注意事項は第一話の冒頭部分をご確認下さい
今回は水赤、桃赤要素が出てきます
キャラ崩壊が激しめの頭の悪いギャグです
一ヶ月以上放置するとかいう大罪を犯しました
土下座
前回のアンケート答えてくださった方々ありがとうございます
ここまで大丈夫な方のみどうぞ
ホトケがダイスの構成員となってから、約一ヶ月が経過した
書類整理に追われながらもリウラにデレデレしているホトケ
そんなホトケを冷たく突き放すリウラ
ストレスによる胃痛で前よりも死にそうなイフ
意外とホトケを可愛がっているユースケ
ほぼ空気と化している他の構成員と幹部達
特に大きな任務も抗争もなく、比較的平和に過ごせていたのだ
その日もホトケは書類整理を行っていた
「( …なんかいつもより多い)」
まぁ気合い入れて頑張ろ!! とホトケは思い切り深呼吸をした
こうすると部屋に散漫してるリウラさんのフェロモンが感じ取れて元気が出てくるんですよね〜♡
そんなことを言ってリウラに殴られたのはつい三日前の話である
「(それにしても…こんな量の書類整理、僕が来るまではあの子もやってたんだ) 」
当然書類整理係なるものは存在していたのだろうが、それでも補えない分はリウラやイフが行っていのだと他の構成員から先日教えてもらった
正直なところ、こんな紙切れの処理に追われる必要なんてあるのかと思ってしまう
ふと、あの子に思いを馳せる
『赤い死神』と呼ぶには綺麗すぎる人だった
あの絶対零度よりも冷たい瞳、返り血で少し汚れたコート、白い肌に似合う真っ赤な髪、
綺麗だけど怖かった
死神っていうのはあんなに美しくないと思う
銃を向けられたときの興奮が未だ胸に焼き付いていて、ふと思い出しては身体が熱くなるんだ
…それと同時に、吐きそうになる
「(…そんなりうちゃんも好きだけどさぁ)」
バアァァァン
派手な音を立てて開け放たれた扉に
ホトケは一瞬理解が及ばなかった
数秒後、誰かがいきなり扉を開けたんだと理解したホトケに
「君がリウラの新しい幹部くん?」
扉を開けた張本人である桃色髪の男が、薄く微笑みかけた
「何格好つけてんの。ドア壊れるから辞めて」
「え〜いいじゃん別に〜」
冷静に突っ込みを入れるリウラに、ニマニマと口元を緩めながら返事を返す男
状況が理解出来ないホトケも、リウラの姿にすぐ激甘()ボイスを漏らす
「りうらさんお帰りなさいっ!!!♡」
席から即座に立ち上がりリウラに擦り寄ろうとするホトケを、すかさず男が襟首を鷲掴みにして足止めした
「ぐえッッッッ」
「うっわ、話には聞いてたけどマジだわ。良かったねりうらこんな忠誠心いっぱいの部下が出来て」
「良くねぇわ…あとその首輪あんまり強く掴まないで。最悪ほとけっち死んじゃうから」
「ほとけっち?何それ、コイツの名前?」
「ってかその前にアンタが誰?! 邪魔しないでもらえますぅ!? 僕早くリウラさんに抱きつきたいんですけどぉ!!!!」
「欲望ダダ漏れで笑えるね」
「目が笑ってないけど」
首根っこを掴まれたまま暴れるホトケを見下しながら、男はこう言った
「初めましてほとけっち君。俺はナイコ、ダイスお墨付きの情報屋だよ」
桃髪の男…ナイコの瞳が妖しげな光を宿す
優しく見つめているとも、品定めしてるとも言えないような視線。それを前にして怖気づくことなく、ホトケはこう返した
「こちらこそ初めまして。僕はホトケ・ラリマー、ダイスの構成員だよ…ところでそろそろ首離してくんない?」
「でも離したら君、リウラに抱きつくでしょ? 俺の大事なリウラなのにさぁ 」
「大事って何? アンタりうらさんの何なのさ? 教えてよ」
ホトケの丸っこい瞳が、限界まで鋭く細められる
ナイコはそんな彼に、勝ち誇ったような笑みを浮かべた
「ふふっ…リウラも随分とかわいー子引っ掛けたんじゃん。いいよ、教えてあげる」
「俺はリウラのお兄ちゃんだよ」
「りうらに兄は居ません」
「何だよりうらァ…お兄ちゃんって呼んでくれても良いんだぜェ…」
「この自称リウラの兄野郎はないくんね。顔面は良いけど性格がこうだから気を付けて」
「自称兄…? うぇきっしょ…」
「初対面で敵組織の幹部に告白した君が言うのそれ???」
俺の紹介文ひどい泣いちゃう、とわかりやすく落ち込む男…『ないくん』に軽蔑したような冷たい視線を浴びせるホトケ
「リウラさん。あの、お言葉なんですけど、こういう人間とは縁切るべきだと思います僕」
「言っとくけどお前もほぼ同類だからな」
「こんな虚言癖野郎と一緒にしないで!!!!!!!」
「確かにほとけっちのが若干マシだけど」
「俺がずっとボロクソ言われてて可哀想」
「てか”ほとけっち”って何? いつの間にあだ名で呼ぶような仲になってんの!? 俺聞いてないんだけどぉ!!!」
「何メンヘラ彼氏面してんのさぁ!! 少なくともアンタよりかはリウラさんに好かれてるんでねコッチはぁ!!!」
「うるせぇお前ら」
ワーワー言い争いを始める二人を、リウラは疲れた目で眺める。
一ヶ月前と比べて面倒なのが二人に増えてしまった
「ないくん、早く出てってくんない? もうほとけっちに挨拶出来たでしょ? 俺も暇じゃないんだけど」
「りうら冷たい…でもそんなトコも好きだよ♡」
「見ての通りコイツほとけっちの上位互換みたいな性格してるからキモいんだよね。使えはするんだけど」
「僕の上位互換って何!? 僕の方が貴方への愛は強いんですけどぉ!!!!」
「キレるとこ其処なのお前」
その言葉を聞き、リウラにでへでへと満面の笑みを浮かべていたナイコは目を吊り上げる
「はぁ? ほとけっちだか何とか呼ばれて調子乗ってんのか知らねぇけどよアホ毛野郎…」
「俺の方が!! りうっこ歴!!! 長ぇんだよばーーーーーか!!!!」
「因みにないくん25歳だよ」
「5歳も年下に本気になってる大人とか情けなすぎて笑えるんですけどおぉぉ!!!!」
「うっっっっそ君20歳なの? 顔も声もガキすぎて15くらいだと思ってたわwごめんねぇ!!w」
「でもこういう弟キャラがリウラさんみたいなハイスペックイケメンに刺さったりするんですよねぇ!!!!」
「違いますーー!!! りうらは俺みたいな大人の余裕溢れるえっちなおにーさんがタイプなんですぅー!!!! てか君がりうらより背ぇ高い時点で弟キャラ破綻してるからぁ!!」
「ないこ?」
「すみません」
「ないこさん…自分で自分をえっちなおにーさんとか言うの痛いんでやめた方が良いっすよ」
「弟キャラも十分痛いだろうが!!!!」
「お前のそれはただの痛々しい成人男性なんだよ… 俺はりうら以外の弟キャラは認めねぇ…」
「勝手に俺が弟キャラにされてる」
「普段クールなのに何処となく可愛さが滲み出てるタイプの弟キャラが最高に刺さるんだよ。分かる?」
「そういう男の子がいっちばんメロいし可愛いし罵倒されたくなるのは理解できるんですけど 」
「わざとらしい可愛さよりそっちの方がよっぽど刺さるんだよな。因みにりうらの好物ポテト」
「萌え死にそう」
「分かってんじゃねぇかお前…!!!」
「なんでお前ら結託してんの? え? 喧嘩してたよね?」
ギャンギャン言い争いしていた様子から一変。何故か固い握手を交わす二人にリウラは困惑の視線を向ける
「いいことを聞いてしまった…寮の台所って使用可能ですか?」
「俺が許可する…てか俺にも作らせろ。りうらの為に愛の籠ったポテト」
「ないくんが許可出さないで。あんた別にダイスの人間じゃないでしょ」
「まぁまぁりうら一旦落ち着けよ。俺らの仲だろ? そんな悲しいこと言わないで…」
「ないくんってダイスの人じゃないの!?」
「あ、そういえば言ってなかったわ」
「てかないくん呼びはりうら専用だから。呼ぶんなら別の呼び方でよろしく」
「…りうらさん、結局ないちゃんって何なの?」
「赤の他人」
「泣いていい?」
「腕の良い情報屋。仕事仲間って表現が一番近い。そんだけ」
リウラの先程よりかはマシなものの、相変わらず淡白な説明にナイコは肩を落としてしょぼくれる
ふと、ナイコがホトケの方を向いた
「えっと、ほとけくんだよね。改めまして」
先程までの狂人ぶりはどこへ身を潜めたのか、整った顔を優しく緩めるナイコ
「情報屋のナイコ・マラカイトです。今後も仕事で絡むことあるだろうし、挨拶しておきたかったんだよね。これからよろしく」
「ないちゃんは二重人格か何かなんですか?」
「こういう人だから慣れて」
「さっきまで激キモムーブかましてた人とは到底思えないね。こちらこそよろしく」
「…ふふ、りうら良い奴入れたじゃん」
「まぁね」
「…“まぁね”!? 」
やんわりとしたリウラの肯定に、思わず歓喜の声を上げてしまうホトケ。そんな彼にナイコはまた話しかける
「ねぇほとけっち。今から向こうでちょっとお話しない? 俺りうら愛語り合える子入ってきてくれて正直めちゃくちゃ嬉しいんだけど」
「今日はいつもに増してテンション高いと思ったらそういう事かよ…」
「生憎まだ作業が残ってるんで」
「真面目だねぇ…じゃあそんな君にプレゼント」
ナイコが一枚の写真をホトケに手渡す
「これは…?」
「りうっこ入会特典のりうらチェキだよ。全十一種類でシークレット1枚」
「…ありがとうございますッッ」
「ほとけっちはなんで鼻血出してんの? ねぇその写真何なの?」
「だからりうっこ入会特典のりうらチェ」
「ないこ?」
「という名の盗撮です」
「お前出禁な」
無慈悲にも出禁を言い渡され、膝から崩れ落ちるナイコ
「良いじゃん別にぃ!! ちょっと風呂とかトイレに小型のカメラ仕掛けてるだけだもんぅぅぅ!!!!!」
「うるせぇ。ほとけっちもその写真返せ。そんで鼻血止めろ」
「家宝にして良いですか?」
「ぶん殴るぞお前」
「ほとけっちのことは大体まろから聞いてるよ…あ、まろ分かる? あの青髪」
「いふくんね。そういえばナイコとか何とか言ってたわ」
「話聞く限り仲良くやってそうだね。良かった」
「別に仲良くないんですけど」
ようやくまともな世間話をし始める二人に、リウラはほっと胸を撫でおろす
「このりうらチェキもう一枚入手したいんですけどいくら積めば良いですか?」
「ちょっと今品切れしてるので入荷をお待ち下さい」
「マジで出禁にして良い?」
「甘いなりうらァ…出禁にしたくらいじゃ俺のりうら愛は止まんねぇぜ..」
「じゃあ今すぐ出てけ」
「りうらさんを愛でるのは僕一人で十分なのでね!!」
「なんで俺出禁でコイツ出禁じゃないの」
「ほとけはまだマシ」
「へっwざまぁw」
「そんなこと言うならもう入荷しねぇぞ?」
「嘘です嘘ですごめんなさい僕もりうらチェキ欲しいですいくらでも積みます!!!!!!!」
「やっぱ二人とも出禁にしようかな」
「じゃ、俺ほとけっちに挨拶出来たしそろそろお暇するね。ほとけっち仕事中だったでしょ? 邪魔しちゃってごめんね」
「いいよいいよ!! チェキありがと!!」
「俺もりうら愛を語れる仲間が増えて嬉しいよ…入荷待っててね。それじゃ」
それだけ言い残し、ナイコは部屋から出ていった
「…ないちゃんはどうしてあんなにりうらさんにゾッコンなんですか?」
「知らない。あの人ドMだから冷たくされんの好きなんでしょ」
「やっぱりうらさんとの歴長いとあぁなってしまうんですかね」
「人を狂わせ屋みたいに言うな。というかないくんとの初対面三年前だし」
「3年であぁなるんですか???」
「初対面での第一声が『俺のことはお兄ちゃんって呼んで』だったから」
「うわぁ(引)」
「てか歴だったらまろの方が全然長い。多分まろとは10年くらいの付き合い。アニキともそんくらいかな」
「…皆小さい頃のりうらさんを知ってるんですね」
「急にどうしたの。しんみりして」
「いや…あの、りうらさん」
「この中で恋愛的な意味で好きな人って居たり…」
「居るわけないでしょ」
「じゃあ僕にもワンチャン有るって解釈で良いですか?」
「…良いんじゃないそれで」
「っしゃあああぁぁぁぁぁ!!! 僕頑張ります!!!!」
「ん、がんば」
「てか、ないくん俺のこと好きそうに見えて本命は別にいるからね」
「…え?」
果たして桃さんの本命とは…!?
(前回のアンケートでモロバレしてる)
なんか想像以上に長くなってしまいました
すみませぬ
登場人物紹介part4
ナイコ・マラカイト
ダイスお墨付き情報屋
俗に言う残念イケメン
どこぞの幹部と距離近め
自称(?)リウラの兄
次回:風邪引きリウラさん
閲覧ありがとうございました
コメント
4件
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!! 更新さ"れ"て"る"ッッツ!!! 更新ありがとう御座いますッッツ!! 前の時確かチェキの内容とか書いていなくて、今回キモさがより明確書かれていてめちゃくちゃ好きでした…!!((ニッチすぎる これからも前作、旧作見返しながら続きまってます…✨
やった〜桃ちゃん来た〜(*゚∀゚*)次回楽しみにしてます!!
次回も楽しみです!とうとう桃さんも登場だ!