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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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ゆっくりと彼が顔を近づけ、自然と唇が重なる。やさしくたしかめるようなキスだった。
胸がいっぱいになって、離れたあともしばらく言葉が出てこなかった。
「これからは遠慮はいらない。思ってること、全部俺に言えばいいから」
真っすぐでひたむきなその言葉に、胸の奥がまた熱くなる。
「……努力します」
「“努力”じゃ困るな」
少しだけ意地悪そうに笑った彼が、私の手を取った。指を絡めてぎゅっと握られる。
「一緒にいるんだから」
その一言がやけに重くて、胸の中にじんと沁みた。私もしっかりと手を握り返す。
顔を上げると、夕焼けに染まった海が広がっていた。
オレンジ色の光が水面に揺れて、きらきらと輝いている。
あの日、川の流れを見ながら言われた言葉を思い出す。
『君はとても真っすぐで、俺にはキラキラして見える』
あのときは意味がわからなかったけれど、今なら少しだけわかる気がする。彼がそうだから。
流れていく時間の中で、出会って、惹かれて、こうして隣にいる。それはきっと、偶然なんかじゃない。
「この縁、大事にしたいです」
ぽつりとつぶやくと、彼がすぐに「俺も」と返してくれた。
「手放す気なんてないけどな」
「……逃げませんよ」
ふたりで顔を見合わせて、自然と笑い合った。さっきまで泣いていたのがウソみたいだ。
繋いだ手はそのままに、ゆっくりと歩き出す。
少し先の未来なんて、まだわからない。
だけど――この人となら、どんな時間もきっと乗り越えていける。
そんな確信だけが、静かに胸の中に残った。
コメント
1件
第50話、お疲れ様でした! キスのシーン、すごく良かったです。「やさしくたしかめるような」って言葉選びがもう…胸がぎゅっとなりました。彼が「思ってること全部言えばいい」って言うところ、真っ直ぐで頼もしくて、そこからの手を絡めて握る仕草も甘くてドキドキしました。最後の夕焼けの海の描写と「この人となら」の確信、全部がじんわり沁みるエピソードでした。夏目さんの書く距離感の近づけ方、本当に繊細で大好きです🌷