コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ストロベリーカラーにオレンジとホワイトを加えた、甘めのルージュを引き、ほんのりとオレンジベージュのチークをぼかし、眉毛にも少しだけオレンジのシャドウを入れると、美都のメイクは完成した。
「うん、すっごく可愛い! 美都」
エミが、手をパチパチと叩いて絶賛する。
「なんだか、私じゃないみたいで……」
照れくさそうにうつむく美都に、
「続いて、第二ミッションは、髪型アレンジね」
と、エミが話した。
「美都、この頃髪伸ばし始めたでしょう? それってチーフの好みとかなの?」
肩に付くくらいまでに伸びた美都の髪を、ブラシで梳かしながら、アミが問いかけた。
「チーフの……っていうか、私自身が、好きな人の前では、もっと可愛くいたくて……」
「よっし! 今日は、美都をとびっきり可愛くしちゃって、チーフをびっくりさせちゃうから!」
鏡に映る美都に、アミが拳を握ったガッツポーズで、ニッと笑いかけた。
アミがヘアアイロンで毛先を緩めに巻き、エミがドライヤーで軽く横に流しセットをしていく。
「ヘアアレンジを、雑誌でだいぶ見た甲斐があるよね。すっごく可愛くできたかも」
ドライヤーを持ったエミが、美都の顔を覗いて言う。
「うん……ありがと。なんかこんな自分なんて見たことなくて……すごく照れるけど」
「ハイッと、ヘアアレンジ終わり!」
アミがスツールに腰かける美都の肩をポンと叩いて、
「それじゃあ、これで最後ね。この服に着替えてきて」
と、紙袋を手渡した。
「えっ……服まで? これでも充分すぎるのに、さすがに悪いよ、そんなの……」
遠慮をする美都を、
「私たちからのプレゼントだから、もらって。ファッションまでがトータルコーディネートでしょ?」
と、エミが促して、別の部屋で着替えてくるよう案内をした。