これも98話ですか
次回銀さん嫉妬しまくり回いきますよん
(倉庫の奥、火花と土煙が散る中)
銀時「チッ……どこまで湧いて出やがる」
彩音「……本拠地って言うより、ゴキブリの巣だな」
銀時「うわ言った!さすが彩音容赦ねぇ!」
互いに背中合わせのまま、敵の波を捌く二人。
その息は乱れ、服は血と埃で染まっている。
女幹部「まさかここまで来るとはね……“狂刃”の末裔」
彩音「……その名を軽々しく呼ぶんじゃねぇ。アタシはもうその名を捨てた」
女幹部「ふふ、けれど血は消えない。あの夜、あなたの家を焼いたのは私。憎いでしょう?」
空気が、ひやりと止まる。
彩音の目が揺れる。
彩音「……あぁ、憎いさ。けど、あの時のアタシとは違う」
女幹部「ほう?」
彩音「今の私は“狂刃”じゃねぇ。“万事屋”の彩音だ(ちょい照れ)…坂田銀時の女でもある」
その瞬間、銀時の木刀が横をかすめ、敵を吹き飛ばす。
銀時「よく言った。……だからこそ、もう一人で背負うな」
彩音「……」
銀時「背負うのは、こうやって“並んで立つ時”だけでいい」
(銀時、ニッと笑う)
銀時「一人で抱え込むバカがいたら、叩いてでも引きずり戻す。それが仲間ってやつだ」
女幹部「感動劇は結構。だがあなたたち、ここで終わりよ!」
(敵、総攻撃!)
だが、銀時と彩音の息がぴたりと重なった。
銀時「……合わせろ、彩音」
彩音「合図は?」
銀時「そっちが殴った瞬間だ」
彩音「了解」
(ドンッ!!)
彩音の拳が空気を裂き、銀時の木刀が光を弾く。
衝撃波のような一撃で敵が一斉に吹き飛ぶ。
爆煙の中、女幹部が膝をつく。
女幹部「……馬鹿な……この力、まさか“共鳴”……?」
彩音「知らねぇよ。これはただの——」
銀時「偶然だ」
二人、同時に笑う。
(戦闘後)
崩れた倉庫の中。
銀時が壁に寄りかかり、彩音が隣に座り込む。
二人ともボロボロ。
銀時「……まったく、心配かけさせやがって」
彩音「お前こそ、捕まるとかマヌケ過ぎんだろ」
銀時「いや、あれは油断じゃなくて……ちょっとしたサービスだ」
彩音「どこに需要があんだそのサービス」
(互いにクスッと笑う)
風が、夜明け前の静けさを運ぶ。
銀時「……お前さ」
彩音「ん?」
銀時「刀、もう握らねぇって言ってたな」
彩音「あぁ」
銀時「それでも拳で戦った。……その手、今も震えてるぞ」
彩音はそっと手を見下ろす。
血に汚れた指が、まだ微かに震えている。
彩音「……怖かった。でも、それよりも」
銀時「……?」
彩音「お前を失う方が、ずっと怖かった」
沈黙。
銀時の目が驚きにわずかに見開かれる。
銀時「……バカ。そんなこと言われたら、余計に離れられねぇじゃねぇか」
彩音「……は?」
銀時(笑って)「ま、そういうこった」
静かに夜が明けていく。
倉庫の外では、薄明の光が差し込んでいた。
彩音「……これで、ようやく“あの夜”に終止符打てたな」
銀時「あぁ。だが——俺たちの朝は、まだこれからだ」
(淡い朝の光の中で、二人は無言で並んで歩き出す)
次回!銀さん嫉妬しまくり!
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