テラーノベル
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フフッ・・・「韓国は辛い食べ物が多いですものね」
桜はソースの甘い香りに鼻をひくつかせるジンを微笑ましく見た
「多いというかそれしかないよ、甘いのはスイーツだな、甘い食事という概念は無い」
桜は目を丸くした
「え?じゃあ韓国のお好み焼きみたいなものは辛いんですか?」
「チヂミかな?でも、あれはもっとシンプルで、辛いタレにつけて食べる。日本のこういうふわっとした生地に、甘いソースをかけるなんて、最初は衝撃だったよ」
「ハイ!どうぞ!」
「いっただきまぁ~す♪」
桜は鉄板の上でお好み焼きを切り分けてジンの皿に盛り付けた、ジンはフォークでソースとマヨネーズ、それに桜がブレンドした鰹節と青のり・・・ 紅ショウガが絡んだお好み焼きを口に運んだ、その瞬間、彼の目が大きく見開かれた
「うまいっっ!なんだこれ?店員が焼くよりフワフワだ」
彼は興奮気味に言い、すぐに二口目を頬張った。桜はジンの反応に満足して、ニコニコと笑って自分も一口食べた
「わぁ~!本当に美味しい!絶品ですね!高いだけありますねぇ~」
ジンが怪訝そうな顔で言う
「そう?ここ高いの?韓国の食べログではみんなお好み焼きはこの価格だよ?」
桜は笑った
「高いなんてものじゃないですよ!故郷の私が通っている小学校の横の駄菓子屋さんではお好み焼きは一枚100円、あと「10タコ」って言ってね、1個10円からタコ焼きが買えるんですよ」
「なんだそれは?その店はマフィアか?」
怪訝な顔をしたジンのリアクションにまた桜は大笑いした
道頓堀の夜風がそっと二人の間を通り抜け、ネオンのイルミネーションが桜の周りに輝き、映画の様に幻想的だ
ジンは可愛く微笑む桜の笑顔を見ながら、胸の奥で何か温かいものが広がるのを感じていた
偽装のはずなのに、この瞬間、桜と過ごす時間がまるで、そこには本物の愛が通っている錯覚さえ起こした
川沿いの喧騒と、鉄板のジュージューという音が混ざり合い、心の中ではずっと多幸感に包まれ、二人の会話は途切れることなく続いた
桜はジンの話す韓国の食文化に目を輝かせ、ジンは桜の家族のエピソードにいつまでも笑った
そして驚いた、テラス席の小さな世界は、まるで二人だけの秘密の空間のようだった
道頓堀のキラキラしたネオンが、偽りの愛を少しずつ本物に変えていくかのように
二人の距離をそっと縮めていた
コメント
2件
いい雰囲気🫶縮まる距離♡ このまま本物の夫婦になって 桜ちゃんの故郷の淡路島の駄菓子屋さん、いつか二人で行ってほしーなぁー( *´꒳`*)
いいねいいね👍 ほんわか素敵なムード🤗 ゼロ距離まで縮めちゃおう💕