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「よお!トッキー!」
時守(ときもり)が登校していると後ろから肩を組まれた。
「おぉっ。ビックリしたぁ〜。空楽王(ソラオ)か」
金髪の両方の耳たぶと軟骨に1つずつピアスを開けたクラスメイト
そして席の近い一州茗楽(イスミラ) 空楽王(ソラオ)である。時守も空楽王もワイヤレスイヤホンを取る。
「おっはー」
「おっはー」
「トッキーなに聴いてんの?好きなアーティストとかいる?」
「朝も早よから質問責めじゃの」
「ご近所さんのことは知りたいやん?」
時守(ときもり)は曲を止めるため立ち止まり、スマホを出して曲を止めてからスマホの画面を見せる。
「…おぉ月光-Gecko-さんか。いいよね。センスいい感じ」
「そうね。メロディーも詩もいいね」
「月光-Gecko-さんといえば、去年のドラマ見た?」
「見た見た」
時守(ときもり)と空楽王(ソラオ)は仲良く話しながら登校した。真風菜(まふな)も登校していると
クラスメイトで席の近いニ宅寺(にたくじ) 華音(はなお)の姿を見かけ、話しかけようとすると
「華ちゃぁ〜ん」
とサイドから現れたのは、これまたクラスメイトで席の近い音多木野(オトキノ) 子那恋(しなこ)。
華音(はなお)はヘッドホンを外し
「あぁ、音多木野(オトキノ)さん。おはよう」
「子那恋(しなこ)でいいよぉ〜。華ちゃん、ヘッドホン派なのね」
「あ、うん」
「なに聴いてんのー?あ、JEWELRY BOYS聴いてる?」
「あ、JEWELRY BOYSね。アニメの主題歌になってたからその曲だけプレイリストに入ってる」
「お!マジ!?あぁ、あの曲ね!はいはい!」
と言っていると子那恋(しなこ)と目が合う真風菜(まふな)。
「おぉ!まっふーじゃん!おはー!」
「おはよー。あ、ニ宅寺(にたくじ)さんもおはよー」
「あ、大鍵芸常(タケゲツ)さん。おはよ」
「2人とも堅いなぁ〜。ほれ、まっふー。ほれ、華ちゃん」
子那恋(しなこ)に促されて
「ま、まっふー」
「華ちゃん?」
と呼んでみた真風菜(まふな)と華音(はなお)。なぜか嬉しそうで得意げな顔の子那恋(しなこ)。
「私は私は?」
「…しーな?」
「なるほど。しーなね」
「しーな。うん。中学からずっとそのあだ名。子那恋(しなこ)って呼んでよー」
「私たちはあだ名なのに?」
「よし。真風菜(まふな)、華音(はなお)。私のことは子那恋(しなこ)とお呼びなさい」
「あ、変えた」
そんな話でワイワイと盛り上がりながら登校した。
「おいぃ〜鏡(カガミ)ぃ〜おはぁ〜」
「おぉ。そらと時守(ときもり)。おはよ」
「鏡おはよ」
「ヤバすぎん?もう予習してんの?」
「ん?あぁ。そうそう」
「授業始まってすらいないのに?」
「うん。ま、2回勉強して損はないでしょ」
「怖っ。マジ?マジで言ってる?その時間なんか別のことしたほうがよくね?」
「んん〜…することないし」
「オレらがいなかったからでしょぉ〜?」
「オレ“ら”?」
疑問に思いながら、スクールバッグを机の横のフックにかけ、イスをひいて座る時守(ときもり)。
「なにする?恋バナ?好きな人いる?」
「いきなり恋バナ?」
笑う時守。
「じゃあどうする?ほらぁ〜また鏡(カガミ)勉強始めちゃった」
「ゲームとか持ってくればいいんじゃない?」
「あぁ」
そう言ってスクールバッグを漁る空楽王(ソラオ)。
「持ってきてないわ」
そんな話をしていると真風菜(まふな)、子那恋(しなこ)、華音(はなお)が登校してきた。
「おぉ〜大鍵芸常(タケゲツ)さん、音多木野(オトキノ)さん、ニ宅寺(にたくじ)さん、おはよー」
「おはよー一州茗楽(イスミラ)くん」
「おはよー」
「おはよう」
みんな席に座る。
「礼王(れお)来ないな。休みか?」
と話しているとヘッドホンをした礼王が教室に入ってきた。
「おぉ、噂をすればなんとやら。おっす!」
と空楽王(ソラオ)はその場で手を高々と挙げ、振る。礼王(れお)もそれに気づき、手を振る。
「あいつ…イケメンだな」
ヘッドホンを取り
「おはよ、みんな」
と言いながら自分の席に近づく。
「おはよ」
「おはよう」
「なんだっけ…。…あ、YEET!」
「お。YEET!」
嬉しそうな礼王(れお)。席に座る。
バスケ部でモデル並のスタイルを持つ赤髪の灰水部(ハスベ) 優佳絵(ゆかえ)も登校して
自分の席に着くなり机に突っ伏して寝ていた。
「相変わらずスタイル抜群だな」
「この距離だから聞こえるぞ」
「だから小声で話してるんじゃん」
「いや…まあ、イヤホンしてるしへーきか」
「おはよー。おはよーございますー」
と担任の渋谷先生が入ってきた。ホームルームが始まって終わり、1時間目の授業の準備をする。
「ダルちゃす。ま、幸いシブヤンだからいいけどさ」
「どこの学校もそうじゃない?最初は担任の授業なんじゃないの?」
「そうなん?」
「いや、知らんけど」
「なんやねーん」
空楽王(ソラオ)と鏡(カガミ)が話をする中
「はぁ〜…あっ…」
あくびをする礼王(れお)。
「どったー礼王ちーん。昨日遅かったん?」
「あぁ。寝たの…3時?」
「わお!なになに?彼女?」
「残念ながらいませんよ」
「じゃなにしてたん、そんな遅くまで」
「WW…あ、プロレス見てたわ」
「はへぇ〜?プロレス。そんな遅くからやってんの?」
「いや。アーカイブ見てたから遅くなった」
「あーね。そーゆー」
そんな話をしているとき
「ねえねえ優佳絵(ゆかえ)ー」
優佳絵(ゆかえ)に話しかける子那恋(しなこ)。
「ん?」
「優佳絵(ゆかえ)って音楽なに聴いてんの?」
「音楽?私はOwn directionとかが好きかな。ま、基本的に洋楽聴いてることが多いかな。
練習中も試合前も聴いてるからテンション上がる」
「へぇ〜?じゃあJEWELRY BOYSは聴いてないか」
「うん。…なんでちょっと嬉しそうなの」
「え?あ、いや…複雑だよねぇ〜。
こう、私の推しグループを聴いてるのは私だけなんだ。とまでは言わないけど
このクラスでは1番私が愛が深い!っていう優越感と
もっと有名になってほしいなぁ〜っていう思いがこう、交差してるわけよ」
「ほあぁ〜」
ほぼ興味のない優佳絵(ゆかえ)。その一方、静かに頷く華音(はなお)。
「華音(はなお)…どしたの?」
まだ名前呼びに慣れない真風菜(まふな)。
「ん?あ、いや。わかるなぁ〜って」
「子那恋(しなこ)の話?」
「うん」
「華音はー…動画が好きなんだっけ?」
手招きする華音。真風菜が近づくと、内緒話をするようにして
「実はね、マンガとかアニメが好きなんだ」
と言った。
「あ、へぇ〜。でもなぜに内緒話?あとなぜに嘘を?」
「んん〜…。ガチで好きだからかな」
「オタクってこと?」
「そんなレベルではないけど。でも本気で好きだから
ニワカが話してるのとか聞きたくないからあえて言わなかった」
それを聞いて
あ、ガチオタやん
と思う真風菜(まふな)。渋谷先生が教室へ入ってくる。
「シブヤン来た。まだ授業始まらんよね?」
「もう始まっても全然いいけどね」
「もおぉ〜鏡(カガミ)ちゃん、真面目ぇ〜」
と言っていると
「えぇ〜、じゃ、ま、ちょっと早いけど
うちのクラスだし、ぼちぼち始めていきたいと思います。号令お願いします」
と本当に早めに始まった。
「鏡(カガミ)ぃ〜」
「マジで始まった」
女子の学級委員が
「きりーつ」
と言う。ガガギギーという音を響かせながら生徒がその場で立つ。
「礼」
お辞儀をしながら
「鏡じゃないんだ?」
「オレは終わり担当ってことになった」
「着席」
またガガギギーという音を響かせ、イスに座る。
「なるほどね?」
「はぁ〜…」
あくびをする礼王(れお)。
「礼王ちん眠そー」
「ねみー」
机に突っ伏す礼王。前の席の優佳絵(ゆかえ)の小さな背中に隠れるように突っ伏す。
しかし前の優佳絵(ゆかえ)も机に突っ伏した。空楽王(ソラオ)が礼王(れお)の机をノックする。
礼王が顔を上げる。空楽王が無言で前を指指す。礼王が前を見る。前の優佳絵(ゆかえ)も突っ伏しており
あ、ヤバい。どうしよ。となり、優佳絵(ゆかえ)よりも低姿勢で突っ伏そうと試みる。
「えぇ〜。ま、2年生になって初の授業となります。
皆さんの担任の私の授業で、1年生のころのことを覚えていればわかるとは思いますが
私の担当は地理です。1年生のころは日本の地理を教えていましたが
2年生では世界の地理を教えていこうと思います。教科書はー持ってきてますよね?」
さすがに忘れた生徒はいないようだった。
「空楽王(ソラオ)忘れたと思った」
鏡が小声で言う。
「昨日の今日で忘れませーん。つか全部置いてるし」
「一州茗楽(イスミラ)ー。まだ本格的には始まってないとはいえ、一応授業中だからな」
と注意される空楽王(ソラオ)。
「だって、鏡(カガミ)がー」
「子どもか」
渋谷先生のツッコミに教室内にクスクスと笑いが起こる。
「2年で私の授業は終わりです。3年生には私の授業はありません。
ま、もしかしたら担任でお世話になるかもしれませんが
一応高校では最後の授業ということで、よろしくお願いします」
「よっ!シブヤン!」
「うるさいぞ」
またクスクス笑いが起こる。
「まあそれでは、第1回目の授業は教科書捲ってみたり、導入とかそんなのを話していこうと思います」
ということで初回の授業は本当に世界の地理の導入、そして雑談で終わりとなった。
「じゃ、ちょっと早いけど終わりにしましょう。
まだ他のクラスは授業してると思うので静かにね。じゃ、学級委員」
「起立」
鏡(カガミ)が言う。
「おぉ。そうだ。鏡(カガミ)だ」
「礼」
渋谷先生と生徒全員がお辞儀をして初授業は終了した。
「今日はこんな感じで終わるなら楽だなぁ〜」
「そうだね。ずっと予習の時間に充てられる」
「鏡(カガミ)怖すぎんだけど。どんだけ勉強バカなん?」
その発言を聞いて子那恋(しなこ)、優佳絵(ゆかえ)、華音(はなお)、真風菜(まふな)
鏡(カガミ)、礼王(れお)、時守(ときもり)が笑った。
「勉強バカ。どっちだよ」
子那恋(しなこ)が笑う。
「たしかに」
と優佳絵(ゆかえ)。
「お?オレちゃん灰水部(ハスベ)笑わせた?マジ?おぉ〜。オレお笑いのセンスある的な?」
「ま、うちのクラスのマスコットにはなるかな」
子那恋(しなこ)が冗談めかして言う。
「お、おぉ。じゃあ、空楽王(ソラオ)くん、マスコットになろうかな?」
そんな風に8人仲良さげにしているとすぐに2時間目が始まる。
4時間目まで授業の進め方、導入などを話し、雑談をしたり、めちゃくちゃ早く終わったりした。
4時間目が終わり、お昼ご飯へ。
「優佳絵(ゆかえ)〜、華音(はなお)〜、真風菜(まふな)〜、一緒に食べようぞ〜」
子那恋(しなこ)が3人に言う。
「別にいいけど」
「あ、私売店行く組なんだけど」
「華音(はなお)〜。私もだぞ⭐︎あ、じゃあ、優佳絵(ゆかえ)移動めんどくさい組だろうから
優佳絵(ゆかえ)の机周辺で」
「どんな組だよ」
「チャオォ〜。またあとでぇ〜。行くよ華音(はなお)」
「あ、うん」
ということで真風菜(まふな)は優佳絵(ゆかえ)の近くの席へ行った。
「どーする?トッキーの近く?」
「ん?別にそっち行ってもいいけど」
「あ、大鍵芸常(タケゲツ)さん。オレのイス使う?」
「あ、…いい?」
「どぞどぞ。ぜひぜひ」
ということで
「こっちに来ましたとさ」
「あ、一州茗楽(イスミラ)くん。よかったら私のイス持ってって使っていいから」
という真風菜(まふな)。
「お、ありがとーございます!と、い う こ と で」
と言いながら真風菜の席のイスを時守(ときもり)の席の近くに持ってくる空楽王(ソラオ)。
「礼王(れお)ちゃぁ〜ん、鏡(カガミ)ぃ〜。おいでぇ〜」
「オレは動かんでもいいでしょ」
鏡が言う。
「あぁ。そうね。礼王(れお)はー」
「オレはこれから売店。売店組いないん?」
「弁当!」
「オレも」
空楽王(ソラオ)と鏡(カガミ)がお弁当と出す中
「あ、オレ、買いに行く組ー」
と時守(ときもり)が手を挙げる。
「おぉ。じゃ、一緒に行こう。まだ売店の場所とかわかんないでしょ」
「助かる」
「えぇ〜。なんかズルくね?」
と鏡に言う空楽王。
「なにが」
「なんか楽しそうくね?」
「まあ。楽しそうではあるけど」
「んじゃ、行ってくるー」
「いてらー」
時守(ときもり)と礼王(れお)は教室を出た。
「時守のその髪は地毛?」
「これ?地毛。…だったらいいんだけどね」
「あぁ、ビックリした。そうだよね。さすがに染めてるよね」
「維持大変」
「だよね?ムラシャン?だっけ?」
「してるしてる。礼王(れお)の襟足も」
「あぁ、この青ね」
「綺麗だよね」
「まあぁねぇ〜」
某女芸人さんのように襟足を手でサラァ〜っとする礼王。
「まあぁねぇ〜」
マネする時守(ときもり)。
「青ってさ、やっぱブリーチしてからだよね?」
「まあね。あ、今のは違うからね」
「わかってるわかってる。言い方が違うもん」
2人で笑う。
「でも青は割と色抜かなくても入るよ。ま、黒では入らないけど」
「ま、そうだよね。あれ、シャンプーするときって」
「青い水?流れまっせ」
「やっぱり?」
「うん。なんか、たぶん気のせいだけどうちのお風呂の床、若干青に染まってきたもんね」
「マジかよ」
そんな話をしながら売店へ行き、それぞれパンと飲み物を買って教室へと戻った。
「…あれだね。こうやって2人で話すの初めてだね」
真風菜(まふな)は優佳絵(ゆかえ)に話しかける。
「そうだね」
「優佳絵(ゆかえ)はバスケいつからやってんの?」
「いつから…小学生にはやってたかな」
「クラブ活動で?」
「そうそう。体育の授業でやらなかった?バスケ」
「やったー…かなぁ〜」
「うちではやってさ?そこでおもしろくて」
「で、中学から部活に入って」
「そうそう」
「で今やエース」
「エース…なのかな。ま、楽しんでますね。真風菜(まふな)は?なんか部活やってたりしないの?」
「私は帰宅部。1年の頃いろんな部活見学したけど、結局入らず終い」
「へぇ〜」
なんて2人で話していると
「よおよおよお。帰ってきたぜぇい」
と子那恋(しなこ)と華音(はなお)が帰ってきた。
「おかえりー」
「ただいま」
「ただいま!」
「おかえり、ただいま…うん。どの期も好きっす。あ、もちろん背景ほぼなしの原作も大好きです。
とにかくキャラが可愛くて、ストーリーもほっこりと」
「華音(はなお)なにぶつぶつ言っとんの」
「あ、いや、なんでもない」
「んじゃ、いただきます!」
と4人で食べ始めた頃、時守(ときもり)と礼王(れお)が教室に帰ってきた。
「おぉ、トッキー、礼王。おかえり。YEET!」
「YEET!」
「もう挨拶よね」
「まあ、いろんな意味あるしいいんでね?」
「まま、座りたまえよ」
時守(ときもり)、空楽王(ソラオ)、鏡(カガミ)、礼王(れお)が時守の机の近くに集まりお昼ご飯を食べた。
「優佳絵(ゆかえ)優佳絵(ゆかえ)」
「ん?」
「今日バスケ部あんの?」
「今日はある」
「明日は?」
「明日はない」
「じゃあさ、明日この4人で放課後遊び行かん?あ、華音(はなお)と真風菜(まふな)は大丈夫?明日」
「明日は私バイト入ってる」
「え!?華音バイトしてんの!?意外!」
「たしかに」
「なんのバイト?」
「本屋さん」
「へぇ〜」
「いつから?」
「高1の夏」
「へぇ〜早いね」
「じゃあ明日もダメかぁ〜。土日は?優佳絵(ゆかえ)バスケ部ある?」
「今度の土曜はない」
「マジ!?じゃあ。あ、華音(はなお)は?バイト」
「土曜は入れてない」
「うっしゃー!土曜遊び行くぞー!」
「テンションたっか」
ということで土曜日に女子会が決定した。
「え、プロレスってさ、なにで見んの?サブスク?」
「まあ…サブスクもそうかな。ほらAmaba(アメーバ)知ってる?」
「知ってる知ってる。百舌鳥さんの番組見てる。
それだけのために契約してる。え?Amabaでやってんの?」
「やってるよ」
「マジ!?今からでも楽しめる?」
「んん〜、わからん。わからんけどEntranceはおすすめ。劇的に派手だから」
「エントランス?」
「入場だね」
「そうそう」
「入場?プロレスラーがリングインするまでってこと?」
「そ。ま、正確にはプロレスラーじゃなくてSuperstarだけどね」
「Superstarか。いちいちカッコいいな」
「へぇ。入場が肝なの?」
「んん〜。いや、もちろん試合内容もストーリー展開も面白いけど
Entranceの派手さは…ちょっと飛び抜けてるかな」
「気になるぅ〜。帰ったら見てみよ」
「オレも見たいけどAmaba(アメーバ)入ってないしな」
「MyPipeでも見れるよ。ま、Entranceは見れないー…
あ、でもTop10でBest Entranceみたいなので見れたっけ」
「へぇ〜。今見てみよ」
「え。オレにも見して」
ということで時守(ときもり)は検索して動画を再生し、机の真ん中に置いた。
あまり興味なさそうな鏡(カガミ)も含め、全員で覗き見た。
「スゲェ!」
「マジか。祭りじゃん」
「花火」
「お!YEET!」
「あぁ、このときね。うん。良かった。たしかに良かった」
「うわ。マジか。エグいな」
「会場もデカ」
と盛り上がった。
「うわぁ〜。帰ったら見よ」
「え。オレも見たい」
「お、時守(ときもり)も気になる感じ?」
「お。じゃあ、トッキー。家(うち)で見る?」
「お、いいの?」
「いいよぉ〜。あ、鏡(カガミ)も来るっしょ?」
「オレ?」
「おとぼけぇ〜。気になってるくせに」
たしかに気になっていたので、なにも言えない鏡。
「んじゃー…いつにする?いつがいい?」
「いつ。別にいつでもいいけど」
頷く時守(ときもり)と鏡(カガミ)。
「…んん〜っ とぉ〜」
空楽王(ソラオ)がスマホを見る。
「まあぁ〜。平日…になるか?だよな?父さんと母さんがいない日」
「あ、ご両親いない日のほうがいいんだ?」
「そりゃそーでね?リビングで見るんだし」
「あぁ」
「なるほどね」
「あ、でも今度の土日、父さんは会社あるって言ってたし、母さんは出掛けるって言ってたな。
土曜だっけ日曜だっけ。…ま、土日空けといて」
「オッケー」
「YEET」
「お、YEET」
「わかった」
ということで土日のどちらかに男子会が仮決定した。
お昼ご飯を食べ終え、お昼休憩をし、5時間目も6時間目の授業も進め方、導入を説明して雑談して終わった。
渋谷先生が教室来て、ホームルームが始まる。
「えぇ〜。本日から授業が始まりましたが、いかがだったでしょうか」
「疲れたー」
空楽王(ソラオ)が言う。
「まあ、多少疲れたかと思いますが
私の授業も他の授業も次からが本番なのでしっかり忘れ物しないように」
と空楽王(ソラオ)を軽くあしらいながらも空楽王(ソラオ)の内容も組み込むさすがの先生。
「はぁ〜い」
小学生みたいな反応の空楽王(ソラオ)。
「では、まあ、これくらいかな」
と先生が鏡(カガミ)に視線を送る。
「起立」
生徒が立ち上がる。
「礼」
「おつれっしたぁ〜」
「はい。お疲れ様でした」
教室内が一気ざわつき始める。みんな帰る用意をしたり、もう教室から出ていたり。
「今日はー?この後遊ぶー?」
空楽王(ソラオ)が鏡(カガミ)の机に座る。
「…はぁっ…あぁ…」
あくびをする礼王(れお)。
「今日はパス。家帰って寝るわ」
とリュックからヘッドホンを出し首にかける礼王(れお)。
「マジンコー?」
「下ネタやめて」
「ギリセーフやろ」
「んじゃ、お疲れ〜」
リュックを背負ってヘッドホンを耳にあて教室を出ていく礼王(れお)。
「ま、じゃ、礼王(れお)ちんが帰ってしまわれたということで、今日は帰りますか」
「だね」
「うい」
3人も帰る用意をして3人で話しながら教室を出た。
「空楽王(ソラオ)は部活なんもしてないんだね」
「うん。帰宅部のエースね」
「それ、陽キャが言うことじゃないよ」
という鏡(カガミ)。
「いや、1年の頃はサッカー部にいたんだけどね?」
「あ、やっぱり?サッカー部ぽいって思った」
「お?イケメン=サッカー部ね?わかるわかる」
「自分で言うかね」
「もしくはバスケ部ね」
「それな。でも猫…あ、トッキーわからんか、猫井戸高校って高校があんだけど
そこと練習試合したときに、めっちゃうまいヤツいてさ?しかも同じ1年。
あ、敵わんわ。って思っちゃって、で、辞めた」
「へぇ〜」
「トッキーは?なんか部活入ってた?」
「一応入ってはいたね」
「なんの部活?」
「写真部」
「写真部!?へぇ〜なんか意外」
「まあ、わかる」
「じゃ、こっちでも写真部入んの?あれ?てかうち写真部なんてあったっけ?」
鏡(カガミ)に聞く空楽王(ソラオ)。
「知らん。そんなオシャレな部活うちないでしょ」
「そんなオシャレな部活じゃないけどね」
「こっちでも入んの?ま、あったらの話だけど」
「入んないかなぁ〜。オレ幽霊部員だったし。
たまにスマホで写真撮ったり、モデルに借り出されたりするくらいだったし」
「お?イケメン自慢か?お?お?」
「違うよ」
と3人で笑いながら下校した。