烏野高校 対 音駒高校
練習試合 開始。
前衛レフト セッター 早瀬飛和 1年 181㎝
前衛センター ウィングスパイカー 滝沢晴香 3年 178㎝
前衛ライト ウィングスパイカー 鎌千里 2年 184㎝
後衛レフト ミドルブロッカー 叶桜芽 1年 160㎝
後衛センター ミドルブロッカー 島道蘭 1年 189㎝
後衛ライト ミドルブロッカー 本田寧音 2年 166㎝
リベロ 三波楓良 3年 174㎝
前衛レフト セッター 七沢稔 2年 168㎝
前衛センター ミドルブロッカー レジェカ・クリス 1年 192㎝
前衛ライト ミドルブロッカー 田北楓 1年 178㎝
後衛レフト ミドルブロッカー 安野優馬 3年 189㎝
後衛センター ウィングスパイカー 城崎賢人 2年 174㎝
後衛ライト ウィングスパイカー 藤原泰雅 2年 182㎝
リベロ 多栄孝大 3年 158㎝
サーブ権は烏野から。
「 寧音~!!ナイッサー!! 」
「 一本かましたれ~!! 」
一つ息を吐いて、助走に出てジャンプし、手を振り上げる。
「 ジャンプフローター?! 」
音駒のリベロ、多栄孝大はレシーブに入る。
「 ナイス孝大!! 」
そして稔は目を光らせる。
誰に上げれば一番効率よく決まる?
誰に上げれば綺麗に決まる?
「 レオ 」
長い手足。
綺麗なフォームから点が決まる。
「 おぉ~!!ハーフってすげぇ~!! 」
「 大分飛ぶな… 」
桜芽は目を輝かすも飛和は一つ残らず情報をつかみ取る。
「 よーし、次のサーブは… 」
安野がローテーションを確認して次の音駒のサーブを見る。
「 あのへなちょこ…レシーブだけできんのに… 」
レオが気にかけてる相手、それは田北楓だった。
バレーを初めてまだ数ヶ月。
「 とりあえず入れることだけ考えてけ~!! 」
楓は息をごくりと飲むと一生懸命にボールを飛ばした。
「 前!! 」
レシーブに急ぐ烏野。
晴香がレシーブに入る。
「 桜芽!! 」
飛和に呼ばれた桜芽は全力で助走に入っていた。
そして、一瞬。
変人速攻が決まる。
「 なんだあれ?! 」
「 はぁ?! 」
レシーブに入ろうとした優馬もレオも目を丸くする。
「 またか… 」
音駒の監督、猫又監督も懐かしい様に笑う。
観客席、月島がなんだかムカつくように見る。
「 なにあれ…まるで日向と影山じゃん… 」
「 ナイス飛和!!桜芽!! 」
「 ウッス。 」
「 この調子で行くぞ~!! 」
「 お前ははしゃぎすぎんな。 」
「 う、うるさいなぁ!! 」
変人速攻を止めるのには多くの時間を要した。
第一セットは烏野が先制。
そして第二セットのデュース一歩手前の場面。
変人速攻を安野優馬が止めた。
「 いやぁ…君たちの速攻、止めんのほんっとむずいねぇ… 」
嫌味っぽく笑う優馬に稔が一言、
「 ユウもあんまり調子乗らないでね。 」
「 わーってるっての 」
それから第二セットは音駒が取った。
音駒は完全にブロックで止められないかもしれない。
でもブロックはあくまでコースの制限で、主にフロアディフェンスで補う。
それこそ「繋ぐ」バレーだ。
烏野だって、三波楓良のレシーブの力は高いが全体値で言うと圧倒的に音駒の方が上。
第三セットもそれを良く分からせる試合だった。
「「 整列!! 」」
「 ありがとうございましたぁー!!!!! 」
と、声が響く。
試合結果は1‐2で音駒の勝利。
「 も、もう一回!! 」
桜芽がそういうも蘭が止める。
「 バカなの?向こうだって帰る時間あるんだから。 」
「 ぐぬぬ… 」
そして桜芽は稔の元へ行く。
「 稔!!俺、絶対強くなる! 」
「 う、うん…そっか… 」
急に強くなる宣言をされてはそりゃ驚くに決まってる。
「 稔ってなんか勝ってもそんなだし…多分勝つことって稔にとってサブっぽいことなんだと思う 」
「 そ、そう…かも 」
「 だから、俺もっと勝てない様な相手になって稔に悔しいとか勝ちたいとか思わせるからな!! 」
そして稔は少し微笑んで言った。
「 楽しみにしてるね 」