ろでは、ライオンの爪が地面を抉る音
『せ、千空、これ絶対追いつかれるってぇぇぇ!!!』
荒い呼吸の中、森を出た先に崖があり、私たちは下へと落ちる
幸い木のツルに絡まることが出来た…が、ライオン達はまだ後ろから着いて来ている
ダメだ逃げきれない…!
大樹「…千空、ゆう、逃げきれないなら一か八か…!前に見つけたんだ…」
私たちが進んだ先にいたのは__
威厳すら感じる姿勢で石化している青年
まるで王みたいだった
大樹「” 霊長類最強の高校生 獅子王司 ”…!」
『…うっひゃ〜…名前からして強そう…!』
千空は迷わず、器の中の復活液を司の石像にざばっとかけた
グルルルル__
『…やばっ、囲まれちゃった…!!』
千空「来るぞ…!」
__” バキッ ”
大きな亀裂音とともに石像が割れ始めた
そして__
青年は隙間からゆっくり目を開けた
瞳に宿った光は鋭く、静かに、しかし圧倒的だった
まるで空気が変わる
大樹「すまんっ!数千年ぶりに起こしておいて何が何やら分からんまま…!!」
司「……現況は?」
千空「!…体表全体に鉱石片…!9時から2時方向にライオン群…!!」
司「…” オーケー “」
司は千空の情報と一瞥だけで理解したのか、
両手に残った石片をライオン群にぶつけた
次の瞬間
親分であるライオンが宙を舞い、木に打ち付けられた
__即タヒだ
それ を見て他のライオンたちは怖気付き、逃げていった
司「詳しい説明は…うん、ゆっくり聞くよ」
司「ただ約束するよ
君らにはもう、二度と危険ってやつは訪れない」
司「これからは、この俺が戦うからだ」
大樹「お……おおおおおぉぉぉぉ!!!!」
『 え、ちょ、ちょっと待って…??石割ったときより衝撃なんだけど…』
司「すまないが…肉を捌く道具を借りてもいいかい?」
司「ナイフ…なければ石器でもいい」
大樹「食うのか…?ライオンを…食えるのか!?」
千空「クククッ、毒はねぇよ
アンモニア臭ぇわ硬ぇわで死ぬほどまずいがな」
『食べたことあるんだ…』
千空「エボラの調査でアメリカに行った時な」
大樹「どういう高校生だッ!?」
司「身を守るためであるとはいえ、俺がこの手であやめたんだ…うん
全てを糧にすることで、自然の輪廻に感謝したい」
司「それだけだよ」
大樹「うぉぉぉ〜っ!!立派だ!!良かったな千空!!
悪代官なんかじゃなかったぞ!!」
大樹「めちゃめちゃ良い奴じゃないか!!」
千空「…だといいがな」
そう言いながら司に石器を渡す千空
千空「感謝とか何とかは1ミリも興味はねぇが
…肉を無駄にしねぇのは大賛成だ」
…なんでだろう、
” 嫌な予感がする “ __
主です〜。 最後まで見てくださってありがとうございます〜!
最後まで見てくれたってことは…新婚旅行はどこ行きますか?(?)
って冗談すよ〜もうー!引かないでくださいって〜!!
てかやっっと司出せたよ…時間かかりすぎでごめんなさい…😭
しかも今回長いし…
それでは…次回作お楽しみに〜…
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続き待ってますね!